見出し画像

太る方法 アーユルヴェーダ

なぜ太れないのか

世の中には痩せるためのダイエットはいくらでもありますが、痩せていて太りたい人の情報はあまりないようです。

たくさん食べてカロリーを増やせば太れると勘違いして頑張っているのに太れないという痩せた方がかなりいるのではないでしょうか。

アーユルヴェーダでは太るための食事や行動についてアーユルヴェーダの基本理論どおりに考えて実践することをすすめています。


痩せすぎはほとんどの場合ヴァータのアンバランス、次にピッタ過剰な状態が考えられますがピッタの場合は一時的に痩せてしまうことがあっても、ヴァータの痩せのように痩せてなかなか太れないことで悩むまではいかないことが多いです。

もともとヴァータの外見的特徴は痩せていて高身長か低身長であることが多いのですが、ヴァータのバランスが整っていればガリガリになることはありません。

ヴァータの特徴として動く、速い、粗い、空(空間、空っぽ、空気)などありますが、ヴァータの食事、生活行動、思考が整っていればこれらの特徴がポジティブに働いて、リーダーシップをとったり、仕事もバリバリスピーディーにこなし、クリエイティブで素晴らしいアイデアを提案したり、細かいことにくよくよしない、さっぱりした快活さなどが発揮できますが、ヴァータがアンバランスになると、例えば何事にも大雑把で仕組み作りの入念さに欠けたり、食事も早食いできちんと消化できなかったり、動きすぎてスタミナが持続しなくなったりします。
またヴァータを増やす環境で生活していれば、その影響を受けるので対策が必要です。

太れないヴァータの人はこのようにヴァータのアンバランスが生活のところどころで見受けられ、体、心、意識全てを整えることでヴァータのバランスをとりヴァータとして適した体を保つことができます。

最初にすること

最初に最も大切なのはアグニを整えることです。
アグニとは簡単に言うと消化力のことです。

消化、吸収ができないと体に必要な栄養素が体内から排泄されるだけで身体を作ることができません。
食べても食べても太れない人はアグニを見直す必要があります。

せっかく肉や魚のたんぱく質を摂ったのに体に反映されていないと感じるなら、アグニが正常に機能していないと言えるかもしれません。

現代では食品添加物、人工甘味料、トランス脂肪酸などは消化に負担をかけ、体内では消化することのできない科学物質が蓄積されることで、本来、栄養は小腸で吸収され不要なものだけが大腸に運ばれるはずなのに、それら化学物質が消化吸収を阻害する原因となります。

なるべく食品添加物、人工甘味料、トランス脂肪酸など有害なものを避けましょう。

一度、消化吸収をしにくくなった体内をリセットするためにファスティングしてデトックスし、消化吸収力を強くします。

ここでの消化の意味は代謝も含まれています。
代謝がきちんと行われることで栄養が体中に届き血や肉や骨などとなるので、代謝の邪魔をする粗悪な食品を取らないことです。
トランス脂肪酸は避け、消化吸収しやすく代謝しやすい良質の油を選ぶことも大切です。

ヴァータがアンバランスである時、食べたものがまだ消化されていないのに、おかしな空腹を感じ、本当の空腹ではないのにちょこちょこ食べて食事と食事の間を開けていないということがあります。

これはヴァータが第一ドーシャの人に限らずピッタでもカッファでもおきやすいことです。

ヴァータがアンバランスになると消化吸収が乱れる


ヴァータがアンバランスになるとヴァータの質である 動く、空間、衝動、、、、が強まり、頭の中で四六時中何かを考えたり、余分に動きすぎてしまったり、しゃべりすぎてしまったり、鼓腸がおきたり、頭痛、などで消耗することで体重が増えてくれません。

ヴァータが増悪することで一番気を付けなければならないのは、ピッタやカッファよりも老化が早まることです。

もともと乾燥、粗いという質を持っているため、気を付けないとすぐに皺ができ、骨や筋肉や皮膚に潤滑性や強さを失いやすいためヴァータと同質の食べ物、環境を避けることが大切です。

