今日の一枚/型破り

一枚の写真を選んで、写真とは関係ないテキストが続く「一枚の写真」。こちらは福岡クロカンシニア１０km。レース中盤から後半にさしかかるところで、高低差６ｍのビックパワーヒルを先頭でかけあがる富士通松枝博輝選手と後続集団。この大会で優勝すると日本選手権10000mへの出場権が得られるが、松枝選手が今季狙うは5000mでのオレゴン世界陸上出場。10000mの出場権がほしいわけではない。

この福岡クロカン。誰が勝つか負けるかということよりも注目していたのは、松枝選手のレース運びである。松枝選手のストロングポイントは、かつて「全米が泣いた」と評された（というか、勝手に言いだしたのは筆者だが）スパート。レース中は先頭が見える位置で待機しておき、一番、自分の得意な距離でスパートをかけて差し切る。というのが松枝選手のレースの「型」。これまでの日本選手権での勝利もまさに「松枝の型」にはまったレースであったが、ちょうど一年前の福岡クロカンで事件がおこった。