コーヒー豆自家焙煎を始めるのに必要な費用 | 生業商売の場合
1990年代の始め頃、30年くらい前の話です。
柴田書店という出版社から月刊で発行されていた、「喫茶店経営」という雑誌の自家焙煎店特集号の巻頭言で、『将来、確実にコーヒー豆の家庭用需要が増加すると思うが、その3割を、街の自家焙煎店で供給することができるだろうか』という予言が掲載されていたのを記憶しています。2020年の現在、その予言は的中しています。
当時、コーヒーは喫茶店で飲むのが一般的だったわけですが、家庭やオフィスでコーヒーを飲む習慣が、まさに始まろうとしていました。
年老いた珈琲豆焙煎屋の店は、その頃にコーヒー豆の自家焙煎を開始して、家庭やオフィスをターゲットとする焙煎コーヒー豆小売商売で、一時的な繁盛を手にしたこともありのす。
あの頃、焙煎コーヒー豆の家庭用需要は未開拓の市場でしたから、零細生業パパママ商売を営む自家焙煎コーヒー豆小売専門店が、その手付かずの市場で、ある程度のシェアを占めることができたと考えています。
1990年代後半から、焙煎コーヒー豆の家庭用需要やオフィス用需要の市場で、大手・中堅ロースターの大攻勢が始まります。
零細パパママ経営のコーヒー豆自家焙煎店が開拓した焙煎コーヒー豆の家庭用需要やオフィス用需要というプランクトンを食べに、大手・中堅コーヒー会社というクジラがやって来たわけです。
年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が、2人だけで細々と営んでいた自家焙煎コーヒー豆小売専門店は、大手・中堅コーヒー会社、それに中規模のコーヒー会社と同じ土俵で商売を営んでいたので、なす術も無く、試行錯誤しながら手探りで開拓した焙煎コーヒー豆の家庭・オフィス市場から追い出されてしまいました。
アメリカやヨーロッパでは、焙煎コーヒー豆需要の7割が家庭用需要だと考えられています。
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