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統計的に成功率を上げる


資産格差

世界で最も裕福な資産家8人と世界で最も貧困な36億人の資産は同程度である、つまりは勝者の総取りというのが現実で、勝てば次にまた勝てる、敗者は絶対勝てないという構造になっている。

その全体の8割はその構成要素の2割が占める、これをパレートの法則という。


パレートの法則

何かしらの商売でシェアが8割を占めていればそれを所有しているのは全人口の2割という意味だ、残りの8割の人達はその2割の人達の足元にも及ばない、しかし現実はもっと割合が離れている、それが資産格差だ。

これを聞くとまず夢など見ないでしょう。

では仮にお金を稼ぎたいとする専門の村があったとする、その村の人口が1000人居たとして、その内900人は資本主義を諦めた現実的な思考を持った絶望組、残りが信じてチャレンジした願望組に別れていたとする。

このとき100人がチャレンジすることになるがその中で実現させたのは5人、そこそこ叶えたのが25人、失敗したのが65人、途中で事故死したのが5人とする。

この割合は大体億以上の金銭を稼いだ現実であった100人中5人という統計データから例えている、残りのデータも実際のデータから参照した。

このとき絶望組はまったくチャレンジをしていないので現状維持かそれ以下か死、チャレンジした側は成功率は低いものの約3割はそこそこ成功し完璧に叶えたのは5%となる。

では願望組の失敗した人達はどうするかというと成功した者に伺うようになり、何らかのアクションをまた起こす、願望組なので再チャレンジするがこのとき65人の中から2人の成功者と15人のそこそこの成果を得れた者、残りは失敗する、といったように割り振られる。

これの面白いところはどれだけ知能が無かろうがこの割合が変わらないということ、勿論必須能力というものがあってどうしよもうないハンデは省かれるが、通常の知能や才能であればこの割合が崩れることがない。


2022年度イグノーベル賞

成功者は才能ではなく運できまるという研究が経済学賞として受賞された、この研究によると才能は特に関係無く運の要素で成功するか決まるというもの。

実はこの賞以外でも知能や才能は関係ないとされていて、例えば科学者の中でも何かを発見できるのは運に左右されるという話がある。科学者のキャリアに問わずその引用された論文の数、良い論文とされた数に大差もなく、2016年に合計2887名の物理学者を調査した結果、統計的に何かを成せるのは偶然であると証明されている、では何故こういった学者達が新しい発見をしているのかというと実行出来る場にいるのだから施工回数が多く、そうして''偶然"新しいものが発見されるからだ。


イグノーベル賞を受賞した研究内容

仮想都市に20歳の国民が1000人住んでいて皆、同じだけの資産を持っているが各々の才能を個別に設定し、まず才能がまったくない者を少数、普通程度を一番多く、才能のある者を少数として設定、これを0.3から0.9という数値を才能ポイントとして割り振った、そうして半年に一度イベントを実施する。

イベントの内容
1.資産の上限無し
2.才能値が高ければ高いほど資産倍増
3.資産を半分

半年に一度1〜3番のイベントがランダムに選ばれる、こうして繰り返して40年後どうなるかという実験で、この実験で最も成績が良かったのは通常の才能をもった0.6のグループだ、このことからもチャレンジする願望組の行動は間違いが無いとわかる。

こうして資本主義の村の住民の行動としては願望組の行動が一番正しいという結果となった、絶望組は絶望のまま終わる。

ここで統計の話を何度かしたのでまた機会があれば統計についての記事も書きたいと思うが、とにかく何かを実現させるには取り敢えずやってみて失敗しては何度も挑戦することが最も効率が良いということだ、その中でも継続も重要な要素になっている。

統計的に金銭的に裕福になる方法はトライアンドエラー、これが最も効率が良い。


・参考資料
TALENT VERSUS LUCK: THE ROLE OF RANDOMNESS IN SUCCESS AND FAILURE (ALESSANDRO PLUCHINO, ALESSIO EMANUELE BIONDO, and ANDREA RAPISARDA)

▲才能と運、成功と失敗におけるランダム性の役割(※画像をタップしてリンク先へ)

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