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【アークナイツ考察】暗闇を突き破る!星が煌めく奇跡の夜(大陸考察の和訳)

【翻訳転載の許可エビデンス】

◆リンク
https://www.bilibili.com/video/BV1Nf4y1M7uU
◆作者様ID
克劳斯麦特
◆STAFF
演出&制作:@克劳斯麦特
脚本&監督:@炎圣人但丁
撮影:@yh小白兔
照明:@百夜言月
美術:@艾尔居民
瓦西子:@AHO西瓜
◆公開日:
2021‐11-13 19:44:37(ニアー・ライトイベント期間中)

【ネタバレ注意書き】
 スクリーンショットを多く使用するため、下記にてご確認ください。
 ・マリア・ニアール
 ・赤松林
 ・ニアーライト
 ・遺塵の道を
 ・我が眼に映るまま
 ・メインストーリー・6-11
 大陸版先行情報のネタバレはありません。

【訳者の前書き】
 中国語からの翻訳のため、いくつかの注意事項を書かせていただきます:
 -原作者の注釈と訳した私の注釈を区別するために、私からの注釈は「*」マークを使用します。
 -原作者の方の観点をなるべく忠実に再現したいと思いますが、術語の使用や表現は間違っている可能性があります。表現の違いについてご指摘いただければ修正します。
 ‐ビデオからの翻訳で、文章化して読みやすくするために軽く調整させていただいた箇所があります。
 ‐また他に何かあればマシュマロまで→https://marshmallow-qa.com/el_prv

揺らめく炎影(FLAME TO SHADOW)

 2021年11月1日、待望のサイドストーリー「ニアーライト」がついに実装され、カジミエーシュの物語もいよいよ終盤に入り、一段落つきました。一連の物語、そのテーマは私たちの生活と密接につながっています。ハイパーグリフは群像劇の手法で、立場が異なる様々な登場人物たちの葛藤を生き生きと描きだし、多くのサブ・キャラクターを補助としながらニアールというメイン切り口から入って、奥ゆかしい演出を披露してくれました。登場人物たちによるそれぞれの異なる感情が交じり合い、ロマンティックな雰囲気を醸し出していると同時に、整合性が取れた物語と世界観全体を俯瞰する広い視野もあり、これほど絡み合った大勢な勢力が対峙するカジミエーシュでこのような行き届いた緻密な描写ができるのは非常に珍しいことです。

 今回のイベントで、主導的な役割を果たすドクターが出した一連の指示により、物事の経過と方向性が劇的に変化しました。オムニバスストーリー『我が眼に映るまま』以来ほぼ出番がなかったドクターのイメージ像も、今回複雑に錯綜している情勢の中で補完され、ドクターの多感以外のもう1つ重要な側面ーー理性的かつ鋭敏な頭脳を見せてくれました。

 また、今回の新しい評判システムは臨場感を高め、感情移入しやすくする効果があると同時に、ハイパーグリフは様々な実用的表現を駆使してドクターのイメージ像に肉付けしました。プレイヤーたちの期待に応え、カジミエーシュの過去と未来に満足のいく答えを出してくれたと言ってよいでしょう。

サブストーリー

高塔対局(TOP PLAYER)

 今回のシナリオは、目につきやすいところで登場人物を描写し、水面下で物事を進行させるように作られ、このスタイルはいかにもハイパーグリフらしいです。テキスト量は膨大ですが、話自体はそれほど複雑ではなく、おおよそ2つに切り分けることができるでしょう。

 1.無冑盟は、公の場から姿をくらますためにレッドパイの計画を逆用した部分

 2.商業連合と監査会の間に入るロドスの駆け引きの部分

 この2つのパートはシナリオ上、直接つながっているわけではありませんが、無冑盟の行動は董事会、そしてクロガネの態度を反映しているため、ある程度ドクターの情報源になっている側面もあります。果たして無胄盟は本当に董事会に飼われている殺し屋組織なのか、またドクターはどのように勝利を収めたのか、一緒に駒を並び直して一連の経過を再現してみましょう。

無冑盟(ARMORLESS UNION)

 騎士協会のデミアン副会長から大分断の依頼が出されてから、レッドパインの皆さんはそれぞれ事前準備を始めました。

 グレイナティとシェブチックには、入手した図面に従って事前にルートを探索・確認する仕事が任されました。

 そしてソーナは、当時の四城大分断の詳細を探る役割を担っています。

 レッドパインの団員たちは十分に気を付けていましたが、ラズライトの目を欺くことがさすがにできませんでした。一方で今の無胄盟は商業連合の支配から逃れようと目論んでおり、彼らと董事会の間には長年に築いてきた協力関係があることから、目的がばれないように慎重に行動する必要があります。

 だから、同じ狙いを持ったレッドパイン騎士団は当然のように、都合のいいスケープゴートになってしまいました。

 とはいって、何もやらないで待っているわけにもいきません。

 クロガネが無胄盟の存在を完全に影に潜ませる前に、ラズライトたちはレッドパインに対し一連の行動を起こさなければならないのです。

 大分断で起きたことをすべて感染者のせいにするのなら、何らかの成果が必要なのも当然で、この背景の下で混戦が始まりました。

 この計画は一見しっかりと筋が通っているように見えますが、なぜクロガネがこの計画を実行に移さなければならないのか、そこに至る原因と根拠が乏しすぎたと思います。

 この計画が言及されたタイミングがあまりにも早かったため、この時点での無胄盟が商業連合から離脱する理由はありません。

 クロガネの「三人」は、監査会の「妙に大人しい」態度を感じただけですぐこの混沌とした盤面から脱出しようとした行動は、まるで最初からこのつもりでいたようです。

 確かに、クロガネの三人は董事会の商人たちよりずっと遠くまで見据えているという話はありましたが、詳しい理由は説明されていませんでした。そして、彼らが離脱しようとする行動から根拠が見つからない原因は、実は無胄盟の本質を見誤っていたことにあると思います。

 NL-5のストーリーで、ロイは無胄盟の過去について話してくれました。

 当時、騎士を暗殺した初めてのクロガネが、史上最初の無胄盟です。

 この話は無胄盟の正体を明かしてくれるためにあると考えます。

 今回のイベント前に、私たちは無胄盟を単なる殺し屋組織として見ていましたが、どうやら誤解のようでした。実際に、董事会の全員が無胄盟に連絡する資格を持っているわけではないんですし、クロガネも人を見ずに委託を受けることがありません。無胄盟と董事会は両者の間に立つ連絡人を通じてやり取りをしていました。

 これはクロガネの正体不明の怖さを表現するためだけではなく、無胄盟と商業連合の間に安定した上下関係がないことも表しています。

 クロガネは、董事会の意見に従わずに行動することさえできます。

 ここで少し視点を変えて、多くの「騎士」に目を向けてみてみましょうか。

 オルマー・イングラといい、シェブチックといい、彼らはいったいニアールとどれくらいの差があるでしょうか。また、この差はいったいどこにあるでしょうか。

カタパルトが兵士として所属していた街は、彼女の行動で大きく変わったわけではない。
横暴な城主は未だに失脚せず、かなり高額な税の無茶苦茶な取り立ても相変わらずある。カタパルトが爆破した金庫でさえ、あくまでも城主の数えきれないほどの財産のほんの一部にしか過ぎない。
しかし、彼女の行動は全く影響がなかったわけではなかった。ただ、そこから花が咲き実を結ぶまでは、まだ時間がかかるのだ。

