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NewBalance FuelCell TC

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まずはそのフォルム。
これまでのNBのシューズの延長線上にはなかったアッパー。
白いアッパーは編み上げられたもの。
ソックスの色や模様が透けてみえるほどに薄い。

これまでのNB、RCシリーズと同じ足型なのだろう。
足入れをすると、驚くほどに足にすっと馴染む。
履いたのは27cmのD(やや細み)。
NBは足幅を選べるウイズサイジングシステム。
幅広いサイズという選択肢もある。
ヒール部分のカップはNIKEヴェイパーフライNext%同様薄いもの。
(ズームフライにはヒール補強はない)
シューホールがインとアウトに複数あることから
シューズの軽量化とフィット感の向上の両立を狙ったことがわかる。

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そして注目のソール。
白い部分はおどろくほどにやわい。
ズームフライよりもはるかにやわく、
ヴェイパーフライNext%のソールは
カーボンを境に上下にわかれているが
クッション性を担保しているソール上部と同等にやわい。
あえて、かかとからついて走ってみる。
縦からの衝撃にソールはぐしゃっとブレることなく
まっすぐな反発がある。

ソールの青い部分は硬い。
前面に行けば行くほど硬さを感じる。
ここにカーボンプレートが入っているものと思われる。

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ソールはフラットソール。
走り出すとわかるのが、「スイートスポットの広さ」。
ヴェイパーフライNext%、そしてズームフライ3も
これまでのモデルに比べてスイートスポットがシビアではなくなったが
それでも拇指球のあたりに「ここ」というポイントがあり、
そこにうまく当て続ける必要がある。
そのため、どうしてもシューズに
自分をあわせるという走りが求められる。

一方でFuelCell TCのスイートスポットは広い。
フォームや接地を意識しなくとも
そのままコロコロと転がっていく心地よさがある。
ヴェイパーフライNext%やズームフライ3のような
ハマると「ドカーン」と跳ね返ってくる派手さとは違い、
いつものまま走り出すと、コロコロコロと足がまわっていく。
前足でさばいていくというより、股関節がよく動き出すという感じ。
いつものフォームのまま楽に走ることができる。
そういうシューズだ。

つまり、NB FuelCell TC が大事にしていることは
これまでのNBユーザーが
「違和感なく、シューズ移行ができる」
そこに重きを置いたのではないかと想像ができる。

神野大地やカルム・ホーキンスといったトップ選手が履く
NB FuelCell Eliteはこのコンセプトのまま、
さらに軽量化していったものと思われる。

「速く走る」ということにも
メーカーによって、さまざまな哲学がある。
外観だけにとらわれず、本質を見極めていきたい。




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