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令和5年度上期 機械科目 問2 電験3種過去問


問題

出典:令和5年度上期第三種電気主任技術者機械科目A問題問2

考え方

この問題は、永久磁石を用いているので、他励電動機として考えることができる。そのため、他励電動機の等価回路を書いて考えていく。
また、定格運転時の効率$${\eta}$$は、

$$
\begin{align}
&\notag\\
\eta &= \frac{出力}{入力}  \tag{1}
\end{align}
$$

で考えればよい。

解答例1

定格時の等価回路は図1のようになる。

図1 定格時の等価回路

ここで、効率を求めるため必要なことを整理する。式(1)より、入力と出力が求まれば効率を求めれる。
入力は、$${VI = 12\times1=12\,\rm{W}}$$である。一方で出力はモーターの軸の部分である。図1の等価回路図でいえばMのところの電力である。よって、出力は、$${E\times I}$$で求まるが、逆起電力$${E}$$を求める必要がある。
逆起電力$${E}$$は、問題文でブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視するとしているので、図1の等価回路より、

$$
E = V-IR_{a} \tag{2}
$$

で求まる。電機子抵抗$${R_{a}}$$は静止状態から求めることができる。静止状態の等価回路を図示すると、図2のようになる。静止状態では、逆起電力は発生しない。

図2 静止時の等価回路

よって、電機子抵抗$${R_{a}}$$は、

$$
R_{a} = \frac{V}{I}=\frac{12}{4} = 3 \,\Omega \tag{3}
$$

と求まる。式(3)の結果を式(2)に代入すると、

$$
E = V-IR_{a} = 12-(1\times3) = 9 \,\rm{V} \tag{4}
$$

となる。式(1)より、定格運転時の効率$${\eta}$$は、

$$
\eta = \frac{EI}{VI} \times 100 = \frac{E}{V} \times 100= \frac{9}{12}\times100 = 75\% \tag{5}
$$

と求まる。よって、(4)が答えになる。

解答例2

効率$${\eta}$$を、

$$
\begin{align}
&\notag\\
\eta &= \frac{出力}{入力} \notag\\
&= \frac{出力}{出力+損失} \tag{6}
\end{align}
$$

と考えた場合には、今回の問題の損失は電機子巻線による銅損しか存在しないので、

$$
\begin{align}
\eta &= \frac{EI}{EI+R_{a}I^{2}} \times 100 \notag \\
&= \frac{9\cdot1}{9\cdot1+3\cdot1^{2}} \times 100 \notag \\
&= \frac{9}{12} \times 100 = 75\% \tag{7}
\end{align}
$$

となる。

同じ問題

平成29年度 機械科目 問1 電験3種過去問
https://note.com/elemag/n/n2c7762b0203e?sub_rt=share_pw

サイト

https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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