プロファイル・カタパルト第二資料

 崇高なる存在はどんな時代においても少数派です。カリスカ家であれ、カタパルト故郷の城主であれ、今になっても多くの人々にとって騎士というものは依然として階級であり、地位の象徴です。

 だからこそ、無胄盟のような組織はカジミエーシュに半世紀以上も前から存在していました。

 彼らの存在はそれなりの合理性があり、無胄盟は常に騎士の反対側に立っていました。

 創立当初から騎士に対抗するためだけに作られたものです。

 彼らは古来よりカジミエーシュの均衡を保つため影に潜んでいる者でした。しかし、今の無胄盟は商業連合の欲望に染まり、侵食されています。

 「クロガネたちは商人たちよりずっと遠くまで見据えている」。

 カジミエーシュの過去を知っている彼らは、監査会の大人しい態度の裏に隠されている矛先を見抜き、無胄盟は今回の混乱に乗じて身を隠して、次に必要とされるターニングポイントを待つべきだと判断したのではないでしょうか。

 それに、時代は変わってしまったのです。監査会の統制力が商業連合を上回った今、無胄盟が戦場を変えるのも至極当然のことです。

 今のカジミエーシュにおいて、商業連合の一員として活動するのはより隠ぺい性が高く、更なる効果を発揮することができると同時に、商業連合に支配されることも避けられます。

 確かに今のカジミエーシュは栄光を忘れ去ってしまいましたが、騎士の栄光が光だというのならば、それが届かないところに影が必ず映ってしまい、光と影はそもそも表裏一体の存在です。

 いつかその「栄光」が資本の蔓延に覆いかぶさった時、騎士の国の騎士たちはどんな答えを出してくれるでしょうか?たとえそれがどんな答えであろうと、無胄盟はきっとカジミエーシュ最後の砦になってくれるでしょう。

メインストーリー

郷に入っては郷に従う(AS THEY DO)

 ドクターたち一行は最初、ニアールの同伴者としてカジミエーシュに来ました。

大騎士長の返信
SPECIAL LETTER

親愛なるアーミヤ女史・

 此度のお返事を出せることを光栄に思います。

 カジミエーシュ監査会および騎士協会は、貴社が提案する『騎士競技における感染者の治療および医療制度改善に関する協力案』を受け入れ、近日中に貴社まで責任者を派遣する運びとなりました。デジタル契約書を添付しておりますので、ご査収をお願いします。

 また、カジミエーシュ監査会一同に代わり、アーミヤ女史および貴社医療チームの皆様にお礼を述べさせていただきます。本計画に参加する他の医療期間も貴社の協力に感謝し、苦難に陥る者たちを救助する美徳が、この大地で潰えていないことを喜ばしく思っております。

 同時に私個人としても*、アーミヤ女史、ケルシー女史、そして「ドクター」に感謝の念をお伝えしたいと思います。

 耀騎士が不公正な陰謀により故郷を追われた後、彼女を受け入れ、庇護していただいたことに、衷心より感謝申し上げます。カジミエーシュ監査会大騎士長の名のもとに、ニアール家が公正な待遇を得られることをお約束します。

 不変の栄光があらんことを。

カジミエーシュ監査会

『マリア・ニアール』BREAKING NEWS

 監査会は礼を以て対応してくれていますが、このタイミングでまだロドスと深く付き合う理由はありません。ドクターもカジミエーシュに来たばかりで、十分な情報が入手できていなかったため、軽率にこの混乱した局面に入るわけにはいきません。しかし、返信に言及された「私個人として*」はなかなか興味深いポイントです。
* 中国語原文を直訳すると「(監査会の名義とは別に)自分の名義で」という意味で、これは単なる公式的謝辞ではないことを伝える表現です。

 グラベルが教えてくれたように、商業化が進んでいるこの時代において、カジミエーシュ社会について初歩的な認識さえ持っていれば、監査会のような国家機関でさえ信用にならないことがわかるはずです。

 大騎士長が信用できる相手かどうか、ニアールの説明がなくともこの返信だけで、ドクターは彼女の明確な立場を確認することができます。これがこの後の一連の交流と黙約の出発点でもあります。

 ロドスは監査会の招待を受けて落ち着いた後、ドクターはすぐに一連のプロジェクト協力の手配に着手し始めました。

 大騎士長とマルキェヴィッチの言った通り、ロドスがカジミエーシュに来たのは、監査会と騎士協会が共同医療組織の契約を受け入れてくれたからです。

感染者買収事件、見通し定まる――慈悲を与えることは放任ではない
BY CENTRAL JOURNAL
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今年は感染者参加制度が施行されてから三年目となります。喜ばしいことに、この人道的な政策は顕著な成果を得ています。かつて各地で起こった感染者による事件数は著しく減り、生存のための争いも減少しています。彼らの生き延びる姿勢は尊敬の念を集め、富をも勝ち取るようになりました。

しかし、感染者が逐年増加していることによる、避けられない問題もやはり発生しています。感染者の騎士たちに適切な治療を提供できていない以外にも、望まぬ事態が起こるようになりました。一試合と競技により大きな財を得た感染者が、同じ感染者の同胞を大量に買収し、騎士協会の容認を得ていない組織を独自に結成したのです。それらの組織の多くは、社会の安定を破壊し、非感染者に報復することを目的としており、違法な資金収集、違法な武装集会などの容疑がかけられています。

現在、騎士協会は法的手段に則り国民院に起訴状を提出し、感染者の騎士による違法感染者の大量収容を取り締まるように要請しました。「四都市大分断」の悲劇は、再びカジミエーシュに訪れることはないでしょう。

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『マリア・ニアール』BREAKING NEWS

 同時に、ドクターはチラシと報道記事からカジミエーシュ社会の基礎情報を集め、彼らの感染者に対する曖昧な態度を知り、更に進んでこれからロドスが参加する感染者の治療プログラムの具体的な方向性と、カジミエーシュの現状に介入する必要性を判断することができるようになったと思います。

 そして、ドクターが初めて商業連合会の代表であるマルキェヴィッチに会った時、2つの行動を取りました。

 1.     情報収集
 2.     マルキェヴィッチの態度を探る

 選択肢の1番目と2番目は商業連合の実態と感染者の具体的な状況を聞いています。これに対して、マルキェヴィッチは正確な答えを出してくれました。

 そして3番目の選択肢は、マルキェヴィッチ本人の態度を探っています。これは『我が眼に映るまま』で描かれた、まずは人の心を掴んで、更に全体の状況を支配するドクターの行動パターンによく一致しています。

 この後、ドクターは試合で死んだジェイミーの件を借りて質問を投げかけましたが、これもマルキェヴィッチの感染者問題に対する考えを突き止めるための行動です。

 炎上した感染者死亡の話題からその人の価値観を間違いなく確かめることができます。多数派の声に流されて鵜呑みするか、それとも弱者のために声を上げ続けるか、これはマルキェヴィッチが信頼できる協力相手かどうかを判断する重要なポイントです。

