絵本が出来るまで part 2
去年の年末から作り始めた絵本「くまのこ3きょうだい」
当初の予定では5月という事だったんですが、コロナの影響で発売延期になっていました。
しかしようやく動き出したので、これまでの制作の流れをnoteに書きたいと思います。
2018年に「1冊の絵本が出来るまで」をnoteに書いたんですが、その第二弾って感じの記事です。
始まりは2018年。OPAgalleryで開催した個展「PICNIC」からスタートしました。
その展覧会では3匹の子グマと母グマのアニメーションを制作した展覧会でした。
展覧会を開催するまでの様子もnoteにまとめていたりしますw
→コチラ
手描きで一枚一枚パラパラ漫画のように絵の具で描いてgifアニメを作りました。
その展覧会に今回「くまのこ3きょうだい」を出版する出版社の担当編集のKさんと文章を書いてくださった中川ひろたかさんが見に来てくれました。
会場をぐるりと回ったあと「この子たちとってもいいね〜。絵本にしようよ。僕が文章書いてもいいかな?」と中川ひろたかさんからおっしゃってくれました。(中川ひろたかさんは、300冊以上の絵本を手がけてきた絵本作家の大先輩)
その時は、「いいですね〜!ぜひうちの出版社から出してくださいね〜」と編集のKさんも冗談交じりに言っていたのですが、それが2年後の今年実現する事になりました。
去年の年末に文章を頂いて。今年の頭からダミー(絵本の下書きのようなもの)を書き始めて、少しづつ世界観を作っていきます。
最初のダミーはこんな感じ↓
扉をどんな風にしようか迷ったのか2パターン描いてますね。
展覧会でくまの3きょうだいのアニメを作っていたのでキャラクターのイメージは出来上がっていたので、ダミーでくまのこが暮らす森のイメージを膨らませていきました。
このダミーを担当編集のKさんとひろたかさんに見てもらって
お二人の話を聞いて練っていきます。
もう1度描き直したものがこちら↓
これはサイズも完成の絵本と同じサイズで制作して、背景の細かい部分まで描き込んでいます。
この後も、またお二人の意見を聴きながら何度か修正をしました。
3人で同じ世界を共有していく感覚です。
担当編集のKさんが文字を入れたものを作ってくれて
さらに完成のイメージを作っていきます。
ここまで進んだ頃、表紙のラフも同時に考えていきました。
最初に考えた表紙のラフ↓
この時にはまだタイトルも正式に決まっていなかったので、仮タイトルを入れて考えました。
こっちが裏表紙↓
この表紙ラフを見て編集のKさんから
「シンプルなのはいいと思うのですが
タイトル周りが少し寂しいので罫線のような飾りをつけてはどうでしょうか?」という意見をもらって修正したものがこちら↓
楽しい雰囲気が出てきました◎
表紙はこの方向でいく事に決定。
そして中面も何度か修正を繰り返していよいよ最終ラフも固まりました。
いつもなら最終ラフはカラーにするんですが、アニメを作った時にカラーの原画を描いていたので、そのイメージで着彩するのでそこは今回省きました。
アニメの時に描いた絵はこちら↓
このイメージを元にして着彩を進めていきました。
その時の様子はツイッターで投稿してました。
1日に2~3見開きのペースで仕上げていきました。
ラフを考えるのは世界観を作る必要があるのである程度時間がかかりますが
イメージが固まった後に仕上げていくのは、結構早いペースで進んでいきます。
今回の絵本はコラージュという手法を使っているのですが(下のツイートを見るとどんな感じか少し伝わると思います)
1日に2~3見開きを仕上げるペースで描いていきました。
いま確認したら原画の仕上げをスタートしたのが3月2日で最後のページが完成したのが3月8日。約1週間で仕上がったようですね。
自分でもこんなに早く仕上がるとは思っていませんでした(*^^*)
アニメを作っていたので早く出来たんだと思います。
そして先日出版準備が始まって初稿の色校を確認してきました。
今日は第二校を確認してきたので、その様子もツイッターにあげました。
この絵本は7月の頭には出版出来ると思います!
Amazonでも予約は始まっているようです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
またこうして絵本やイラストの仕事の制作の様子を記事にしていきたいと思っています。
僕の場合は、絵本もそうですが、イラストの仕事も展覧会を見てもらった事がきっかけで実現する事が多いです。
今はwebで気軽に見てもらえますが、実際に見てもらう大切さをしみじみと感じるな〜
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