生きている間に伝えておくこと
先月の初旬、まだ肌寒い気温が雨と共に残る頃、幼馴染の友人の母が亡くなった。まだ52,3歳だったと思う。昔からその子とはよく家を行き来していて、母親同士も映画に行ったりランチに行ったり、仲が良かった。しばらく癌を患っているとは聞いていたものの、6月に逝去した。
私と私の母は、お通夜に出席した。彼女の父は会社の社長とだけあって、会場には立ち見も出るほど大勢が集まっていた。部屋に響く僧侶の声をしばらく聞いた後、御焼香をして、開いている棺を覗き込んだ。そこには息をしているかのように