 もちろん、ドクターはマルキェヴィッチの態度を試していながら情報収集も忘れていません。この言葉は、ドクターはチラシと報道記事からカジミエーシュの平和の裏にある異様さに気づいていることを表しています。

 マルキェヴィッチの返事はドクターの漠然とした認識をより具体的な形にしてくれました。

 このタイミングでドクターはもうカジミエーシュの感染者問題に介入することを決めたでしょう。これはロドスが一貫して固持する立場でもあります。

 感染者の境遇を詳しく聞いて、担当者の態度についての探りも終わった後、ドクターは商業連合を分裂させる計画の下準備のために集中的な情報収集に専念し始めました。

 ちなみにドクターにとって、この計画における最も重要な一環である実行可能性はこのタイミングで既に確認が取れているとも言えます。なぜならば、目の前のこの代弁者から人間性の輝きがまだ残っているからです。これらのやり取りから、人間の心を適切に分析し、操るドクターの能力、その氷山の一角が見えていると思います。

 既に色々な感染者事件に経験済みのアーミヤもカジミエーシュの異常さに気づいています。

 ドクターは、グラベルに何か知らないかを聞いてみると言いましたが、これはアーミヤを巻き込まないように立てた言い訳です。

 このタイミングで、ドクターの中で大まかな計画が既にできています。

 零号地が裏で屠殺場のように使われていることはドクターがとっくに気づいています。しかし見抜いたとしても、ロドスは国家レベルの存在にぶつかることができません。

 だから、ドクターはグラベルに頼んで、連合会の会社についての詳しい情報を入手しました。

 そうすることで、ドクターは味方にする価値がある会社、もしくは取り入られる会社を選び出すことができます。

 その後、ドクターはマルキェヴィッチ経由で商業連合の各会社との面談をセッティングしました。この面談は、表向きは協力関係の提携に興味を示した会社との商談ですが、実際はこの機を借りて董事会の利害の相違を確認するために、正確に言えば、長らく存在している利益の相違を利用しようとするがためにあるものです。

 マルキェヴィッチが提供してくれた情報と更なる調査によって、商業連合は一般的に思われているような一枚岩ではないことがわかりました。

 連合会の各勢力はもちろん利害の不一致で衝突したことがあり、彼らはバランスを保つための最大限の努力をしているに過ぎません。そして、このような普段ならば無視してもいい分岐に一度火を付ければ、大した行動を取らなくても連合会内部は自ら狼狽えて混乱に陥るでしょう。

 プラチナの経験からもわかるように、董事会の一員であっても、多数派の利益を阻害し対立面に立つと死あるのみです。

 商業連合会が難攻不落の巨人に見えるのは外部の人間が主観的にそう思っているだけで、内部の人間から見ると全く違うように映るでしょう。

 マルキェヴィッチは面談に同行し、各社表向きの態度と立場についての大まかな情報を補足してくれました。これらの情報は確かに役に立つものですが、ドクターの本当の目的は果たせませんでした。

 というのは、董事会の商人たちはドクターの前に、期待していた通りの弱みを見せてくれなかったからです。

 彼らはそれぞれの思惑があり、面談に重ねた夕食会に常務取締役たちが顔を出さなかったことによって、ドクターは一時的に行き詰まった局面に陥りました。

 幸いなことに、この夕食会でドクターはもう1つの転機に恵まれて、監査会と面識を得られました。これは、これから実行する計画に対する暗黙の了解を確認する機会にもなったでしょう。

 組織の立場からしては、監査会とロドス双方は己の目的のためにお互いのことを利用しているにしか見えませんが、大騎士長、グラベル、ドクターの三人が維持する人間関係の輪に当てはめると揺るぎない信頼関係になります。

 裏で監査会の許可を得たロドスは、よい広い範囲で活動することができます。

 ここまで、勝負を挑むための条件が既に揃いました。残りの確認事項は後1つ――マルキェヴィッチの決意がすべてを決めるキーポイントです。

 初対面の時、ドクターはマルキェヴィッチの人となりと本心を試しましたが、マルキェヴィッチは自分の善意にどれほどの覚悟も持ち、どれだけの犠牲を払うことができるのかはまだわからないままです。

 初心を忘れないことを証明するため、ロドスとの友好関係を確実のことにするため、マルキェヴィッチはドクターのために、そして自分のために行動してみせる必要があります。

 理想主義者の共鳴は混沌としたカジミエーシュの現状に希望をもたらし、勝負を決める逆転の一手になりました。

 このタイミングでドクターの勝利は既に確約されていると思います。董事会の商人たちはドクターが予め用意した道を無防備に進み、気づかないままチェックメイトされることになります。

 ニアールが燭騎士との戦いに勝利したことで、感染者たちは空前に盛り上がってきました。

 この状況に対して、商業連合会は世論を操作し、非感染者の反発を引き起こしました。

 商業連合が感染者を的に絞ったといっては確かにそうだという側面もありますが、そもそもこの恐怖は社会自身から来ていることは無視できません。会場で上げた歓声と共に、カジミエーシュ社会の状況はますます厳しくなっています。

 このような現状と監査会の観察の下、ロドスは自ら連合会の視野に踏み入れました。

 この状況に対し、董事会はこれ以上見て見ぬふりをすることができなくなってきました。これもドクターの狙いです。自分たちの弱みを隠そうとするならば、先手を打って見せざるを得ない状況を作り出せばいいだけのことです。

 マッキーがこの件の責任者に自分を提案したと聞いた時、マルキェヴィッチは大喜びしたに違いません。なぜというとならば、これでロドスとの衝突、ドクターとの衝突が回避できるからです。また、ドクターが董事会の分岐を的確に捉えることができたのも、マルキェヴィッチが提供してくれた常務取締役たちの情報のおかげです。

 ドクターは董事会のメンバーを過激分子、穏健派、利益だけを追求している者、野心家という4種類に分けました。ロドスの零号地での行動に対して強く反発したのは間違いなく一部の過激分子と利益だけを追求している者たちで、穏健派ならば監査会が動く前に詳細不明の国外組織に手を出すはずがないでしょう。

 過激分子が警戒しているのは監査会のこれからの行動ならば、利益だけを追求している者たちが恐れているのは零号地のことがバレた時、昨日まだ向かい側の席に座っている人が見せたにっこり顔でしょう。いざこの人たちが動き出すと、ドクターは「反対側」の人と手を組めばいいという話になります。このように、分岐が自然と現れたのです。

 場面が変わり、マルキェヴィッチが再びドクターと面会しました。

 ドクターが零号地のことについて聞いた時、マルキェヴィッチはこのシンプルな言葉からドクターの意図を理解しました。——いわゆる、ロドスは零号地の件に手を加えようとしていることで、商業連合にとってこれは良い知らせではありません。

 マルキェヴィッチはドクターの道徳論に強く共感していながらも、自分はどうもロドスのために董事会に反抗できる立場ではないことを理解しています。

 マルキェヴィッチがドクターを説得しようと絞り出した零号地に対する「処理」の「正当性」は彼自身でさえ納得していなかったように見えますが、それでも彼は、ドクターにお互いの能力範疇を超えた責任感を諦めてほしいと願っています。

