アウトプットしないとこじらせるオタク魂




今までアウトプットというのをほとんどしたことがない。
会話するにも話題提供することが苦手で相槌を打つのみ、文章を書くにしても集中力がもたず挫折。

一度、入社試験で小論文を書いた。
なんでもいいから好きなものについて小論文を書けと言われて、江國香織さんの『きらきらひかる』のショーコさんの切ない感情について情熱的に書いたものだ。
21歳よ、もっと「家族」とか「友人」とか無難な題材があっただろう?
アウトプットというものをしないから、好きなもの書けと言われて思いついたもの、「好き」のストック最上位がそれだったのだ。
仕方なかった。過去の自分を責めるのはやめよう。根っからのオタク、ただそれだけなのだ。

そこで、今後好きなものについての小論文を書くよう求められても、平然とした顔で社会人に適した内容の文章が書けるよう準備するために、文章を書く練習と感情のアウトプットの練習をしようと思う。

ああ、なんたる向上心の塊!
自分の前向きな生き方に惚れ惚れするね。

さあまずは、書くために気持ちを作らねばならない。
人気のエッセイストのようなイケてる文章を書くために、テンションを上げよう。
そういえばInstagram上の髪をハイトーンでブリーチしたイケてるアメリカ人は、流行りの曲を流して腰をくねらせながら朝食を作っていた。

これだ。これをやればたちまち私も創作意欲が沸き上がり、イケてる文章を書きあげることができるだろう。

まずはイケてる曲をYouTubeで探す。
流行りの洋楽ポップチャートメドレーを検索するも、どの曲もやけにポンポンポンと奇妙な音がする。耳が痒い。最先端の曲は私には合わないようだし、知らない曲はテンション上がらなかった。

テンションが上がらなければ意味がない。そりゃあアニソンだろう。
イケてる曲をかけてイケてる文章を書くという意思は、このときすっかり頭から消えていた。
検索バーに「アラサー アニソンメドレー」を打ち込む。

(カードキャプターさくらOP)はいはい神曲神曲。
レクイエム(コレクターユイED)、はいはい聖歌聖歌。

ふふ、なめるなよ、懐メロアニソンをどれだけ聞き込んでいると思ってる。
この曲でテンションが上がる時期はとうに過ぎ去っている。
私の中では懐メロではなく流行り曲だ。

こう、懐かしいけど最近は聞かなかった曲…わたしのエモーショナルな感情に訴えかけるアニメ…

はっ!
セ、セーラームーン!!!

当時幼稚園児だった私は細部までストーリーを憶えていない。しかし曲を聴くと懐かしさが私の脳を滝のように打つのだ。これだ。

セーラースターソング(セーラースターズOP)
こ れ だ !!!
伸びやかな高音に希望を感じる。懐かしさが細胞レベルでわたしを震わせた。


My Friend's Love(とどかぬ想い)

宝塚を彷彿とさせる女性の凛々しい低音ボイス…癖になるリズムそして歌っているキャラクターの心情を描いた切ない歌詞!最高だ!

セーラームーン…いいな。ちょっと動画サイトを見て回ろう…。


こうして一日が終わった。

目的を見誤ると横道にそれていく。
スマホというのはとんでもなく賢い人達が作った依存性の高いものだと最近ビジネス系の動画でみたな。

いい教訓になった。
自分の前向きな生き方に惚れ惚れするね。

さあ、明日こそ頑張ろう。