見出し画像

広まる一眼レフカメラでの撮影禁止、本当のアスリートファーストとは?栃木県郡市対抗駅伝をみて

1月28日、栃木県郡市対抗駅伝に観戦兼撮影に行きました。

例年は沿道での開催なのですが、今年は一部コースの修繕がありトラックでの開催です。

栃木県は私の出身県でこの駅伝大会にも数回参加したことがあります。思い入れの強い大会でとても楽しみに観戦しに行きました。

するとこんな貼り紙を見つけます。

「一眼レフ、望遠カメラでの撮影禁止」

この貼り紙をみた時に私は絶望しました。会場でも音声アナウンスで説明があります。

「近年、一眼レフ、望遠カメラでの悪質な盗撮が発生しております。選手を守るアスリートファーストのためにも一眼レフ、望遠カメラでの撮影はご遠慮ください。」

と、何度も放送が入っていました。

ルールはルールなので破って撮影するわけいかず、この時点で撮影を諦め、観戦に集中することにました。しかし、心にやるせないモヤモヤを抱えながら本当のアスリートファーストとは何かを考え、この記事を書いています。

私が選手を撮影する理由

私が多くの選手を撮影するのは、現役時代に抱えていた問題解決をしたいからです。

「自分の走っている写真が欲しい」

単純にこれだけです。私が競技をしていた頃、家族は仕事等で大会の時に応援しにくるというのはほとんどありませんでした。

応援に来たとしても一眼レフカメラや望遠カメラを持っていなかったので写真として残すことはできませんでした。

陸上競技をするということはいつか終わりがきます。年齢、肉体、環境、気持ち様々な理由で競技に終止符を打つ時が必ず来ます。

限りある時間の中で競技に打ち込む青春を、同じ瞬間など1つとしてないその一瞬を形として残したい、届けたいという想いが私の原動力です。

本当に撮影しないことがアスリートファーストか?

私は自問自答します。本当に撮影しないことがアスリートファーストなのか?

実際問題、スポーツ選手の悪質な盗撮が問題となっているのは事実です。かと言って一切の撮影を禁止するのはアスリートファーストなのかとも疑念を抱きました。

ファンが写真を撮影することでアスリートファーストになることもあります。

それは選手に無償で写真を迅速に供給できることです。

今大会での一眼レフカメラ撮影は公益性のある一部報道機関のみでした。プレスが写真を撮影する場合には写真の精度や綺麗さが素晴らしいことが挙げられます。

一方でデータの整理があるので写真の提供時間に期間を要する、写真の提供が有償である、注目選手やトップ選手にフォーカスを当てるのですべての選手が撮影されない場合があるのがデメリットでもあります。

その点を補填できるのがファンや家族の写真撮影だと考えています。近年ではSNSを通じて写真の提供ができるようになったのでピンポイントで選手に写真を届けることができます。

SNSで写真が広がれば、その選手がどのような活躍をしているのか多くの人に知ってもらえる、興味を持ってもらえる、ファンが増えて現地にまで来てくれる好循環なメリットがあります。

ファンの母体数が増えれば、選手の撮られる数も増えるのでより多くの選手に写真が供給できます。

解決策までは行かずとも改善策

撮れないことをうだうだ言っていてもしょうがないので私なりに解決策はまでは行かずとも改善策を考えてみました。

撮影を有料申請制にするのが良いと考えます。

申請制にすることで誰が撮影をしているか明確にし、有料にしたお金で盗撮防止の為の巡回費や大会、選手に還元すれば良いと思います。

基本的に写真を正しく撮っている人であれば、巡回時にデータの開示を拒否をすることはありません。なぜなら、拒否する理由がないからです。

むしろ、巡回の係にバンバン声をかけてもらって時間ごとにデータの開示をするのが普通くらいの認識にならないと盗撮の抑止はできないと思います。

ファンなくして陸上の繁栄はない

おそらく、今日1日が過ぎて栃木県郡市対抗駅伝の選手で自身の走っているきれいな写真を持っている人は限りなくゼロに近いです。

SNSでもちろん写真が拡散されることはなく、分かるのは速報タイムだけ。それを知るのも元々興味があって大会HPを検索した人だけにとどまります。大会をやっているのか気付かない人もいるはずです。

これが陸上競技のスポーツとして閉鎖的である所以です。

近年では栃木県のこの大会だけでなく、実業団連盟の大会もこうした一眼レフカメラでの撮影禁止が目立ってきました。

陸上競技は閉鎖的なスポーツなのでプレスの写真だけでは補えない側面も抱えています。

ですから、選手を守るためだから、アスリートファーストだからと言って一方的に「はい、写真撮影はダメです」というのはどうなのかなと思うのです。

一切禁止となると、正しく競技の魅力が伝えられる方が多くいる中でその可能性が摘み取られているようで残念でなりません。

こういった撮影禁止の大会が今後増えないことを祈るとともに写真を通して多くの選手の活躍の場が広まれば良いと思い筆を置くことにします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?