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信じているものは何(19)

「気をつけなさい、悪魔は真実の中に巧妙に嘘を混ぜてくる
 賢くありなさい、真実を見る目を養いなさい。そして
 あなたの弱みを利用する、それに耳を貸してはいけない」

ある年配祓魔師が若い祓魔師に語った言葉です。
これが、この年になっても頭から離れないんですね。

そういえば、ヨーロッパの諺に似たようなものがありますね
「地獄への道は善意で舗装されている」
(The road to hell is paved with good intentions)

これは現代社会にとても精通する言葉ですね、
善意で溢れているが、その真意は悪への誘いである
簡単に言えば、「悪いことを考えている人は、とてもいい顔をします」
ですかね。

その言葉を踏まえて、私はいい言葉を並べて、人をいい気持ちに
させる人には注意しなければと思ってます。

さてMさんに戻りますが、Mさんとは、仕事の都合や
週末は、名古屋へ行くことで、あまり会う機会が減りました。
減りましたというか減らしました。

そうなると、Mさんの言動が少しずつ変わってきたのです。
前回も述べましたがこのような事も言われました。

M「あなたはいいですね、愛する人がいて、愛される人がいて
  私は生涯孤独なんでしょうね」

M「彼女と会われて、何をされてますか?ミサとか行かれてますか?」

M「彼女が居るのに申し訳ないですが、また時間ができたら
  お会いしたいです。」
などです。

もう勘のいい方はお分かりかと思いますが、
Mさんは、私に会いたいのではないか?
いわゆる恋愛感情があって、会いたい、話したい
のではないかと思いました。

起点

サブタイトルを起点としました。
これは、今この記事を書いているので「起点」と
する事ができましたが、当時はそうなるとも思っていませんでした。

私が、信仰に導かれ、ようやく自身が歩み出す自信を
得た時に、一つの出来事が起きました。

父に癌が発覚したのです。
父は、私の尊敬する人の一人であり、私に幼少期、キリストの
ことをいろいろ話してくれた人で私の心の支えの一つでした。
その父が癌と聞き、大急ぎで病院へ向かいました。

大腸癌(直腸)でした。

父は何年も前から、お尻が痛くお尻から血が出ると言っており
ました。私たちが、病院行けば?と言うと、決まって
「痔 なんだよ、大丈夫」

あまり気にしてませんでした。
(今思えば少し兆候があったかも・・・)

家の近くに、肛門科の専門病院が開院したので、そのチラシが
入っていた。そのチラシには、検査無料と書いてあったんです。
そして、妹は父に行くことを勧め、無料だし、いいじゃんと。

父は定年退職していたので、時間はありました。
その検査で、引っかかり精密検査となりました。

結果「大きな腫瘍が直腸にあります、細胞をとって調べますが、
   おそらく癌細胞と思います」と家族に話しました。

「〇〇日に結果が出るから、また教えるね」
と妹に言われ、そしてその日が来ました。

妹「お兄ちゃん?明日一緒に病院に行ってほしいんだけど」
私「え?どうしたの?」
妹「癌みたいなの」
私「え、癌・・・いいよ、でも呼ばれるってことは・・・」

頭の中で、「え、大丈夫やんな、薬かな?手術かな?」
私はいろいろなことを考え、落ち着けませんでした。

そうして、病院につき、主治医の話を聞きました。
「直腸にやく10センチほどの腫瘍ができています。
 かなり大きいです。
 治療方法は、手術をしてこの腫瘍から肛門まで取り除きます。
 そして人工肛門(ストーマ)を取り付けます。
 その後経過を観察し、5年経過を待ちましょう。」

と言うものでした。

画像はイメージです 

私は、父にそれを言おうか言うまいか少し悩んだ。
でもそんな私を見て、父はすぐに
「なんでもいい、教えてくれ」
なので、私は、医師の話を全て話しました。
父は
「そうか、手術か・・・」
と、肩を落とした。


人というものは、危機が訪れないと、真剣にならないものです。
特に信仰に関しては、自分の周りに不幸が起こりそうな時に
やっと、真剣に祈り出すんですね。

普段、祈ることを疎かにしていた私は、一生懸命祈りました
仕事の帰りに、寄れる教会は寄り、友人や彼女にも祈りを
依頼しました。

そうして手術の日が訪れました。

・・・。

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