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地方の中核都市に立地する、とあるコーヒー豆自家焙煎店30年の大雑把な軌跡

年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦は、パパママ営業で店は小さな窓型軒先店舗ですが、エカワ珈琲店という屋号の自家焙煎コーヒー豆小売専門店を営んでいます。 

平成と年号が変わった年の8月に喫茶店から自家焙煎コーヒー豆小売専門店に商売替えしてから、もう彼此30年以上の年月が経過しています。

30年とちょっと前(1989年)に零細生業商売でスタートして、30年以上経過している現在(2020年12月)も零細生業商売を続けています。

自家焙煎コーヒー豆小売専門店の始まりは、家庭とオフィスへの配達から

最初の10年間くらい、毎日、午前中にコーヒー豆を自家焙煎して、午後から自家焙煎したコーヒー豆を配達するという商売を続けていました。

午後7時頃に閉店して、それから夫婦で隣の町まで1時間くらい費やして自家焙煎コーヒー豆を宅配して、その帰り道で食事を済ませて帰って来ることも度々でした。

昭和のコーヒー好きの人たちは、一度に大量の焙煎したコーヒー豆を購入してくれる傾向があったので、一度の注文で数千円くらいの自家焙煎コーヒー豆を配達していました。その代わり、注文をもらったその日か翌日に配達していたわけですが。

昭和の頃、家庭で楽しむ目的で、焙煎コーヒー豆をできるだけ安く購入するには、喫茶店などに焙煎コーヒー豆を卸しているロースターと呼ばれていた焙煎事業者から、ある程度の量の焙煎コーヒー豆を購入するしか方法がありません。それが、自家焙煎コーヒー豆配達商売が成り立つ土台になったような気がします。

焙煎コーヒー豆業務卸専門のロースターが、家庭・オフィスに焙煎コーヒー豆を配達するのは、喫茶店・飲食店へのルート配達ついでのオマケ商売でしたが、自家焙煎コーヒー豆小売店の場合は、それが商売の糧だったわけです。

ということで、1990年代の自家焙煎コーヒー豆小売商売の基本は、自家焙煎コーヒー豆を家庭や職場に配達することでした。これは、年老いた珈琲豆焙煎屋の店に限った事ではありません。

年老いた珈琲豆焙煎屋は、繁盛している自家焙煎コーヒー豆小売店の物真似商売をしていたわけですから。

自家焙煎コーヒー豆の配達先は

自家焙煎コーヒー豆小売専門店開業から10年間くらいは、ほぼ配達専門で自家焙煎コーヒー豆を売り歩く珈琲豆焙煎屋でした。

自家焙煎コーヒー豆の配達先ですが、そのお客さんはどこからやって来たのかと考えてみると、自家焙煎コーヒー豆小売店が新たに開拓したお客さんもありましたが、大量に自家焙煎コーヒー豆を買ってくれるお客さんの大半は、焙煎コーヒー豆業務卸を専門とする焙煎会社(ロースター)からの乗り換えだったような気がします。

ルート配達のついでに焙煎コーヒー豆を配達するロースターで購入するよりも、焙煎コーヒー豆の小売配達を専門としている自家焙煎コーヒー豆小売専門店で購入する方が、価格は同じくらいでしたから、心地よく購入できたのだと思います。

自家焙煎コーヒー豆小売店の場合、それほど大量の自家焙煎コーヒー豆を買ってくれなくても、自家焙煎コーヒー豆を家庭やオフィスに配達していたわけですから。

2000年頃までの年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦の店ですが、自家焙煎コーヒー豆の主たる配達先は学校や役所や民間のオフィスで、それ以外に、家庭や飲食店へも自家焙煎コーヒー豆を配達していて、それなりの収入を得ていました。

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