秘伝、コーヒーの風味を苦味でコントロールする焙煎プロファイル

一杯のコーヒーは、甘味を持つ成分、酸味を持つ成分、苦味を持つ成分、渋味を持つ成分、ほとんど味を持たない成分、味の曖昧な成分と、無数の成分から成り立っています。そして、それらの無数の成分が混ざりあった味として存在しているのが、一杯のコーヒーの風味だと考えています。

酸味を強調するタイプのコーヒーもあれば、苦味を強調するタイプのコーヒーもあります。はっきりした風味のコーヒーもあれば、曖昧な風味のコーヒーもあります。そして、コーヒーのそれらの味(風味)を適度な強さに調整・制御するのが、コーヒー豆焙煎の醍醐味だとエカワ珈琲店は考えています。

全ての味が強ければ、それぞれの味がお互いにマスクされてしまって、わけのわからない味(風味)のコーヒーが出来上がります。それを防ぐのが、コーヒー豆焙煎の技術だと考えています。

エカワ珈琲店は、コーヒーの味(風味)を適度な強さに調整・制御した焙煎コーヒー豆を生産する手段として、コーヒー豆焙煎中に生成する苦味成分を利用しているつもりです。

エカワ珈琲店は、あまりにも酸味を強調するタイプのコーヒーは苦手です。ですから、焙煎工程中に発生する化学反応を利用して、焙煎コーヒー豆に含まれている酸味成分を苦味成分で覆い隠すという焙煎制御手法を採用して、フルーティーで切れの良い酸味と心地良いほろ苦さが感じられるコーヒーを淹れるための焙煎コーヒー豆を焙煎加工しているつもりです。

コーヒーの苦味成分(苦味物質/苦味化合物)として、カフェインやトリゴネリンなどのアルカロイド、クロロゲン酸類、クロロゲン酸ラクトン類、ビニルカテコールオリゴマー(フェニルインダン類)、ジケトピペラジン類、コーヒーメラノイジンなどが知られています。

ひと昔前くらいまで(2000年代の後半頃まで)は、コーヒーの苦味を構成する成分に関する情報が不足していて、コーヒーの苦味の全体像を把握することが出来なかったわけです。

近年(2000年代の後半以降)、コーヒーの苦味を構成する主要な成分は、クロロゲン酸ラクトン類とビニルカテコールオリゴマー(苦味フェニルインダン)とそれらの混合物だとする考え方が登場して来て、コーヒーの苦味の全体像を大体把握できるようになって、コーヒーの味(風味)を適度な強さに調整・制御する手段としてコーヒーの苦味成分を利用できるようになりました。

ということで、エカワ珈琲店は、クロロゲン酸ラクトン類とビニルカテコールオリゴマー(苦味フェニルインダン)とこれらの混合物の苦味を利用することで、コーヒー豆焙煎工程を通じてコーヒーの味(風味)を適度な強さに調整・制御するという焙煎手法を採用して焙煎コーヒー豆を生産しているつもりです。

(1)ドラム式小型業務用コーヒー豆焙煎機

コーヒー豆焙煎中に生成するコーヒーの苦味成分を利用してコーヒーの味(風味)を適度な強さに調整・制御するには、ドラム式の小型業務用コーヒー豆焙煎機が適していると考えています。

ドラム式の小型業務用コーヒー豆焙煎機は、コーヒー生豆を焙煎機ドラムの中に投入して、このドラム附属の攪拌羽を回転させることで投入したコーヒー生豆を混ぜながら、焙煎機ドラムの外側からガスバーナーで加熱して行くタイプのコーヒー豆焙煎機です。

焙煎機ドラム内の雰囲気温度(普通は空気の温度)やコーヒー豆が吸収する熱量、それに加熱時間を手動で調整・制御するのに、ドラム式の小型業務用コーヒー豆焙煎機が一番適していると考えているわけです。(思い込みかもしれませんが・・・)

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10何本かのコーヒー豆焙煎に関する記事(合計字数で約10万字を目標に)を、1つのマガジンに集められれば完成にするつもりです。

年老いた珈琲豆焙煎屋の独断と偏見によるコーヒー豆焙煎体験の覚書

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