【syamu復活記念】ゾット帝国カイト編から改めて考察するsyamuの人間性
・初めに
2022年8月末、数年ぶりに大物Youtube r「syamu_game」が復活した。本記事は彼の著作「ゾット帝国シリーズ」の一つである「ゾット帝国騎士団カイトがゆく!~人を守る剣の受け継がれる思い~」の内容と彼の復活後の言動を照らし合わせて考察するものである。
・ゾット帝国騎士団カイト編とは?
ゾット帝国シリーズ(以降ゾッ帝と表記)とはsyamu_gameの著作である。シリーズと銘打ってはいるが、実際にはエタった(未完結の、という意味)小説を無理矢理つぎはぎしたものである。
便宜上「カイト編」と呼称する「ゾット帝国騎士団カイトがゆく!~人を守る剣の受け継がれる思い~」とは「カイト」を主人公とする作品群のことである。
ゾッ帝全体の特徴として挙げられるのは「脈絡のなさ」である。上述した通り、ゾッ帝はエタった小説の集合体であるため、エピソードを跨ぐと急な場面転換が行われることが多い。場面転換だけならまだマシな部類であり、酷い時には唐突に主人公が別人になっていることもある。
・カイトとsyamu
かつて誰かがこういった。「未熟な作者ほど登場人物に自分を投影する」と。ゾッ帝はその典型であると言える。故に作者の、syamuの人間性について考察するのであれば、主人公であるカイトに着目するのがもっとも手っ取り早い。というわけで、ここでカイトの人物紹介を引用させていただく。
名前:カイト 性別:男 歳:11 一人称:オレ 第一話で登場
キャラ説明:ネロとミサの幼馴染。
後さき考えずに行動する癖がある。好奇心旺盛で仲間思い。
曲がったことが嫌いで正義感が強い。
文面だけ見れば、正統派な少年漫画的主人公という印象を受けるだろう。だがこの設定は殆ど本編には反映されないのである。
・カイト編の概要
カイト編のストーリーは禁断の森に足を踏み入れたカイトと幼馴染のネロが魔物の群れに追われるところから始まる。彼らは雨の中、魔物から逃げるのだが、カイトはしきりに自分の靴やズボンが汚れることを気にしている。別にカイトは潔癖キャラではないのだが、ゾッ帝ではこのような不自然な人物描写が頻繁に行われる。
その後ネロの発明品「銀色の小さな球形」で魔物を撃退したのち、後から合流したミサ(本作のヒロイン、二人の幼馴染)の魔法「ジャンボシャボン玉」を使い、逃走に成功する。この時点で気付くべきなのは「カイトがまったく活躍していないこと」である。彼は常に他のキャラにおんぶにだっこなのである。
ミサは美形として描写されているネロに惚れており、カイトに対しては辛辣な態度をとっている。カイトもまたミサを嫌っているような言動をとっている。しかしカイトがピンチになれば、ミサは「こらあああああ! カイトおおおおお! なに諦めてんのよっ! あたしがカイトを助けるんだから! 幼馴染を見捨てたりしないわよ! 今行くから待ってなさいっ!」(原文ママ)と必死になって助けようとする。ちなみにこの場面、カイトがピンチになっているのはミサがカイトの「ジャンボシャボン玉」を手抜きして作ったからである。このように普段どれだけカイトに辛辣なキャラでも、いざとなればカイトに尽くすようになるのである。
その後は逆にミサがピンチとなり、カイトはそれを救う側となる(ちなみにネロはここから数話フェードアウトし、次に登場する時はいきなり敵に捕まっている)。川で溺れるミサを救うべく、カイトもまた川に飛び込むのだが、結局何もできず、首につけていたクリスタルの首飾りのクリスタル(原文ママ)の不思議な力でなんとか危機を脱する。この際カイトはミサに救命措置を行おうとするのだが、こともあろうに彼はミサの生足を見て欲情し始めるのである。結局満足な救命措置は行われず、ミサは放置されることとなる。この辺りから三大欲求(食欲、性欲、睡眠欲)に忠実、という特徴がカイトに付与されはじめる。