 マルキェヴィッチの言っていることが間違ったわけではありません。彼は自分にできることすべてを成しました。しかし、まさかのことに、ドクターが自分に求めているのは商業連合に対抗することではないと、マルキェヴィッチが思いもしませんでした。

 「彼らの問題を解決する。彼らのやり方でな。」

 ドクターがマルキェヴィッチに求めた最後の手伝いは、ある契約書にサインをするだけのことでした。

 マルキェヴィッチもまた零号地のことが平和的に解決されることを望んでいました。ドクターが危険をおかすまで発揮した駆虎呑狼の計のおかげで、傷づくのは董事会だけという世界が完成されました。

(*3番目の選択肢の中国語原文は「文明の声を聞いてみてくれ、お嬢さん。」結構皮肉な言い方で、日本語訳はそれを和らげたんですね。)

 穏健派はドクターが提示してくれた価値に惹きつけられました。

 「文明の声」という皮肉な言葉と共に、零号地とロドスに対する粛清行動が中断されました。

 ドクターの交渉材料はいったい何なのかについて、今のところシナリオで明かされていませんが、全く手がかりがないわけではありません。

 まず、ドクターのビジネスセンスは商業連合会が一致して認めています。このことを踏まえて、ドクターからの建設的な意見は彼らにとって相当な価値があるはずです。

 確かに零号地の感染者たちの境遇は悲惨といえるでしょうけど、その一方、彼ら全員が処分されたら、空いた分の仕事は誰がやるのでしょうか?

 感染者は連合会にとって、その存在自体がもう十分に手を焼くものです。

 感染者問題を処理するためのコストがある許容ラインを超えてしまうと、今までの曖昧な態度が一転して状況が一気に悪化することになります。この場合、感染者たちは一夜にして「許される存在」から「一刻も早く消えてほしい存在」になってしまうのです。問題は感染者自身にあるわけではなく、感染者問題に対処するためのリスク、コスト、利益三者間の差分値にあります。

 実はイベントストーリーの冒頭から、ドクターは大騎士領に事務所を構えることを計画していました。もしこれが零号地の長期的な業務請負につながるのなら、結果的に商業連合に多くの利益をもたらすことができるに違いません。

 だから、董事会の穏健派にとって、零号地の件が公になることも、ドクターの頭脳が失われることも、ロドス事務所が今後もたらす長期的な価値がなくなることも、または誰もやらない採掘の仕事が深刻な人手不足に陥ることも、何一つメリットはありません。

 しかも何といっても零号地の管理を引き継ぐのが監査会なのだから、ロドスが董事会に約束した多くのことは、結局興味を持たせるだけでいいもので、最終的な判断にはロドスが入る余地がありません。

 これで、ドクターは一兵卒も出さずに零号地の難題を解決しました。

 しかし、商業連合会がいずれ使うであろう切り札を1枚持っていることは、ドクターがわかっています。これだけはドクターが力になってやれない、ニアール自身が直面しなければならない難題です。

 商業連合会はニアールの前で最後の切り札を切り、「六年越しの真実」と「冤罪」を言い訳に、カジミエーシュからニアールを孤立させようとして、ニアールが証明したことを多くの人々の怒りと軽蔑の中で消えてなくなる結果を狙っています。

 しかし、商業連合は、ニアールは彼らのやり方に、「望むところだ」と言い出すとは思ってもいなかったでしょう。

 監査会の協力の下でーー

 シルバーランスペガサスの信念を込めた護衛の下で、ドクターは自分の役割を完璧にこなしました。

 今夜、展示ホールはついにまた騎士と英雄たちが一休みできる場所となりました。

 しかし、残りの長い道のりは、ニアール自身が1人で歩き続けなければなりません。

 もちろん、ニアールはもうとっくにその覚悟ができています。耀騎士の旅は、まだまだこれからです。

ドクター

浪漫の輝光(ROMANTIC SHINE)

 冒頭で述べたように、このイベントは色々なものが絡み合って出来上がった群像劇です。2つの主軸以外、個性豊かなキャラクターたちそれぞれの考えや執念、またはその延長線上にあるものが見えています。

 彼らはまるでシナリオ最後にマーガレットを護衛していたシルバーランスペガサスのように、太陽を包む光暈となっています。しかし、他のキャラクターについて解説する前に、一部シナリオと直接に関連することを補足する必要があると思います。

 今回の対局で、マルキェヴィッチとドクターは十分に活躍していたと思いますが、最後まで見ないと、ドクターの人格的魅力とマルキェヴィッチの浮き沈みを完全に理解するのが難しいでしょう。では続いて、ドクターのお土産とマルキェヴィッチの答えからこの浪漫がある旅を見ていきましょう。

置き土産(FOY OF THE DOCTOR)

 ストーリーの最後、ニアールがチャンピオンになった後、商業連合会は彼女の「正体」を発表しました。

 この身体検査報告書を入手したのはプラチナが率いた無胄盟のメンバーで、彼らはいったいどうやってこれを手に入れたのでしょうか。実はこれは連合会を分裂させるドクターの計画の一部でありながら、マルキェヴィッチへのお土産でもありました。

 前述の内容でわかるように、マルキェヴィッチが最後にドクターに手伝ったのはこの臨時加盟契約にサインしたことでした。

 マルキェヴィッチがここまで手伝ってくれたのだから、お返しをするのも当然のことでしょう。彼がしてくれたすべてのことはリスクが付き纏うもので、「真の理想主義者ならば、他人を自分のために死なせはしない」ーー

 ーードクターはまさにその部類に入る人間です。

 この段階まできて、マルキェヴィッチはまず自分の問題を解決しなければならないのです。もし商業連合会に有利な解決策を何一つ用意できないのであれば、彼はただ消されてしまい、私たちには後悔だけ残ることになるでしょう。

 ロドスの友情は決して一方的に他人から与えられてくるものを求めているわけではありません。だからドクターはマーガレットの身体検査報告書をマルキェヴィッチに渡し、どう使うかはマルキェヴィッチ自身の判断に委ねたのです。

 しかし、これはロドス自身のリスクを度外視したお土産ではなく、戦略的には大きな意義を持つものでもあります。この報告書が公表されることによって、マルキェヴィッチが一息つくことができると同時に、連合会も徹底的にニアールに打撃を与えることができたように見えます。

 感染者たちの態度が既にはっきりと表に出ており、これはまだニアールが勝ったばかりの時の反応です。

 もしこの熱狂が溜まり溜まって、長い発酵期間を経て爆発したらどうなるか、お分かりですよね。

 だから、この時限爆弾を爆発させるなら今がベストタイミングで、ニアールも同じ考えです。パッと見て、商業連合は確かに大きな成果を納めたように見えますが、実際ニアールにとってむしろ好都合で、後々のリスクを最小限に抑えてくれたとも言えるでしょう。

 マルキェヴィッチが罪悪感を抱きながらそのお土産を使った時、それもドクターがそう望んで彼に使ってほしかったものです。

 ドクターの手紙はきっと叱責ではなく、遅れたお詫びなのでしょう。

 この一連の行動は、ドクターが全体をコントロールする能力を更に示してくれただけでなく、ドクターの人格的魅力を大いに引き立たせていると思います。

 『我が目に映るまま』の時、ドクターとScoutのやり取りは既にプレイヤーたちに深い印象を残したと思います。

 そして今回、マルキェヴィッチへの行き届いた深い配慮、またはグラベルに対する順を追った巧みな指導、これらはいずれもドクターのメンターのような人物像を確立させるのに役に立っています。

