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観ておけばよかった。

「生で観ておけばよかった」と後から後悔することが
なるべくないような人生を送ろうと過ごしてきたつもりなのだけれども、
それでも見逃してしまうときがある。
ストイコビッチのJリーグ引退試合が流れるテレビを観て
「そういえば、ピクシーを一度も生で観てなかった」
と、気づいたときから、後悔しない観戦人生を送ってきたはず。

意外と頑張っているほうだとは思うのだけれども、
それでも見逃してしまうことがある。
よくある見逃し傾向は見たいものが重なって
「あれとあれどっちをとる?」と両天秤にかけて
その賭けが大きく外れたという場合だったりする。

「ニューヨークシティーマラソンと全日本大学駅伝」
とか、
「金栗記念とボストン・マラソン」
とか、いろんなレースを両天秤にかけながら生きている。
最近、頭を悩ませているのが
「世界ハーフ(ポーランド)と
   新谷仁美選手が10000m日本新記録を狙う
 スタンフォード招待(サンフランシスコ)」
両方みるか、どちらかにするか問題。
それはさておき。

2020年が はじまったばかりだけれども、
すでに猛烈に後悔していることがある。

2020年1月、猛烈に「生で観ておけばよかった」と後悔しているのは
青山学院大学 吉田裕也の箱根駅伝4区と別府大分毎日マラソンだ。

昨年、芦ノ湖ゴールに行くため
「相澤晃の馬並みの走り」を見逃してしまったがゆえに
今年の箱根駅伝往路観戦のテーマは
「相澤晃を区間新記録更新を2回観る」こと。
相澤を2回観れたら、もう他の区間は見れなくてもいいんじゃないか。
それくらいの勢いで鶴見中継所から戸塚中継所を目指すという
ちょっと無理目なプランをたてることにした。

運良く、大手町→鶴見市場への移動、
そして横浜での京急→東海道線の乗り継ぎが見事に決まり、
「相澤の区間新のスタートとゴール」は見事完遂。

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このとき相澤晃の4区記録が破られるとは一ミリも考えておらず、
4区を捨てて、そのまま箱根湯本へ移動。
湯本から走って文化放送を聞きながら
大平台を目指す道中、吉田裕也の区間記録更新の報。

箱根駅伝を全区間電車移動で観ることはできなくはない。
とはいえ、次区間への移動を考えると
観ることができるポイントは駅近に限られてくる。
人々が考えることはだいたい同じだから、
そういうポイントはレッドオーシャンだ。
それはそれで悪くはないけれども、なんだか工夫がない。
悪くはないんだけれども、失敗をさけるために工夫もしない。
という人生はつまらない。
と、自分の納得させるしか方法はなかった。

そしたら、別府大分毎日マラソンでのあの快走。
スタート直後から初マラソンとは思えぬ落ち着き。
ツイッターで合計8回も「吉田がいい」とつぶやいてしまいました。

これが東京マラソンであれば、
コースチェックや試走もできたでありましょうが、
ほぼぶっつけ本番と言っていい別大でこの偉業を成し遂げたという衝撃。
全日本大学駅伝では東京国際大真船選手に並ばれながらも
選手の状態をきっちり観察する姿が印象的。
このとき、区間3位でつないだクレバーな走りを覚えてます。
この別大もまぐれ当たりのレースではないのでしょう。

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もしかしたら、吉田裕也は、
これで競技を終えてしまうかもしれない。
そう考えると、「ああ、4区みておけば、別府いっとけば」
と、のんびり丸亀→別府と家でテレビ観戦してた自分を悔いるのです。

その受け答えからもわかるように、
クレバーな選手がゆえに、
自分の「伸びしろ」や「ライフプラン」を思い描きながら
考えていることでしょう。

以前、中国電力の坂口監督に同じように
青学在学時にマラソンで好走した
出岐選手をたとえに話を聞いたことがあります。
「箱根駅伝のあとにフルマラソンを走れちゃうことがある。
 それはハーフのスピードに比べてフルのスピードが楽に感じられるから。
 ただし、身体がフルマラソン仕様に仕上がっていなかった場合は
 身体が本来の能力以上の働きをしている分、
 ダメージも大きいのです。」と。

いまはゆっくり身体を休めてもらいたい。
そして、競技を続けるとしたら
ゆっくりとフルマラソン仕様に身体を作り直して
長く競技を続けてもらいたい。

出岐選手のびわ湖マラソンのときは
給水ボトルに飴をくっつけてるくらいのマラソンノウハウ。
いまの青学は進化しているから
走り終わったあともブルボン「ウィングラム」を飲み、
青トレでリカバリーも十分とれてるだろうから
余計な心配かもしれないけれども笑


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