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令和2年度 理論科目 問8 電験3種過去問


問題

出典:令和2年度第三種電気主任技術者理論科目A問題問8

考え方

この問題は交流回路に関する問題である。交流回路では直流回路と異なり、位相という考えが大事になる。また、インピーダンスという考えが必要になる。
この問題は、全体の電圧と電流が分かっているため、インピーダンスから抵抗を求めていく。

解答例1

まずは、式のみで考える。
インピーダンス$${\dot{Z}}$$は、抵抗$${R}$$とリアクタンス$${X}$$を用いて、$${\dot{Z} = R+jX}$$と表せる。また、その大きさ$${Z}$$は、$${Z=\sqrt{R^{2}+X^{2}}}$$である。
この問題のインピーダンスの大きさ$${Z}$$は、電圧$${V}$$と電流$${I}$$を用いて、

$$
Z = \frac{V}{I} = \frac{10}{0.1} =100 \tag{1}
$$

と求まる。また、リアクタンス$${X}$$はコンデンサのみであるから、

$$
X = \frac{1}{2\pi fC} = \frac{1}{2\pi\times 1000\times 2 \times 10^{-6}} = 79.62 \,\Omega \tag{2}
$$

となる。よって、抵抗$${R}$$は、式(1)、(2)より、

$$
\begin{align}
Z &= \sqrt{R^{2}+X^{2}} \notag \\
R &= \sqrt{Z^{2}-X^{2}} \notag \\
&= \sqrt{100^{2}-79.62^{2}} = 60.5 \,\Omega \tag{3}
\end{align}
$$

と求まる。よって、(4)が答えである。

解答例2

インピーダンスの三角形を用いて考える。
インピーダンスの大きさを用いて次のような三角形を書く、

図1 インピーダンスの三角形

ここで気を付けることは、この三角形は全て大きさで考えていることである。
この三角形を用いれば、$${Z^{2}=R^{2}+X^{2}}$$の関係式が理解しやすくなる。今回の問題の場合は、

図2 今回の問題におけるインピーダンス三角形

となる。このやり方では、式ベースで考えることなく解けるため、このやり方がいい人はこのやり方を用いて考えた方が良い。

サイト

https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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