faro/燈台

愛知県を流れる矢作川のほとりで森の研究をしています。東京からこの地に移り住んで、自然と…

faro/燈台

愛知県を流れる矢作川のほとりで森の研究をしています。東京からこの地に移り住んで、自然と関わり、人とふれあい、豊かな思想を取り入れて生きることを学びました。私を幸せにしてくれたものたちについて、少しずつ書くことで、恩返しができればと思います。

最近の記事

矢作川に魅かれて

 私が矢作川(やはぎがわ)と出会ったのは1997年。もう26年前になります。  当時東京の実家で大学院に在籍し、里山の研究をしていた私は、他大に就職した先輩から「川辺の植物調査のアルバイトをしない?」と誘われました。いま私のいる職場は当時、昆虫が専門の非常勤研究員が1人しかおらず、他の生物群の調査を外注でまかなっていて、その研究員の知人を通じ、川辺の植物を研究している先輩に、植物調査の依頼が来たのでした。  でも現地を見に行った先輩は、自分がいつも見ている石がゴロゴロした河

    • 川に生かされている、ということ

       私たちは川に生かされています。  それって、どういうこと?と言いますと…  地球は水の星と言われています。地球の表面の約7割は水に覆われています。でも、地球に存在する水のおよそ98%は海水。私たち人間が必要としているのは淡水です。海水を淡水化する技術は確立されていますが、海水を、私たちが必要としている量の淡水にするには、まだまだコストがかかりすぎます。  残る2%の淡水(海水に対し陸水と呼ばれます)も、その7割は氷河や氷山が占めています。氷河を運んできて、溶かして使うの

    矢作川に魅かれて