その後、カイトはクリスタルの力で召喚された白色ドラゴンのディーネに救出される。そしてミサは気絶したまま謎の男に誘拐される。そのままカイトは「そういえば腹減ったな」とか言いながら気絶する。彼が次に目を覚ますと、ディーネは女の姿に変わっており、カイトのために寝具や料理を用意していた。彼女に対し、カイトは「お前の力ならミサを助けられただろ!なんで助けに行ってないんだ!」とキレる。しかしキレたのもつかの間、ディーネが作ったキノコカレーに涎を垂らしながらがっつくと、腹いっぱいになったから眠いと言って横になるのであった。徹底した他力本願、そしてプリミティブな欲求への正直さ、ここまで作者の内面が透けて見える作品はなかなかないだろう。
ディーネと協力し、ネロとミサを攫った男達や魔物と戦うことになるカイト。彼女は特にカイトに従う理由はなく、本人もカイトのことを主として認めていないと述べているにも拘わらず、結局甲斐甲斐しく彼に奉仕することとなる。その後ディーネの妹フィーネも登場するのだが、結局ディーネと同じカイトの奴隷でしかない。ちなみにここまでで11話ほど経過しているのだが、未だにカイトは雑魚以外の敵を倒していない。
そして第14話以降、ストーリーは急変する。唐突に主人公のカイトが王都の姫であるルエラ姫の護衛となり、話の舞台も王城へと変わる。カイトの一人称もオラに変わり、口調も関西弁になる。先程までの森での戦いはどこへやら、暗殺者に襲われた姫をカイトが守るストーリーとなる。名前が同じだけのまったく別のキャラによる、まったく別のストーリー。これは最早同じ作品とは言えない。(ちなみにこの後は異世界転生したカイトによる時代劇風小説になって、いつのまにか転生設定すら消える)
よってこの記事における考察対象は13話までのカイトとさせていただく。
・カイトを通して考察するsyamuのパーソナリティ
カイト編の概要を書くにあたり、繰り返し記してきたが、カイトはとにかく「活躍しない主人公」なのである。いかなる時も他力本願、ネロの道具に、ミサの魔法に、クリスタルの力に、ディーネに、フィーネに頼ってばかりで自分の力で何かを成し遂げることはない。後半のメインウェポンとなる「オートマチック銃」すらディーネからの貰い物である。
そして三大欲求に異常なまでに正直なのである。幼馴染が溺れて死にかけているにも関わらず欲情し、救命措置をおろそかにする。仲間が捕まっているにも関わらず、食事を優先しそのまま横になる。主人公変更後も一貫しているこの特徴から、我慢弱く、理性のない、前頭葉の退化したsyamuの人間性が伺える。
この2つの特徴は復活後のsyamuの言動からも察せられる。彼は復活後、Youtuberの「へずまりゅう」によって養われることとなった。へずまは彼に食事を与え、住居を与え、娯楽を与えている。だがsyamuは年下であるへずまに対しては敬語も使わず、感謝の言葉さえ述べていない。それどころかへずまがコンビニおにぎりを買ってきたことに対し、不服を述べている。彼にとって他者が自分に奉仕するのは当然なのである。
そして復活後の彼は、自分と関わった歌い手「ゆゆうた」を訴えると言い出したのだ。理由は彼がネトゲで知り合った女性が結婚しそうになった際、ゆゆうたにその女性を説得してもらおうとしたのだが、ゆゆうたがそれを断ったから、というものである。このような理不尽な理由で彼から憎まれる人物がいる一方、かつて彼の事を「障害者」呼ばわりした元AV女優のあず希に対しては「許す」と述べている。このダブルスタンダードっぷりは当然、彼の性欲が関与している、と考えるのが妥当である。
・まとめ
ゾッ帝は2015年に執筆が開始された。すでに7年の月日が経過した本作だが、未だにsyamuの内面の考察に貢献してくれている。今回の記事ではカイトの言動、特に他力本願さと本能への正直さの二点にスポットを当てたが、ゾッ帝から読み取れることはまだまだ沢山ある。故に本記事を読んだ後は他のゾッ帝考察サイト、およびゾッ帝本編に目を通すことを強く勧める。彼の歪な思考の一端を垣間見ることができるはずである。
・最後に
これはあくまで私個人の「考察」であり、批判ではない。
私自身がこの作品から何を感じたのかという「感想」である。
ほいじゃ~!またのぉぉぉぉぉ~!
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