見出し画像

古い情報が人づてにさも最新であると振る舞う

その情報はネットの検索や論文、便利なAI検索機能などを利用してまず調べてみるという癖が必要だとされているが、勿論それも重要だがそれよりも最も必要なのは想像したり思考することにある。


コンビニの卵

普段よくコンビニを利用する層からすると、卵サンドはタンパク質もそれなりにあるし、ちょっとした昼食や軽食には欠かせないものでしょう。

これ単体だと栄養価に偏りがあるが、ここにサラダなど加えればそれは立派な食事として成立する。

しかし、その卵サンドには黄身が入っていない商品が多くある。

これは様々な事情からそうなっていて、この情報はかなり昔から言われている事実なのだが、未だにその食べている食感や風味からその卵サンドには茹で卵を潰してそれをパンに挟んでいると信じている人は少なからずいます。

▲コンビニエンスストアなどで見かける卵サンド。

見た目にしてしっかりと卵がサンドされているし、商品名にも「たまごサンド」とはっきり明記されている。食べてみると卵のように感じられるし、少々独特な風味や食感があれどマヨネーズなどで味付けされていて食べ応えがある。

しかし、このたまごサンドには黄身は一切入っていない。

これは文字通りで、黄身を抜いた白身を着色料や調味料などを駆使して"たまごサンド"であると見せた所謂『白身サンド』というのが実際のところだ。

そんな筈は無いと思ったのならその情報はかなり古いです、以下にある成分表を載せた画像をまずは確認して欲しい。

▲原材料名に卵サラダと表記されている。

この卵サラダというのが何を指しているのかがわかりにくい、こういった表記に加え且つ商品名がたまごサンドとなればまず信じて疑わない、これが卵を100%使用した商品であると考えて自然でしょう。

この原材料名のポイントは「ゆで卵」や「卵」と表記されていないところでしょう。あくまで卵サラダであるという表記から成分として商品名のように記載されてあることからも、間違いなく卵を使用したサラダであるとしている。


開発者の創意工夫

この使用は卵の消費期限の問題もあり、その製造過程から工夫されたひとつの知恵として開発された経路があります。

マヨネーズの製造過程において、黄身を抜き取り白身を捨てるという工程があり、そうすると破棄するにも費用もかかるし、保存するには場所の確保も必要であるし、食品という衛生管理の難しさも相まってその余った白身をどうするかと試行錯誤された創意工夫から、たまごサンドとして活用しようと試みられた。

その試みの最も素晴らしいところは味にあるでしょう。

見た目も味に変換される人間の脳の仕様から見た目を卵にしか見えないように成形し色をつけた上で、化学調味料を使用して黄身の風味付けをする、食感も多少ぼそぼそとするように丁寧にカットされ、それをマヨネーズと和えることで白身を卵と誤解される程にまで持っていった。

これを詐欺だと言ってしまって終わらせるのか、素晴らしいアイデアで開発された商品であると評価するのかによってその情報を正しく理解する思考を試されていると思っていいでしょう。

そのネーミングも卵であると誤解させているからこそ、消費者の立場に立って考えられた商品といえる訳です。


ブルーライトカット眼鏡

PCなどを利用して生業にしている人からするとその視力の低下は大変恐ろしいものでもあるでしょうが、ブルーライトの危険性は嘘であり、そうして開発されたブルーライトカット眼鏡はそこを突いて購買意欲をそそられるように仕向けられた商品だ。

ブルーライトは網膜まで一瞬にして到達することから危険性を指摘され、さもそれが危ういものであると刷り込まれた結果、それが広まっては危険視された。


論文と見解

世界最大の学術雑誌であるScientific Reportsで取り上げられ、ブルーライトに関する論文では以下のように語られた。

・論文を再構成された文章
ブルーライトとは、380~495nm(ナノメートル[1ナノメートルは10億分の1メートル])程度の波長域の可視光線のことで、人間の目で見ることのできる光の中で最も波長が短く、紫から青色に見えます(波長が400nmより短くなると紫外線と呼ばれます)。太陽光にも豊富に含まれており、体内時計をセットする、気分を高揚させる、注意力を高める、といった利益をもたらしています。

・危険性
一方でブルーライトは、LEDを使ったパソコンやスマホ、タブレットなどのディスプレイからも発せられており、昼夜を問わずこれを長時間浴びる生活が一般化しています。ブルーライトは、目に入るとほとんどが角膜や水晶体を通り抜け、網膜に達することが知られており、網膜への影響を心配する声もあがっています。

