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Tracktown SHIBUYAからTracktown JPNへ。その5

Tracktown JPNの第二回目が配信されました。出演者の自宅をfacebookのメッセンジャーでつないだ模様で収録するリモートスタイル。リモートの割に音もよいでしょう?


もともと2020年のオリンピックイヤーは横田コーチも選手とともに国内外の合宿や転戦で番組出演がままならないだろうということ、オリンピック期間中は競歩・マラソンの取材のため、ずっと札幌にいることになりそうだということ。収録のたびにスタジオを押さえたり調整することが難しくなりそうだということ。そういうことを事前に想定していたので、リモート収録ができる収録スタイルをあらかじめ組んでいたのでした。

さて、「3年継続できる仕組みをつくろう」と考えた渋谷のラジオ。

フォーマットを簡単にすることで、プロの手をさほど借りなくても、誰でも番組は作れそうな気はしてきた。真っ白のタイムテーブルをどういうふうに埋めていこう。次の問題がすぐにでてきました。あらゆるメディアのタイムテーブルを観ると、平日の日中は「帯番組」で埋まっています。同じ時間帯に同じフォーマットの番組を続けることで枠が埋まっています。とある制作会社が超お値引き価格です!と、もってきた見積もりも「月〜金1時間の帯番組」の制作費でありました。あらゆる放送局が帯番組を作ることで、枠を埋め、単体ではなく、グロスで制作費や出演料を払うことで、製作コストを押さえているのです。

ただ、同じことを渋谷のラジオでやるのは無理だと思いました。ぼんやりとイメージしていた、ボランティアと渋谷のラジオとの関係は「週に1度、2〜3時間」ほどスタジオにやってくる。それくらいの関係性のほうがお互い負担なく、継続的にかかわり続けることができるし、帯で拘束するのは、ボランティアの範疇を超え、もはやギャランティの発生する立派な仕事でしょう。なによりも、アーカイブで聞いてもらうことに軸足をのせようとしている渋谷のラジオと情報番組はフィットしないはずだと考えたのです。

縦軸が曜日、横軸が時間で区切られた真っ白タイムテーブルをじーっと見ていると、何かに似ていることに気づきました。

「畑だ。」

意味わかんないですよね。でもぼくにはこう見えたのです。
全体が「畑」だとすると、各曜日が「畝」だと。
そして、いったん、タイムテーブル全体を野菜畑に見立てよう。
例えば、月曜日の畝にはトマト、火曜日にはナス、水曜日にはピーマンだとする。月曜日はトマト農家、火曜日はナス農家、水曜日はピーマン農家が責任もって、その畝を管理する。月曜日のトマト農家はプチトマトや糖度の高いトマト、さまざまなトマトを育てるのが仕事だ。なんだったら、美味しいトマトを使って、ケチャップやミートソースを作ってもいい。

そうか、帯番組ではなく、縦番組で構成すればいいのだ。
トマト農家にあたる管理人が自分の育てたい野菜のような番組を編成すればいい。このアイデアは悪くないぞ、そんなことを考えながら、原宿にあった箭内さんの事務所から明治通りを歩いているうちに渋谷駅前へとたどり着きました。

目線をあげると駅前はどこもかしこも大工事中。頭上にはクレーンが動き、地下からは工事の地響きが伝わってきます。当時の渋谷駅前は2020年の開業に備えるために、あらゆる場所で突貫工事が行われていたのです。激しく動くクレーンやダンプカーを見ながら、「こういう重機の特集ってタモリ倶楽部がやりそうだな」と思ったところで、ハタと気づきました。よく考えればブラタモリも街歩きをコンテンツにしています。まてよ、渋谷のラジオでタモリさんが番組をもつことはありえないけど、仮にどうだろう、渋谷の工事という番組があって、そこで工事現場のあれこれがスナックの会話のように語られていたら、タモリ倶楽部が取材に来ることがありえるんじゃないかと。渋谷のラジオの各番組をたとえば、工事オタクのような特殊な趣味をもつ人が集まるスナックだとして、それを仕切るママがいる。そこでの会話は尽きることない。そういうラジオ番組は日本全国の同好の士たちにはたまらないものになるだろう。そして、渋谷という街をコンテンツと見立てることで、有名人や著名人をキャスティングせずとも、番組が作ることができる。

そうして、渋谷のラジオのタイムテーブルが野菜畑でもあり、雑居ビルにあつまった、小さなスナックの集まりであるようなイメージが膨らんでいきました。すぐに写真を撮ってfacebookに書き込みました。「渋谷の工事という番組ができそうな気がする」と。すぐに「やってみたいですね」と反応がありました。

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2019日本選手権福岡。女子5000mのゴール後に、別競技で世陸内定が出て、カメラマンたちが右往左往している様子というマニアックなシーン。


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