no.42 実現 ― コーディネート(適応)
戦略マップ(忠臣蔵)
105ページに添付(上図)の忠臣蔵の実行戦略のサンプル”戦略マップ“をご覧いただきたい。(㊽) ここでは、実行戦略の重点活動を「学習と成長」、「運用システムの開発」、「価値創造の実践」、「成果の達成」として分類している。
また、これら4つが、下から上へのアクションの流れとして視覚化されているのがその特徴。このチャートは行動の時系列的進化の中で、目的がどのように実現されていくかを示しているのだ。
この因果関係を表したともいえる表、”戦略マップ”で役立つのは、基礎<目的>と屋根<戦略>をつなぐ六角形モデルの心柱を、4つの発展段階に分けて可視化できることだ。4つの発展段階は、植物が成長するように、心柱の下から上へと伸びている。
使命と価値観は、組織の構成員が共有する基盤となるものでなければならず、それを実現するために十分な知識と体力を各自が「学びと成長」で身につけなければならない。 「学びと成長」では、プロデューサーは各メンバーに特定のタスクを実行する能力<コンピテンシー>を身につけさせ、目的を理解させることでメンバーをやる気にさせる必要がある。この「学びと成長」は、目標に向かって求心力を生み出すフェーズだ。
次に、プロデューサーは、実行戦略を執行する運用システムを確立することで、これらのチームメンバーのスキルを最大限に活用できる仕組みを作成する必要がある。プロデューサーは、顧客/消費者のための価値創造を分担する形で実行組織を編成することもできる。あるいは、 How to Win のビジネスモデルを合理的に設計し、それに基づいて組織をつくることもできる。この組織化作業は、一般に「オペレーション システムの開発」と呼ばれる。
そして3つめのステップが「価値創造実践」だ。
ここでは、実際のビジネスモデルや活動の流れを日常的に運用することで、顧客(または消費者)を獲得し、維持し、育成するための活動に焦点を当てていく。
目標達成に向けてチームワークを保ちながら、様々な形でビジネスの結果に影響を与えるファン(大切なお客様)を育成する活動を続けていくのだ。チームメンバーは、指定された実行戦略のパフォーマンス指標のそれぞれについて結果が達成されるまで作業を続けねばならない。
最後に、”戦略マップ”は、六角堂の屋根に表された、 O (目的) S (投資戦略) S (管理戦略) の完成とG (目標) の達成につながる。重要な財務結果、利益を獲得する必要もある。それらは、「結果を達成する」というステップでなされていくのだ。
この4つの工程を経て、実際のプロデュースが完了する。
この戦略マップは、マーケティングを表す六角堂のホールの大きな中心の心柱を、底から上まで説明しているのだ。
この戦略マップでは、活動全体の調整と、それを担当する人に対する指導が有効な鍵となる。
参考文献:
㊽: 「Strategy Maps」Robert S. Kaplan、David P. Norton著(Harvard Business Review Press)
エクササイズ
38週、39週のエクササイズで策定された、実行戦略のひとつひとつを、戦略マップの4つのステージ:目的を達するために時系列的に展開していく4つの段階 に沿って分類してみよう。
学習と成長
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オペレーションシステムの構築
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