食べた食べ物の影響が体だけでなく行動や思考に影響するため、ヴァータに沿った食べ物を選ぶと行動や思考も落ち着いてきます。

落ち着いてのんびりする、動かない時間を意識して作ります。

例えば、マイナスイオンがある森林や渓谷でゆったり過ごすことでヴァータの乾く、軽いという性質に潤いを与えることができます。

ヴァータを安定させる食べ物、食べ方、避けたほうがいい食べ物

ヴァータを安定させる食べ物は重い、甘味、塩味、酸味のあるものが良く、辛味、渋味、苦味のヴァータを増やす味の食べ物は多くとらないようにします。

肉魚などのたんぱく質、ギー、バター、良質のココナツオイル、オリーブオイルがここで言う重い食べ物に当たります。

甘味とは砂糖でなく柔らかめで水分量の多い日本の白米、さつまいも、カボチャなど自然な甘さがあるものを意味します。

玄米やタイ米などは水分が少なかったり、粗いという点でヴァータに特におすすめできる米ではありませんので、日本の白米がすすめられますが、多くとりすぎると消化管に粘液が溜まりやすく未消化物になりやすいので、白米のみ食べるのではなく、野菜や豆、芋類、米、発酵食品、果物などバランスよく取り入れ、腹八分までを心がけ、食間の時間を空腹になるまで保ちましょう。

塩味はヒマラヤソルトなど天然でミネラルの多い塩、それを使用して調理する。
精製塩のような化学塩ではなく、自然塩を選びましょう。

酸味として、和食の酢の物は甘味、酸味、塩味の三種類がありヴァータのバランスをとるのにとても良いです。

食事の初めに手作りの酢の物を食べましょう。

野菜は水分が多く、身体を冷やさない野菜がおすすめです。
アスパラガス、ニンジン、かぶ、白菜、、、、
サラダは生野菜より温野菜サラダがヴァータを改善します。
レタスを使うなら、炒めたり、スープにします。

果物なら夏に出回る桃、すいかなど水分が多い果実、ブドウ、ミカンなど柑橘系、バナナがおすすめです。

無添加、人工甘味料のないチーズ、ヨーグルト、ナッツもアグニが正常ならば少量とると良いでしょう。

但し、アーモンドの薄皮は未消化物になりやすいため、水に浸して薄皮を取り除いてから使用します。


日本の伝統食である酸味、塩味の無添加の梅干しはヴァータにおすすめです。

アーユルヴェーダの3000年-5000年前の古典書には、痩せた者、長旅で疲れた者、病気で消耗した者には肉のスープを飲ませなさいと述べています。

韓国料理のソルロンタンなどじっくり肉を煮込んだスープは消化吸収しやすく痩せすぎのヴァータにおすすめです。

ヴァータの質である軽さ、乾いている、粗い、速い質を持つ食品は避ける。
例えば、ポップコーンです。
トウモロコシを炒って水分を飛ばし性質を変えたものになるのがポップコーンです。
ヴァータは乾いて軽い、ポップコーン状態になりがちですので同じ質の物を取らないようにします。
せんべい、クラッカー、パンなどはヴァータを増やしますので避けます。
ファーストフードは早く作られる、アーユルヴェーダは時間をかけてしっかり作ったものを評価しますので特にヴァータの人にはファーストフードは勧められません。

ヴァータを安定させるにはポップコーンを食べる代わりにトウモロコシを蒸してギーと岩塩をつけて食べることです。
トウモロコシは水分があり、甘味がありますのでそちらを選びましょう。
冷たいものはヴァータを悪化させやすいため、冷たいサラダや冷たい飲み物を避けます。

