【アークナイツ4周年】舞台裏の制作秘話(下):ライン生命
◆四周年生放送公式アーカイブリンク: https://www.bilibili.com/video/BV1Ds4y1A7pK/?share_source=copy_web&vd_source=4a533591763dfa743a13affab1a85793
◆舞台裏の制作秘話(上):世界観の成立ちとカジミエーシュ
https://note.com/el_prv/n/n08c965cc625c
◆注:
‐翻訳者からの注釈は「*」マークを使用します。
‐中国語の情報をなるべく忠実に伝えるようにと心掛けていますが、文化や表現の違い、または専門用語等、間違って使用することもあると思います。お気軽にご指摘いただければ幸いです。
‐マシュマロ→https://marshmallow-qa.com/el_prv
海猫:演劇というテーマを中心に広げていくカジミエーシュに比べて、ライン生命の物語はハイテク感満載のSF、またはモダニズム的な幻想に満ちた味わいでしょうか。クルビア全体のテーマにもちろん科学技術も含まれていますが、クルビアに属す1テクノロジー企業でありながらも、ライン生命のデザインはある程度、クルビア的な表現から独立しています。もしクルビアの物語が大拓荒時代、積極的な姿勢を持つ人々と変化し続ける社会を描いているのならば、ライン生命のほうは純粋な浪漫主義的な幻想とも言えるでしょう。
海猫:だから、こう理解したほうが腑に落ちやすいではないんですかね。ーー確かに「孤島激震」では、ライン生命の物語に関わる設定の一部を詳しく述べさせていただきましたが、あれは結局クルビアの物語ですよね。
海猫:一方で「翠玉の夢」はライン生命の物語の始動です。そして、本当の意味でライン生命のテーマと本質を明かしてくれる物語は、間もなく皆様のお目にかかるでしょう。
Aria:美術の観点から言えば、白、緑、オレンジ色、曲線と金属、これらは最も初歩的なビジュアル要素です。こういったビジュアル要素の選択と創作は、テクノロジー、エコロジーとヒューマニティーズ三者の関係から発したものです。ライン生命は技術の最前線に立つ組織ですが、技術があるからといって、順風満帆というわけではありません。それどころか、テラの大地でこの三者の間にはどのような矛盾と衝突を生み出していくのか、これが避けられないテーマです。だから、初期の美術的側面からでも、このようなトーンをプレイヤーの皆様に伝えるように試みました。
Aria:物語の展開と共に、これらのビジュアル要素はロゴ、装置、空間のあらゆる側面にカバーしていくようになりました。落としていく中で、私たちは先人たちから多くのインスピレーションをいただきました。一番強く受けたのはディーター・ラムスの影響ですね。例えばわずかに酸化したポリエステルの白色や、機械交互によく見られる明るいオレンジ色等、これらの色と素材の使用は単なる好みではなく、ビジュアル体験との調和も考慮しています。
海猫:下地になっている美学面のこと以外、具体的な物語に関連するいくつかの美術制作のプロセスも皆さまにシェアしたいと思います。
海猫:「翠玉の夢」において、物語の中核要素に当たるトランスミッターは、デザイナーが最初に着眼したポイントです。
海猫:皆様はまだ覚えていますか?ドロシーが主導する実験では、開拓者たちはトランスミッターが注入され、表層意識をなくし、集団的な幻夢に入ったシーンを。ここで、SF小説ーー『ソラリスの陽のもとに』を取り上げたいと思います。
海猫:小説の中で、ほとんどが海洋に覆われた惑星では、その海水がまるで意識と思考を持っているように宇宙飛行士の記憶と知覚を操作する、これは被験者になった開拓者たちが集合意識を形成し、様々な武器装置の操作に使われる感覚に非常に似ています。更に、人工技術という属性と結び付けて、「人工意識の海」、「動く液状の金属」といった概念が物語の中のトランスミッターのビジュアルデザインの出発点となりました。トランスミッターが意識を持ち、活動する存在だとすると、収容施設も互いに揺れ動くイメージを持たせたいと思いました。そのため、収容体は多くのプラグと可動性を持つ外部サポーターで構成される球体にデザインされました。
海猫:プラグはトランスミッターに接続し、情報送受信の役割を担っています。可動性を持つ外部サポーターは、流体の内部の膨張や収縮による力を相殺する効果を発揮しています。
海猫:同時に、被験者の表層意識が奪われた後、トランスミッターはパワースーツにくっついている状態じゃないとだめですよね。だから被験者の潜在意識が逃げたら、トランスミッターもパワースーツから分離されるのです。
海猫:こういった集団から逸脱する特徴は、美術においてタンポポを使って呼応させてはどうかなと、このような考えは自然と私たちの中から生まれました。ーー集団の潜在意識はタンポポに対応し、逃げた被験者の意識はタンポポの種子に対応すると。
Aria:実は初期案で、暴走したトランスミッターとの最終ボス戦に大きなタンポポの要素をデザインに入れようかなと考えたこともありました。
Aria:しかし、一部のギミックや、実現可能性上の問題で廃案となってしまいました。最終的に採用されたボスのデザインはもっと大胆かつ無秩序で、分解された幾何学的構造を使用して意識が暴走した後の排斥感を表現しようとしています。
Aria:このデザインは、私たちによる、芸術家カンディンスキーの作品への敬意も表しています。
海猫:ライン生命の世界観とテーマは既に、美術的側面から伝わったものが多いのではないかと信じています。サリア、サイレンス、イフリータ、フィリオプシス、メイヤー一行のプロファイルは、ライン生命の物語の大まかを説明してくれていると思います。物語の進行に連れて、さらに多くの手がかりが明かされていきます。今までのライン生命の物語は、理屈的、道徳的な戒めに伴うものが多いですが、時にはその枠から外れたものも必要だと思います。黄金時代*のSFが勇気、そして探索の精神を讃えるように、悲劇と矛盾の裏側に、ライン生命を通じて、この大地の最も壮大な景色を皆様に見せたいと思います。
*豆知識:SFの黄金時代:1940年代から始まり、第二次世界大戦終戦後の、50~60年代を中心とする時期。SFの出来上がり段階。基本決まったテーマやフォーマット(サブジャンル)がなく、様々な様式や風格が自由に発展する時期。
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