代弁者

私の終わり、君の始まり(LIFE TO YOU)

 『マリア・ニアール』から『ニアー・ライト』まで、マルキェヴィッチは間違いなくチャルニーが味わったすべてを一通り経験しました。

 錆銅の件をどう処理すればいいのかについて国民院議会副審官と議論していた時、マルキェヴィッチは少年時代、父親をコントロールしていた黄銅色の電話のことを思いだしました。

 だからこそ、彼は自分なりの奥ゆかしい近代主義的哲学に辿り着き、チャルニーが見ていた世界を理解できるようになりました。

 その過程で、権力に吞み込まれそうな瞬間もあり、他人と比べて特殊な立場にいるマッキーでさえ、自分の後ろに立っている「権力」という怪物が如何に歪んだ存在かを嘆いてしまうほどです。

 ドクターの力強い誘導の下で、彼は本心に従って最後までたどり着きましたがーー

 ーー事の始末をつけるのは、やはりその因を作った人に尋ねなければならないということで、マルキェヴィッチはどうしてもチャルニーの答えを聞く必要がありました。

 すべてが終わった後、マルキェヴィッチはチャルニーの流刑地を訪れ、彼の今の達観な態度に少し驚かされました。

 チャルニーはただ淡々と一般人とさほど変わらない、過去の自分のことを教えてくれました。事前に予習した情報と全く違っているため、マルキェヴィッチは戸惑いを隠せませんでした。

 しかし、チャルニーはマルキェヴィッチの質問に答えず、ただ自分の「見る目」に感銘を受けたような様子でした。

 「私を訪ねていらしたのですから。」すでに何度も頭の中でその場面を再現していたかのように、チャルニーはそう言いました。

 同時に、彼はよくわかっています。ーーマルキェヴィッチが訪ねてきたというのは、そろそろ自分の物語も終わらせなければならないことを。

 マルキェヴィッチは当然このような行為を認めるはずがありません。しかし、彼が平然の顔をして自分の「信念」について語ると、チャルニーが皮肉な笑みを浮かべました。

 ほんの数か月前まで、マルキェヴィッチはまだ生活に苦しんでいた平凡な一般人でした。チャルニーと同じようにこの社会を受け入れただけで、今の彼は過去の自分にとって贅沢品だった「信念」を語る資格を手に入れました。

 ほっとしたような寂しい笑顔で、チャルニーはマルキェヴィッチに毒入りのワイングラスを挙げ、「お互いに別れの挨拶をしましょう」。

 数回会っただけのチャルニーはなぜ死んでまで自分を追い詰めようとしているのか、マルキェヴィッチにはわかりませんでした。

 しかし、チェルニーの質問を前にして、彼は何も言えませんでした。

 チャルニーはずっと、自分のことを現代社会の歯車として捉えていました。その鮮やかそうに見える先見の明の裏にあるのはいったい何なのでしょうか。

※原文は「ただの個人的な…取るに足りない仕事の方針ですよ」、ヨースター訳にこの部分が省略されました。

 答えは……何もない空っぽです。彼は自分がしてきたことの無意味さを深く理解しています。だからマルキェヴィッチが完璧に自分の代わりを務められた後、すべての人にとって彼の利用価値が既に失われてしまいました。

 カジミエーシュは積もり積もった歪みと非情さから出来上がった塔です。突然に訪れる非常事態を前にして、チャルニーがいざその社会的影響力と価値を失うと、肉親からさえも躊躇なく見捨てられてしまいます。

 彼は一瞬にしてすべてを失いました。

 そしていずれこうなることは、チャルニーはずっと昔から心得ていました。

 「乾杯しましょう、マルキェヴィッチさん。」君のこれから歩む道に幸あらんことを。

 マルキェヴィッチが無言に小屋を出て行くと、村人は好奇心から声をかけてきました。少し言葉を交わしたら、彼は流刑後のチャルニーの生活について聞きました。

 しかし、彼の耳に届いた答えは実に残酷なものでした。

 この瞬間、マルキェヴィッチの心に炎が灯ったに違いないでしょう。結局チャルニーは社会に変えられてしまった素直な人に過ぎず、あの塔から出てこれば、彼は多くいるごく普通の人と変わりはありませんでした。喜んだり、泣いたり、被っていた仮面を外したら彼も誠実な気持ちで他人に接する人間です。

 しかし、都市で生まれた醜い怪物は彼の喉首を締め上げてしまいました。呼吸もままならず、視界がぼやけ、安らかに息を引き取るまで、彼の前に残るのは悲観主義者の果てしない絶望だけでした。

 マルキェヴィッチの心の中の炎はそんなチャルニーにも光を当てたいかのように、すべての理不尽が元に戻るまで、彼はきっと最後まであの醜い怪物と戦い続けるでしょう。

追魔

消えたハガン(HOLLOW MINE)

 追魔騎士、あるいはトゥーラはこのストーリーの中で少し異質なキャラクターです。

 彼がカジミエーシュに訪れ、二十四回目の騎士競技に参加したのは、ただ自分の天路を終えるためです。

 トゥーラが過去を懐かしむあまり、「現在」を認めることができなくなっていると思う人もいるかもしれません。この結論は間違ってはいませんが、100%正しいとも言い切れないと思います。

 トゥーラは懐かしむだけではありません。実際にナイツモラの形跡を見つけることができなかったからこそ、がっかりしているのです。この両者の間には根本的な違いがあります。

NL-8 最後のケシク
悪夢の血脈を継ぐ者は己の前世を見つめていた――黄砂を前にしゃがんで座り込んだ老騎士からは熱い涙が零れ落ちていた。彼のハガンはすぐそこで、刀を研いでいる。

ステージ紹介文

 NL-8のステージテキストは以下のように書かれています。「悪夢の血脈を継ぐ者は己の前世を見つめていた――黄砂を前にしゃがんで座り込んだ老騎士からは熱い涙が零れ落ちていた。彼のハガンはすぐそこで、刀を研いでいる。」

 そう、トゥーラは前世の記憶を持っている子で、彼の行動は、あるパシャについての記憶に溺れているイシンに似ています。違いは、彼は確かにあの過去を経験したことがありました。

 トゥーラの母親が死んだ時から前世の記憶がもう目覚めたかもしれません。

 「あなたの名は、「草原」を意味する言葉なのよ。どんな時でも、どんな場所でも、自分自身を誇りに思ってね。」

 この「今」の平凡な日々との差異は、深い執念を持つ転生者にとって簡単に耐えられるものではないでしょう。

 彼は自分のハガンを見つけ出すために再びこの世に生まれたのです。だから、ハガンがもういないことに気づいた時、彼の天路は最初から塵に帰るためだけのものになってしまいました。

