トルコンは悪いのかね?

マツダの8速ATについていろいろ書こうと思ったのだけど、CX-60が出たあとにちゃんとした技術情報が出ると思うし、マツダの技報はタダで読めるので特許文献で似た構造の他社の8速ATと比べても意味が無いかと思ったので止める。

ただ、トルコンじゃなく湿式多板クラッチなのはどうかなぁと心配する意見もけっこう見るのでそこだけはちょっとだけ…。

トルコン(トルクコンバーター)って発進用として優秀なのは誰もが認めていると思います。伝達効率の低さから少しでも損失を減らしたかった初期のCVTがトルコンではなく電磁クラッチや湿式多板クラッチを採用していたのに不具合の多さからトルコンに変えていったという事実もあります。

トルコンの中身は半分ぐらい振動を吸収するダンパーとかのフライホイールみたいな感じで湿式多板もそこらへんは必要(オイルの必要量はだいぶ変わると思いますが)、動作は効率はともかくロックアップして無ければ勝手に回って良い具合にスムーズに動力を伝達してくれます。これが湿式多板クラッチだと圧着具合やらコントロールしてもトルコンほどスムーズにならないうえ渋滞時の熱などにも耐えられるか未知数になります。普通に走行するだけならトルコンのトルク増幅などは現在の多段ATの1速が大きく減速出来るギア比なのと速いロックアップで湿式多板クラッチでも差がないと思いますが…。

マツダはスカイアクティブドライブでトルコンの効率化をだいぶやりましたから、損失をこれ以上減らすならトルコンを湿式多板クラッチに変えるしかないと判断するのも理解出来ますが、牽引能力が重視される北米で売るものだけでもトルコンにしておいた方がいいんじゃないかと心配になるのです。

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