これは2018年7月5日に取り上げられた論文で当時注目された、そうしてその危険性は無いとされているにも関わらず噂だけが広まっては、各々が調べもせずにとうとうブルーライトをカットする眼鏡の開発までもがされては、その噂を信じた愚者が購入したという経路となっている。

その眼鏡を開発した側は勿論それを調べる訳であり、その根拠の無さを知りながらも販売にまで持っていくそのストイックさは企業努力の賜物でしょう。

更にはこの当時話題となったブルーライトに関する論文には続きがある、それは以下の通りだ。

・危険性
一方でブルーライトは、LEDを使ったパソコンやスマホ、タブレットなどのディスプレイからも発せられており、昼夜を問わずこれを長時間浴びる生活が一般化しています。ブルーライトは、目に入るとほとんどが角膜や水晶体を通り抜け、網膜に達することが知られており、網膜への影響を心配する声もあがっています。

続きの部分
ブルーライトが人間の目に特定の病気を引き起こすことを示した研究は、これまでのところありません。

▲当時でさえも論文にはこのように書かれていた。

現代においてもブルーライトは危険であるとしている人は少なからずいます、その情報は嘘でありながらもかなり古いし、それは癌物質が発生するといったこの論文から引用されては嘘の情報が広まった。

人の目の細胞膜の奥にはレチノールがあって、その細胞膜に一瞬にして到達するブルーライトというイメージのしやすさから悪しきであると印象付けられた。

それは癌細胞の培養液にレチノールが加えられたものとそうでないものをブルーライトで照射することによってレチノールが死滅したとされ、その危険性から何故かブルーライトは癌になるという意味不明な内容にまで発展した。

それはまったく別のアプローチであり、この論文の著者でさえも「この実験結果は、ブルーライトを発するスクリーンを見続けると失明するとは示していない」とし困惑している。

そうしてここに人の心理が入り、もしこれを指摘されても購買者はそれを馬鹿にされた侮辱された、あるいはその相手に対して知識不足だとして自身の都合の良いように捉える。

だからこそ賢者はその者に対して放置する訳で、説得しても会話は成立しないことからかなりの速度で広まっていったという経路でしょう。

水素水にしても同様で、その購買層はそういった愚者から成立している、その愚者を利用する側になるのかはその思考法が重要だ、これからはAIが普及する流れの中においてあらゆるフェイクが次々と現れる可能性があり、先が見えないからこそ思考すべきだ。


おすすめ機能の活用

習慣は自身の履歴として残ることから、おすすめ記事やおすすめ動画にも影響を与える、変な検索をしているとその欄が埋め尽くされるのでますますおかしくなる。

履歴は見せたくないから残さないというのではなく、いらない情報は履歴に残さないようにすればいい、特にエロ系の欲求や欲望に沿った内容ならずっと永続していらないでしょう。その場のみ必要な情報などは履歴を恥ずかしいからという理由ではなく、不必要だから消すか残さないという活用をすると便利に使える。


陰謀論者的思考

調べることによってそのフェイクに納得してしまうことがある、その調べるという行為そのものは自身の都合から調べるからおかしくなる。

ブルーライトが危ういと感じたとき、それを検索する際に「ブルーライト 危険性」と調べる、そうして危険性だけが書かれた記事を読んでは納得してしまう。

何かを調べるというのは自身に不都合なものも調べ、客観的に捉えることによってしっかりとわかる、これに慣れてくると少ない検索でもすぐにわかるようにもなる、しかしながら検索する能力というのがあって、これはセンスと呼ばれる分野に入るとされている、つまりは持って生まれたものという分野だ。

ただ現代においてAIでの検索機能がそれを簡単にまとめてくれる、こういった誤情報はこれからどんどん少なくなっていくが、その副作用として人がつくりだしたAIから生成された誤情報が増えていくと考えられる。

もし今そのAIを一切活用していないのなら古い情報や嘘は中々アップデートされずに自身の中に入り込み、よくわからない変な思考から陰謀論者のように振る舞う、俺は私は裏の事情を全てを知っているという変な思考がそうやって生成される。

もし未だにその古臭く嘘で広まったブルーライト眼鏡を使用しているのなら、陰謀論者になりやすいと思っていい。あらゆる不幸があったときにそれを明確にしたいとして調べた結果そうなる傾向がある。

それは自身の都合の良いもの、自身が知っていることからしか調べられないからそうなっている。

調べるなら正しいものを活用し、そうしてそこから得ては自身にとって不都合なものも調べ、そうして想像して思考する、これは昔も今もずっと指摘されていたが、これからも重要なものとして残る思考法でしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?