 もしトゥーラが、ナイツモラの軍隊は最後にサルゴンの最南端に消えたと知っていたら、彼はきっと天路の終着点をそこに設定したのでしょう。

 トゥーラの物語がここで終わるなら、マーガレットの箔付けに過ぎず、現代社会に突撃をかけた古い伝統を風刺するために作られたものになってしまうでしょう。

 しかし、彼はここで立ち留まることはありませんでした。血騎士の問いかけから、彼は自分の天路の真の意味に気づき、天路は己が為の成人式であったことを改めて確認できました。

 ハガンのためではなく、我が道のために天路を終えるのが本望です。

 ハガンは彼の切先に宿る。

 雪原を歩んで北の果てまでたどり着いた彼はハガンと全く違うテラの境界線に到達しました。だからこそ、トゥーラは千年の時を越え、自分の道を歩むことができたのでしょう。

ヴィヴィアナとマッキー:

燭明ひらり(FLICKER TO FLAME)

 カレンデュラは比較的によく見かけるお花です。「救済」「守護」「忍耐」「苦しみ」「悲嘆」「高潔」など、色んな花言葉があります。

 ヴィヴィアナに見られるそれらの特徴と同じように。

 ヴィヴィアナは多く私生児キャラと同じような運命の軌跡を辿っています。リターニア貴族たちの間の駆け引きによって犠牲者となり、彼女が子供にいられる時間はそう長くありませんでした。

 両親に高塔の上に隠された彼女は孤独な生活を強いられていた過去があり、そんな経験があるせいで、彼女は当然のようにこの世間について明確な理解を持つことができなかったと思います。

 ヴィヴィアナのアーツは、彼女の内面性を反映したものだと思います。——蝋燭の光で構築された光と影の空間。蝋燭の光と影はそれぞれ、彼女自身と彼女を閉じ込めた塔を表しているでしょう。

 光を侵食し、またちらつくこの特徴は、彼女自身の光への渇望と呼応していると思います。

 塔に閉じ込められていた幼少期において、母親が彼女のために蝋燭を持ってきてくれました。

 本を通じて触れることができない美しいものを知ることができました。しかし、読めば読むほど、彼女の自我は憧れと渇望に満たされるようになり、讃えられる美しさを切望するようになりました。

 マッキーはヴィヴィアナに詩を書くように勧めたことがあります。

 しかし、一つの牢獄から出て、またもう一つの檻に踏み入れたヴィヴィアナにとって、これはまるで何もないところから実在もしない自我の輪郭をなぞるようなものでした。

 ヴィヴィアナは、「美しさ」に対する自分の理解が生み出せるような環境に置かれることはありませんでした。

 この凍てついた心は他人の心を揺さぶることができるとでもいうのでしょうか?

 ずっと暗闇の中で生きていた彼女にとって、「騎士」という言葉は眩しすぎるものでした。

 だから、騎士道を具現化したような存在であるマーガレットに、強烈な知りたい欲が生まれました。

 ヴィヴィアナはある答えを求めており、騎士の間の正々堂々の戦いでそれを手に入れることを願っています。彼女は枯れかけた花のように、日光に当てられて生まれ変わることを望んでいます。

 だからヴィヴィアナとマーガレットの戦いは、正確に言うと問答であり、羽化であると思います。血騎士もムリナールも、ニアールの行為は実際の成果を伴わないと評価しましたが、ここでマーガレットは確かにヴィヴィアナに生まれ変わる機会を与えました。

 ヴィヴィアナの話をするならば、マッキーのことも避けられない話でしょう。彼のヴィヴィアナに対する感情ははっきりと表れています。

 ヴィヴィアナの初めての試合を覚えています。

 ヴィヴィアナのためにリターニア語まで身に付けました。

 ヴィヴィアナからの些細な褒め言葉で緊張して喜ぶくらいです。

 ヴィヴィアナが問い詰めてきた時も、マッキーが見せたのは代弁者の立場というより、従順に近い態度でした。

 しかし、2人の間には嘆かわしい壁が立ちはだかっており、更に嘆かわしいのは、誰もそれを打ち砕くことができないことです。

 マッキーがローズ新聞の若旦那で、商業連合の立場を考えなければならないのです。

 しかし、ヴィヴィアナを閉じ込めた檻を作ったのは一体誰でしょうか。まさに商業連合です。

 もちろんマッキーは悪い人ではありません。彼はローズ新聞の若旦那だからこそ、この歪な社会構造にいながらもある程度の自由を保つことが許されています。彼は善良な心を保つことが許されていますが、それにも限度があるものです。

 ヴィヴィアナに別れを告げられたマッキーが見せた自責の念は、これが双方向の行きつまりだと表しています。ヴィヴィアナの自我はゆらゆらと定められず、更にマッキーの立場によって、2人は反対の方向へ向かっていくしかないのです。

 マッキーが自分のアイデンティティから解放されない以上、2人は想像の中でしか相手を救えないのです。これはまさにギリシア神話から来たカレンデュラの花言葉ーー「悲しき別れ」です。

 一連のことが終わって、最後にヴィヴィアナはマーガレットと約束を交わして旅立ちました。

 彼女はようやく、自分の詩を作ろうと思えたのです。

 ヴィヴィアナ、どうか悲しまないで、ご両親の深い愛と希望を背負って、自由に生きてください。あなたの未来はまだ始まったばかりで、月の光はきっとあなたを導いてくれるでしょう。

ムリナール

遊侠と騎士(NEVER BEEN KNIGHT)

 ムリナールはとても複雑なキャラクターです。

 ムリナールは『マリア・ニアール』から、ずっとマーガレットとマリアを叱責し続けています。

 しかし、上司の前では大きな声も上げられず、叱咤の言葉が強いほどこの従順さとのあまりにも強烈な対比で、このキャラクターへの好感度を上げるのが難しいでしょう。(あるいは逆に好きになっているのかな?)

 ムリナールは大した男だということは、チャルニーの態度からもわかりますが、彼の実力が強ければ強いほど、「軟弱」だというイメージが増える一方です。

 物語の最後、ムリナールも参戦してくれましたが、ストーリーの中で明かされたように、彼はカジミエーシュに失望した原因で10年間も意気消沈し、シルバーランスペガサスが入城してやっと動き始めたようです。これらはすべて、これまでの彼の「軟弱」と「不甲斐なさ」を証明したかのように、ムリナールはまるで失望を言い訳に勝手に意気消沈していたように描かれていました。……果たして本当にそうなのでしょうか?もちろんそんなことはありません。

 そう感じたのは、シナリオが張った煙幕はうまく君の目を誤魔化したからということです。

 諸君が思うムリナールがやるべきこと、果たすべき責務、それはすべて騎士のなすべきことです。

 マーガレットが騎士道の具現というのならば、ムリナールは根っこから騎士ではありません。そう、ニアール家の中でムリナールは間違いなく異端児なのです。

 彼は遊侠になることを選んだ以上、従うべきなのは遊侠の道であって騎士道ではありません。これこそがムリナールという人物を見ている時に違和感を覚えながらも親近感を抱かせた原因です。

 「侠客たる者は国家と民衆のためにある。」金庸先生のこの言葉は間違いなく「侠」とは何たるかを物語っています。

 騎士道の8つの美徳と勇往邁進の精神と異なって、遊侠の道に気をかけなければならないことが多いです。手を出すときにもし他の人を巻き込むことになり、全員を守ることができない場合、その行いは必ずしも良いことではないということです。