良質な牛乳、アーモンドミルクを温めギーとジャガリーという天然の糖を加えて飲むのもヴァータを安定させます。

調理法は煮る、蒸す、油で炒めるなど水分と油分を使用する調理法がヴァータ向きです。
スパイスはシナモン、カルダモン、バジル、フェンネルなど身体を温めるもの。

ヴァータはピッタやカッファよりもすぐに乾く性質であるため、水分は多めにとりますが、白湯の飲みすぎはさらに乾かすとうい一面もあるため、常温の水が向いています。
急いで食べることはヴァータを増やし消化吸収がしにくくなるため、ゆっくり時間をかけ味わって食べましょう。

ヴァータのアグニを整えるには温かいおかゆにギーと少量のミネラルソルトをかけたもの

太りたい人が生活で取り入れること、改善すること

規則正しい生活、十分な睡眠時間をとること、刺激になる物事を見たり、聞いたり、食べたり、嗅いたり、触ったりすることもヴァータをアンバランスにします。

五感で心地よく、リラックスする物事だけを選ぶようにします。

温かいお湯につかること、温泉でリラックスすることもヴァータを鎮めます。

太陽の日差しに当たる事で身体を温めること、月光浴でしっとりすることも日課にしてください。

ヴァータのための衣類は温かく、柔らかい天然の繊維であることが好ましいため、麻は適していません。麻はカッファには適しています。
なぜなら、粗く密度がなく、湿気が起きにくいのでカッファの質を増やさないからです。
ヴァータには絹、柔らかな木綿、柔らかなウールが適しています。
これらの生地はヴァータの乾いて、水分を体内から逃しやすくしてしまうのを防ぎます。

家の中、部屋の中は冷えないように暖かく保ち、冬場に乾燥することは最もヴァータを増悪しますので、加湿状態をチェックしてください。

ヴァータを改善する運動として、ヨガや水泳です。

激しい運動や炎天下の下での活動は避けます。
ヨガはリストラティブヨガのように消耗系でなく、リラックス系でゆっくりした動きのヨガを選び生活に取り入れます。

水泳は温かい温度の海水浴を心地よい程度で、やりすぎないことです。

ヴァータタイプで痩せて太れない人は便秘になりやすい人もいます。
その場合、便秘を改善することで消化吸収がよくなり太ることができるようになります。

太れない人の便

ヴァータ性の便秘は食べたものがちゃんと消化さえていないことが多く、鼓腸、ガスが頻繁にでる、便が乾燥気味でうさぎのようにコロコロしている。
その場合は明らかに腸がヴァータが増えて乾燥して潤いがないために良質な潤いのあるバナナ上の便になっていない可能性があります。

良い便は良い消化吸収ができている証拠となります。
腸を潤わせるために、水をしっかり飲み、良質のオイルを摂取しましょう。

チャワンプラッシュ



私が働いていたアーユルヴェーダのクリニックで、ある日 医師が痩せて発育不良の子どもの親にアドバイスしました。

食事法、生活指導をして、アーユルヴェーダのチャワンプラッシュというジャム状のハーブ製剤を処方しました。

主にチャワンプラッシュは発育不良やヴァータの若返り、痩せている、虚弱な方、老化防止などの目的でとる甘味のあるハーブで、黒ゴマペーストジャムのような見た目で、甘味、ほのかに酸味、少しのスパイス感があります。

ビタミンCが豊富に含まれているスーパーフルーツのアムラを主に、数多くの天然フルーツやハーブをミックスして作られ、ハーブやスパイスは消化吸収しやすくするために配合されたアーユルヴェーダの古代の智慧のレシピに基づいてつくられている定番の健康食品です。
体に良いとされるものをいくら摂取したとしても、消化吸収できなければ役に立たないので消化吸収を助けるスパイスとハーブが含まれていることが大切です。

インド人は疲労回復にも朝晩小さじ一杯摂取します。

チャワンプラッシュは健康食品やサプリメントとして様々なサイトで売っていますので日本でも購入可能です。

心と体と意識の相関関係

食事やサプリやプロテインなど、どれか何か一つだけやれば改善して太れるというわけではなく、衣食住、行動、思考、全てをヴァータを整えるためにホリスティックに実践していくことで太れるようになっていきます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?