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本当に居た運の悪い人。

今年2024年で支店が発足してから大体20年位が経ちました、

振り返ってみると山あり谷谷谷谷谷谷ありの20年でした、

支店発足2年目位で、泥船から去る様に支店の社員が次々と辞めて行き、
そして先に辞めて行くのは、能力と経験の有る社員達で、残ってしまうのは私の様な中途で入った経験の浅い社員か、社会人経験自体の少ない若い社員だけが残ってしまいました、

そんな暗い時期に入社して来たのが今回の主人公
白水直樹君当時35才、
履歴書を持って来た彼と面談をしたのを覚えています、
奥さんと2人の子供さんの4人暮らし、
前職は日〇ハムの営業マン、
中学高校と野球部、
当時再就職するのに結構苦労したと話していました、
年齢の割には少しくたびれているのと暗い感じがしました、

そして彼が入社したのと同時に支店の暗黒期始まります、最初に言っときますが白水君が悪いわけではまったく無いのです、うちを辞めた人間が同業他社に入り営業するのですから、たまったものではありません、良い客先は全て持っていかれ、良くない客先ばかりが残ってしまい、売上は右肩下がり、白水君が悪いわけではないのですが、やはり運はよくないですよね、私は彼の持ってる負のオーラが原因の様な気がして、ずーーーーーーーーーーーと気になっていました、気にはなっていても、彼に何か落ち度がある分けでは無く、仕事も不器用だがそれなりに覚えようともしているし、只何事も否定から入るので、中々教えても成長が遅いというのが当時の白水君の印象でした、

あまりの数字の悪さに会社も、遂に人の入れ替えに動き出します、まずは当然支店長交代、変わった支店長から私も真っ先に関東支店への転勤を言い渡されました、
(転勤が嫌で前職を辞めたのに、結局サラリーマンに転勤は付きものです)
1年位遅れて白水君も本社に転勤、元々居た支店の人間はほぼ居なくなり、各支店から集められた応援部隊で構成される事になりました、

2年位があっという間にすぎ、応援部隊はどうなったかというと、全く成果がでず、このままでは支店の存続の危機が囁かれていました、
私の帰る支店が無くなってしまう、当時は気が気では有りませんですた、

そんな応援部隊が苦戦している頃、本社に転勤していた白水君に彼女が出来たという噂が流れて来ました、相手は本社勤務の事務員さん、(本当にうらやましい)しかし彼には家庭が有る、彼女が出来たら不味いだろうと思っていたましたが、只の噂だしあまり興味も無いのでそのままに、

関東支店に転勤して3年が過ぎた頃、
私と白水君に転勤の辞令、全く改善される事なく、いや以前よりもひどくなった元の支店に戻る様にとの事でした、

ここからが又地獄のような日々でした、
白水:『俺この支店でまともに売り上げが上がった事ないんですけど』
確かに白水君が入ってから、売上がまともに上がった事が無い、
そのうち何の根拠も無いのだが支店が上手くいかないのは白水君のせいではないだろうかと思うようになって来た、白水君が悪いわけでは無いが何か彼の持ってる負のオーラが支店全体を覆っていた様な気がする、

そんなある日の夕方支店からの電話で、白水君が事故にあったと連絡が有り、近くの病院に運ばれたのでそちらに向かって欲しいとの連絡だった、
事故自体は結構大きな事故で夕方の全国ニュースでも放送された程だった、
白水君が交差点の一番前で信号待ちをしていたら、2t位のトラックが前から突っ込んで来たらしい、
やはりこいつは信じられないくらい運が悪い、なかなかそんな奴身の回りに居ないでしょう?

そしてそのまま入院かとおもいきや、怪我の処置だけで帰ってくれとの事、しょうがないので私が家まで送ることになり、じゃ実家に送って欲しいと言われ、実家に?と思ったが言われるままに送る事にした、

家の前では白水君のお父さんとお母さんが待っていてくれて居た、お父さんは白水君似でちょっとぶすっとした感じ、お母さんは愛嬌のあるお母さんで、私に会うなり『ナオちゃんはね、子供の頃から本当に運が悪くてねー』思わず私もそーですよねーと言いそうになるがぐっと飲みこみ、笑いを堪え挨拶だけしその日は帰宅、

その後も彼の不幸は続きます、
白水君と事務員との不倫が発覚、転勤してからもまだ続いていたらしく、
二人で空港に居るところを会社の誰かに見られたらしく、社内で噂が広がり、そして遂に奥さんとも離婚、これは運が悪いというか自業自得、
まだ続きます白水君今度は東北支店の作業員としての転勤の辞令、
さすがにここで白水君退職願いを提出、
当社に再就職してからちょうど10年位、白水君仕事も家庭も無くしてしまいました、(若い彼女は出来ましたが)

白水君の退職後、
支店がどうなったかと言うと、あれだけ何をやっても売り上げの上がらなかった支店が徐々に調子が良くなり、
何年もお荷物支店だった我が支店が昨年は全支店の中で3位の売り上げ、利益も好調、逆にこうなってしまうと、何であの時期だけが上手くいかなかったのかが分からないくらいだ、

上手くいってない時と、うまく行ってる今との大きな違いは、白水君が居るか居ないかだけのようなきがする、

白水君のその後が大変気になるが、彼に関わるのは大変リスクか高い様な気がして、こんな言葉が有ります。

触らぬ神に祟りなし。





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