 マーガレットは他人のために死ぬことができるでしょう。しかし、1人が死んだだけで終わらないことが世の中にたくさんあります。

 道半ばで死んだ場合、自己満足で他人を巻き込んだ身勝手に過ぎないということで、ムリナールが何度も持ち出したこれらの言葉は、騎士道と遊侠の道のぶつかり合いともいえるでしょう。

 ニアールが今やっていることは、この時代に逆らっているようなことで、昔ムリナールがやっていた「天に替わって道を行う」義賊のようなこととは違うのです。

 そこから生まれた色んな結果は、もしマーガレットが挽回できなかったら黙って引き受けるしかないでしょう。

 商業連合会が足場を固めたこのカジミエーシュで、社会構造を揺るがすような騒ぎを起こすと、思いもよらない、コントロールも効かないことがたくさん出てきます。

 試合に出ても無駄だとわかっているムリナールにとって、商業連合会の立場はまた彼を「武力をもって法を犯す*」難題に陥れました。敵は外的ではない以上、武力だけで簡単に解決できる話ではなくなります。
*『韓非子・五蠹』「儒者は学問をもって法を乱し、游侠は武力をもって法を犯す。」法を乱し、法を犯す人は逆に権力者に優遇され、国家の混乱を招く根源となるという一節から取ってきた言葉です。

 最後に、彼にはマリアという数少ない家族を守る責務があります。もし何か行動を起こすと外敵からカジミエーシュを救うことができるなら、ムリナールは迷うことはないでしょう。しかし今、彼の行動を阻害する要因が多すぎます。これが遊侠の道の弊害です。

 ムリナールはとっくにカジミエーシュに失望していましたが、だんだんゆっくりと彼を沈黙に追い込んだのはこれらの逃げられない足かせです。

 遊侠という中二病的な匂いが漂っている言葉はムリナールの目標と信念だけではなく、トーランド・キャッシュや他の仲間たちを繋げている絆です。彼らはそれぞれ自分のやり方で自分の道を貫いたと言えるでしょう。

 ムリナールが沈黙した10年間で、トーランドはムリナールの意志を引継ぎ、最強のバウンティハンターになりました。

 最初、トーランドも故郷がウルサスの砲火に壊され、流浪の生活を余儀なくされた一般人でした。

 旅の途中で錆鎚に出会い、その悲惨と絶望した本質は彼に警鐘を鳴らしました。

 そのおかげで、トーランドたちは団結するようになり、「救い」の道を探し出しました。ムリナールとの出会いは彼らにより広い視野を与えたのです。

 彼らは間違いなくムリナールを心の支えとして見ています。だから、その期待や信頼も時間が経つにつれて薄れていき、やがって怒りに変わっていくこともあったのです。

 しかし、トーランドはまだ彼を待っています。彼は遊侠の束縛が解かれ、再び共に遊侠の道を歩むことを待っています。

 今シルバーランスペガサスと監査会は主導権を一部取り戻しました。

 マーガレットは使徒、ロドスと共に歩んできた道で生まれ変わり、彼らは共にカジミエーシュに光をかざしてくれました。

 それらの心配がなくなった今、ムリナールはあの時果たせなかった目的を果たすときがついに来ました。

 待ち焦がれましたね、旧友たち。君たちの遊侠は、再び剣を握ったのです。

血騎士と耀騎士:

血と光(BLOOD AND LIGHT)

 今回のイベントで最も強烈な衝突はきっと血騎士ディカイオポリスと耀騎士マーガレットの決闘でしょう。

 ディカイオポリスはアリストパネスの作品『アカルナイの人々』に出ているキャラクターで、物語の中のディカイオポリスは平和を求める農民でした。

 これは血騎士の物語と大きく一致しています。

 血騎士が犠牲を顧みずに頂点に登ったのはまず生きるためで、同時に感染者たちのために正当に生きる機会を与えるためでした。

 そして何より、彼は感染者がすべての人々と平和に暮らすことを望んでいます。

 マッキーは否定の答えを出した後、彼は感染者を庇護すると決めました。

 彼は感染者の救世主に呼ばれるにふさわしい存在です。

 そして、その言葉通り、マーガレットの理想主義がすぎた騎士道精神は確かに今まで何も成し遂げていませんでした。

 マーガレットのホームグラウンドで、彼女以上に説得力があり、公信力があるキャラクターが現れたなんて思ってもいなかったことです。

 「あなたは、自らと重なるイメージを持つ相手に、どう対処なさるおつもりでしょうか?」いいえ、これは「重なる」というレベルではありません。

 血騎士は間違いなくマーガレットよりも濃いキャラクター像があり、彼が築いてきた功績はマーガレット以上に鮮烈で、更に、血騎士は彼女の目的まで見抜いて、彼の前にいるマーガレットは完全に不利な立場にいるはずです。では、なぜマーガレットが勝ったのでしょうか?なぜ彼女は血騎士に認められたのでしょうか?

 答えは、「本心」と「覚悟」です。

 血騎士がマーガレットの目標を肯定しつつも、その後の道に疑問を投げかけました。

 しかし、マーガレットが既に数え切れないほどの苦難と悲劇に直面したことがあると知り、血騎士はマーガレットの信念が中身のないものではなく、一周巡ってありのままの本心に戻ったとわかりました。

 血騎士が最も心配しているのはニアールの信念ではなく、平和を守るために懸命に戦ってきた彼が一番心配しているのはマーガレットが自分の信念を証明した後、感染者をうまく導く方法がないことです。

 感染者たちの膨れ上がった抵抗心が暴走し、間違った方法で社会の緊張感を煽ってしまったら、折衷的な態度を取っていたカジミエーシュもやがて感染者を排除する姿勢に切り替わるでしょう。

 感染者全員は突然の火事で身を焼かれることになってしまうのです。

 それに対して、マーガレットの答えはたった一言でしたーー

 彼女は絶対に逃げたりしない。

 だから彼女は残らなければならないのです。騎士道の価値を証明して、責任など一切構わずそのまま立ち去るわけにはいきませんから。

 後日談に当たるニアールの秘録で、ニアールも実際に自分が約束したことを実行しています。

 2人の理念は本来優劣がなく、どちらも等しく偉大な戦士です。お互い知り尽くした後に残ったのは、騎士同士の勝敗だけです。

 この対決はイベントの主旨に対する描写の中で最も成功している部分だと思います。このパートで、両者の理念の本質的なところが抽出され、マーガレットの理想主義に十分な現実的な深みが加えられたと思います。

 カジミエーシュの七十年の歳月でできてしまった歪な病巣は一度の出来事で治るものではないともちろんわかっています。

 だからこそ、こんなにも救いの内現実的まテーマを古典的な浪漫主義手法で締めくくったでしょう。その険しい未来への道に明るい光を当てるように。これもマーガレットがカジミエーシュに持ち帰った最も完璧な答えです。

 勝負が決まり、赤と金色が交じり合って、道が異なるけどれ、マーガレットとディカイオポリスの騎士道精神は同じ終着点に行き着き、夜の街を静かに照らしました。時空を超えたかのように、静寂なカジミエーシュに明かりを灯したでしょう。

