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先生との出逢い〜神対応その1


我が子ふたりは、それぞれ小、中学校の長い期間を家で過ごしてきました。
そして計10年に渡る不登校期間に、私たち親子は30人近くの先生に出会い、お世話になりました。
担任、学年主任、養護教諭、SCの先生、相談室の先生、管理職の先生、適応指導教室の先生など。
その多くが、お立場や子供たちとの関係上「まずは来て欲しい」という登校前提の考えを示されていました。
私たち親から子供の様子を聞くに連れ徐々に考え方は変化するものの、対応に苦戦されている先生が多かったように思います。
そんな中、ごく稀に、端っから理解してくださる柔軟な先生が居るのです。
そういう素敵な先生たちが増えていけば、命をかけて学校を離れているような子供達の心が、さらに救われるだろうなぁと感じます。
そんなこちらサイド(不登校を理解できる側という意味)の先生方の神対応や、いただいた神ワードを、少しずつ紹介していきたいと思います。

当時、通常の登校はしていない中で何とか修学旅行には挑戦しようとしていた我が子は、全行程を全うできるという自信が持てず、我々親も送り出す自信がなく、親子で参加を躊躇っていました。
すると、その迷いを担任はドンと受けとめ、吹き飛ばしてくれたのです。
「いつ来ても良いし、いつ帰ってもイイよ。参加したい所だけ行けばイイよ!」と。現実には有り得ないほど難関になると思われる言葉を、明るく子供に言ってくださり、結果、我が子は全行程に参加することが出来ました。
極度の緊張から真っ青な顔で出発した子供を見送った後、第一関門をクリアした事で私はガクンと力が抜け涙がポロポロ溢れました。しかし、いつ迎え要求の連絡が来るか分からないんだ、と気を引き締め直し緊張のまま3日間を過ごした覚えがあります。
実際に、急遽ウチの子の腹痛のため高速道路パーキングで予定外の休憩を入れてくださったり、何回かメンタルの危機が見られるたびにギブアップか?続行か?をその都度よく検討してくださったようです。
学校という所は、生徒が足並み揃えて行動するほど教員の負担は減り、イレギュラーが少ないほど事件事故の可能性は減るものだと思います。
もし実際に修学旅行を途中離脱する事になっていたら、先生や学校だけではなく施設や交通機関にまでご尽力いただいていたかも知れず、それはオオゴトだったと思います。

子供本人には前述の言葉を掛け、私たち親にも「どんな状況になっても対応しますので預けてください」と言い切れる、そんな勇気ある先生は、なかなか居ないと思います。
昨今の超多忙な教員のほとんどが、先ずはタイパ、スペパを優先して考え後々の責任問題などを考慮して対応する事でしょう。ひとりの生徒の為に時間を割いたり別スペースを用意したり等の対応ができると言い切ることはとてもハードルが高いことです。
当時の担任は、経験値や能力が高いのだと思いますが、一か八かその場で必ず対応してみせるという気迫が先にあっての言動だと感じました。
何より「参加してみたいけど怖い」という不登校児の気持ちに寄り添ってくださったからこそ、出てきた言葉と行動だったのでしょう。
あの時に腹を括ってくださったH先生に心から感謝いたします。
出逢えて良かった先生のひとりです。

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