ICT自主勉強会
ここ数年、校内でICT自主勉強会をやっています。
いままでのことをまとめてみたいと思います。
発端
うちの学校ではICTに関する研修がありませんでした。
新転入職員オリエンテーションにICTに関する内容がありません(今も)。
初任者研修の校内研修で情報教育に関するコマが2コマあるだけでした。
あと、強いて言えば、校内にあるAT機器の説明と、スイッチ教材の製作の研修会がありましたが。
令和2年のコロナ禍の休校の際も電話とプリント爆弾で対応していました。
「きっと校長からトップダウンでオンライン授業をやりなさい、という指示が来るだろう」と思って、校内にある機器を使ってオンライン授業を行う準備をしていましたが、自分が勝手に焦っていただけで、来ませんでした(そもそも保護者からオンライン授業の要望がなかった、という理由もあるのですが)。
その12月に肢体不自由支援学校の遠隔教育・オンライン学習の実践集が販売されました。
令和2年2月の休校要請からの肢体不自由支援学校の各校の取り組みをまとめて12月に出版したものでした。
ところが、多くの事例が掲載されているのに、うちの県の学校が入っていません。
「掲載されている学校は全員一斉でなくてもできるところから取り組んでいる。ここで試行錯誤した経験がある学校と無い学校では歴然とした差が生まれるのではないか。」
と危機感を覚えました。
令和3年になり、「GIGAスクール構想でiPadが一人1台入ってくるなら、それに関する研修が必要ではないか?」と提案しましたが、
・教師が自主的に学ばないと身につかない
・授業で使う以前のレベルの人がいるのにレベルが高すぎる
・内容が簡単すぎて授業で使うには不十分
・ICTの研修だから講義だけではダメ。実機での演習は必須。
・演習では多人数ができない
・研修部が主導すべき
など話がまとまらず、組織として研修会を行うことができませんでした。
そこで、禁じ手だとは思いましたが、部や委員会と関係なく自分で勝手にやっていることにして自主勉強会を開くことにしました(管理職の許可は取りましたが)。
内容
令和3年度
第1回 現状、学校のiPadでできること
講義形式でしたが、多くの方が参加しました。
この時点では児童生徒用iPadが全員分は届いてなく、教師用のiPadも無かったのですが、制約のある中でもいろいろなことができそうだというのは伝わったようでした。
第2回 Google Classroomの使い方
第3回 iMovieを用いた動画制作
夏季休業中に実施しました。
参加者は多く、特にiMovieに関しては、この勉強会で使い方を習得して動画を作ることができた、という人が何人もいました。
第4回 特別支援教育におけるオンライン授業について
新年早々だったので、参加者は2名でした。
でも、他校の取り組みなど、初めて知ることも多かったようです。
自分も調べる中で勉強になりました。
第5回 Google Meetの使い方
オンライン授業を見越してのものでしたが、パソコンとiPadを両方使ったため準備が大変でした。
令和4年度
令和4年度は卒業担任だったり教育委員会関係の仕事がいくつも来たりしていたので、とても実施できませんでした。
すると、ICTに関する研修会をやってほしいという意見が様々な場所から上がってくるようになりました。
令和5年度
研修部から、例年行っているスイッチ教材の研修会について、
「iPadの使い方についての研修をやってほしいという要望がめちゃくちゃ来ている。季和さんの勉強会の評判が良かったという話も来ている。スイッチ教材も大事だけど、今年度はiPadに関する内容で検討してくれないか。」
という要望が来ました。
それで、全体の研修では、アンケートで要望の多かった
・iPadアプリの紹介
・Google Classroomの使い方
などが実施されました。
しかし、高等部の「準ずる」課程の1人1台端末はWindowsですが、授業で全くと言っていいほど使われていませんでした。
また、アンケートでは上がってこなかったのですが、Canvaについても紹介したいと思っていました。
そこで、自分で課題意識を持っている内容を実施できる自主勉強会を引き続き行うことにしました。
第1回 本校のICT環境について
そもそも新転入職員オリエンテーションで行う内容ですが、やる機会がないのでこの年もやりました。
でも、古い(?)人も参加するので、iPadでブラウザでも使えるアプリも紹介しました。
第2回 Windows端末の授業での活用
高等部の「準ずる」課程を担当する教師向けでした。
生徒に聞くと、端末を授業でほとんど使っておらず、使ったことのある授業でもWebの閲覧ぐらいにしか使ってない、と言うので、危機感を持っていました。
多くの授業担当者が参加してくれました。
第3回 iPadの授業での活用
主にGoogle Classroomを介した共同作業やGoogleフォームの使い方でしたが、満員に近い参加者がありました。
第4回 Google Classroomの使い方
よく質問されるので、同じような内容で実施しました。
一度受講していても、実際に自分でやってみるとわからないことが多く、もう1回受講してみたいと思うようです。
また、Jamboard廃止のアナウンスもあったので、移行先についてわかっていることも紹介しました。
第5回 Canvaの使い方
全く要望に出ていなくて、自分が勝手に教えたいと思って企画した勉強会ですが、希望者がかなり多かったです。
生成AIでの画像作成は衝撃的だったようです。
勉強会の後、チラシやカードなどにCanvaが使われることが急に増えました。
令和6年度(今年度)
本校のICT環境の紹介は、AT機器の紹介の前座で行うことにしました。
また、研修部主催の研修は他の先生にCanvaについてやってもらえることになりました。
今年の夏は自分の独自の内容で企画することにしました。
第1回 Scratchで教材づくり
「触ると何かが起こる」という仕組みをPowerPointで作ると、マウスではボタンを離(マウスアップ)したときに反応します。
触った瞬間(マウスダウン)に反応する仕組みをどう実現するかと考えたときに、
「Scratchでいいじゃん」
と思うことが多くありました。
教材づくりをきっかけにプログラミングにも興味を持ってもらえればとも思っています。
第2回 Tinkercadの使い方
3Dプリンターで制作するのに、いきなり3Dモデリングのソフトで思い通りの作品が作れるわけではありません。
基本的な使い方を覚えてもらえればと思っています。
まとめ
自分の危機感から始めたICT自主勉強会ですが、毎年恒例の行事になってしまいました。
このやり方が良いのかどうかはわかりませんが、多くの教師に確実に役に立っている実感があるので、プレイングリーダーとしてこれからも続けていくことになるのかなと思っています。
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