追章

足元、即ち天路(MY WAY)

 本編にトゥーラに関する情報は見落としがあったため、トゥーラの部分についての理解には多少のズレと不足した箇所がありました。例えばトゥーラはとっくに、自分の先祖が南に消えたことを知っていました。

 前に出した結論が間違っているというわけではありませんが、其れに至る過程は今やより複雑になりました。

 これほどプレイヤーたちに強烈なインパクトを与えたキャラクターなのですから、今一度その歩みを深く見つめる必要があると思います。

 ただ、今回トゥーラについての情報が非常に曖昧で、正確な結論が出せないのが事実です。しかし、推測していく中で、彼という人物の輪郭を少しずつ明らかにすることが多少できるものでしょう。

旧事(CONFUSION)

 NL-3では、バトバヤルがトゥーラに両親のことを尋ねると、物心がついた頃に既にいなかったと答えました。

 しかしNL-8で、トゥーラとマリアが対峙するときに、彼は全く違うことを口にしました。これには当然理由があります。

 まず、トゥーラは確かに孤児であることがわかります。彼を成人まで育てたのは、バトバヤルの古い付き合いかもしれない老兵です。

NL-8 最後のケシク
悪夢の血脈を継ぐ者は己の前世を見つめていた――黄砂を前にしゃがんで座り込んだ老騎士からは熱い涙が零れ落ちていた。彼のハガンはすぐそこで、刀を研いでいる。

ステージ紹介文

 そしてNL-8のステージ紹介文で、「前世」についての一節があり、これはつまり、トゥーラは前世の記憶があるということです。実際、この言葉も単にわざとわけわからないことを言っているのではなく、ストーリーの中にもその根拠を見出すことができます。

 トゥーラがニアールと対決する時、ナレーションではトゥーラの頭にある記憶と彼の実体験と関係ないことに触れました。

 だから、トゥーラがいう母親は、記憶の中にいる前世の母親のことです。同時にこの結論は、シナリオでトゥーラが思い出した言葉は、2人の人間によって語られていることを表しています。

 1人は前世の母親で、もう1人は今の自分を育てた老兵です。だから背景のイラストも大きく異なっています。これを証明できる証拠があるでしょうか?もちろんあります。

 NL-9で、トゥーラは「父」という前後につながりがない言葉を口にしました。これはトゥーラにとって、老兵はまるで父のような存在だということを表していると思います。

 しかし、なぜトゥーラはここで唐突に彼のことを口にするのでしょう。この疑問はトゥーラの人生の軌跡を知り、理解したら自然に解決されると思います。

フラッシュバック(FLASHBACK)

 ナイツモラの時代から既に数千年の時を経て、かつて彼らが疾駆していた草原は、もはやこの地には存在せずーー

 残されたのは、活気がない鋼鉄に作られた都市だけです。

 この千年前の鮮烈な記憶が憧れを生むでしょう。しかし、今になって、その憧れでさえ錯覚に過ぎません。

 トゥーラを育てた老兵はバトバヤルと同じように、この時代についてはっきりとした認識を持っている人です。バトバヤルが「坊や」「坊や」*と呼んでいるように、老兵もトゥーラを愛しています。
*中国語原文でバトバヤルはトゥーラのことを「孩子(坊や)」と呼んでいて、日本語訳にこの呼び方がなくなりました。

 残酷な戦争を生き抜いた上の世代の人は自分の子供たちに二度とそのようなことを経験させたくないでしょうし、時代に対するはっきりとした認識がある人は、最も「現在」に適している生き方を勧めるのだと思います。

 ハガンの歴史は確かに心を動かす魅力がありますが、それを追う必要がないでしょう。

 老兵がトゥーラの置かれている状況を知ってから、トゥーラが憧れから解放され、自分らしい生き方ができるようになってほしいと願っていたでしょう。

 だからカジミエーシュに行かせて、この時代の変化を知ってほしかったのかもしれません。そして同じナイトモラの血があるバトバヤルに、この子を救ってほしかったのかもしれません。

 しかし、カジミエーシュの情熱のない生活を目にして、トゥーラはひどく戸惑っていました。

 ここは彼の記憶と大きくかけ離れ、まるで自分がこの世に存在しないかのように虚無しか感じませんでした。

 だから、バトバヤルの考え方には賛同できなかったけれど、いくつか安堵を覚え、僅かながら自分の喪失感と混乱を慰めることができました。

 彼は、マリアの信念が借り物だと言っていましたが、しかし彼自身もそうではないでしょうか。

 マリアの顔から滴り落ちる血はまるで黄金色のように輝いているのを見た時、彼は唖然としました。トゥーラが手を止めたのはマリアを認めたからではなく、その瞬間にマリアが何も顧みずに立ち向かう精神は彼の心を打ちました。

 しかし、振り返ってみると、彼はマリアを少し羨ましく思ったでしょう。彼が戦闘狂のように戦う相手を探す理由は、老兵の期待を「天路を終える」と思ってしまったからです。

 しかし、彼の記憶と身体は、戦えと言っていて、彼にとって、戦うことが未来への迷いと恐怖を鎮める手段となりました。

 だからこそ、大騎士長はトゥーラのことを「迷子」と呼んでいます。前世の母は自分が草原の子になるように見守ってくれていると同時に、今の老兵は自分に平凡なトゥーラとして育つことを望んでいます。

 若きナイツモラは自分の血と怒りを振り絞って、ただ自分の悪夢に打ち勝つために戦っています。

前へ(FURTHER)

 血騎士のおかげで目を覚ました後、天路は自分の道であり、過去を追い求める道ではないことを悟りました。

 バトバヤルがトゥーラの天路の終着点を知った時、トゥーラがずっと求めているものは死だとわかりました。

 もちろんトゥーラ自身もずっと前からわかっていますが、今の彼は十分な収穫を得ました。

 彼はニアールと血騎士から自分が欠けていた本心を改めて手に入れました。だから、たとえ終わりが変わらなくても、その天路はきっと自分にしか味わえない意義をもたらすでしょう。

 これまで恐れていた多くのものは、もはや彼の前に立ちはだかることはないでしょう。

 大騎士長はトゥーラが旅立つ前に、彼を引き留めようとしていましたが、伝えられた天路の意味と同じように――

 トゥーラ自身が決めた道だけが、彼の生きた証になるのです。

 老兵がいなくなり、同族は皆消え失せた今、トゥーラが間違いなく孤独を感じていました。

 彼はアーツからできていた数千万のケシクの軍隊で極北の彼方にいる異物に挑み、今の彼は恐怖もなく、故に迷いもなかったでしょう。

 かつて、ハガンは軍を率いて大地のすべてに鞭を打ち、フェーンホットランドの奥へ突き進みました。

 今、トゥーラは1人で極北の地を目指したのは狂気が故ではなく、ただ狙いをそこに定めたからでしょう。

 唯一角笛が残され、雪の中に横たわっていても、「彼」の喚声は鎮まることなくーー

 天まで鳴り響くでしょう。

カジミエーシュ関連の考察翻訳まとめ

1、大物と小物ーーカジミエーシュイベントの裏主人公

2、マリア・ニアールイベントにおける3大メディアの衝突とそれぞれの立場

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