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エミレーツ航空・運命の出会い(インド帝国その5)

きゅうごままです。2021年も明けて早2日。ここからが早いですよ!時間の流れが。元旦を過ぎて気づいたら6日になっていて、『あ、新学期!』ってことでバタバタしたら、成人式が来て”毎年恒例のやんちゃ騒ぎのニュースがさまざまなメディアで流れ、次に正月飾りを外して”どんと焼き”の小正月にあり小豆粥を食べて(実家はお汁粉でした)、そこから節分まで一気に時間が加速して、『えっ!もう2月なんだ~!』という反応を毎年繰り返している気がします。でも、この繰り返しが平穏無事で回っていること感謝しつつ1年が回りはじめます。

さて、前回の続きですが、『インド帝国』のサブタイトルですが、黒装束でライトセイバーを振りかざすダースベーダーが登場しそうな感じがしますが、ここで搭乗するのは、Tシャツに腰巻、サンダル姿で(いや履いていない方もいました)、異常に重たい黒のアタッシュケースを持っていくるインド人おっちゃん軍団でしょうか。『EK502』このフライトは古巣エミレーツ航空では、ままが在籍していた時代1994年から2006年まででは、社内でもぶっちぎりのSDF=Super Demanding Flightと公式(?!)に認められ、お客の要求が半端なく多く、しかも大半が酔っ払い事象でそれに対応しなければならい、いわゆるめんどくさいフライトでした。この502乗客達は正真正銘のSDP=Supper Demanding Passengersの面々です。サンダル(ビーサンが多かった)を履いてと言いましたが、素足で搭乗するという身軽な乗客が多いことに最初衝撃を受けました。『裸足でも飛行機に乗れるんだ?!』という事実を知ったことは軽いジャブ!を受けたみたいなもです。ただ、手に持っている年季が入った黒のアッシュケースは軽くはありませんでした。機内で手荷物収納の棚=ハットラックと古巣では呼んでいましたが、ここを整理をするのはクルーの仕事でしたので、その黒アッシュケースがハットラックをきれいに埋めつくすのですが、スペースに限りがあり、うまく整理しないと収まりきれませんので、この謎に重いアッシュケースと格闘するわけです。これ本当に重くて、金塊の密輸じゃないかと疑うくらでした。ただ、ギャングにしては、身なりが軽装かつ単純すぎる人柄の方が多かったのですね。

502は毎回満席ですので、エコノミークラスどこに座ってもらってもOKな感じですが、安全上の理由や特別機内食のオーダー確認があり、そうもいきません。裸足、ビーサンで乗ってくるおっちゃん達を笑顔でお迎えして、怪しげな手荷物をハットラックにテトリスゲームのごとく全部収納し、どうせみんなオーダーをしてなくても後で『くれ!』と要求してくるだろう特別機内食のべジテリアンミールを一応オーダーをされた方々に注文の確認を取り、5種類の新聞を配り、ヘッドセットを配り、デオドランドとお湯でホットタオル(おしぼり)を作りって配り、手垢、顔垢で真っ黒になったそのタオルを回収し、『パナドール(万能痛み止め)をくれ』『プレイカードを土産にくれ』『ぬいぐるみのおもちゃをくれ』『水をくれ』もうSDPからのディマンドの嵐です。エコノミークラスの一番前の席に座っているおっちゃんなんて、立ち上がって後ろのギャレーにいるままを呼んでいましたから、しかも反対側の通路で。このように騒がしいフライトがデビューであったままですが、実はこのデビューフライトのことをよく覚えていません。なぜなら忙しすぎたから。唯一覚えているのが、セミ・バッジメイト(1期前に卒業した仲間)のオーストラリア人のアンドレアが1つのミールカートを前後のポジションで配膳する際に、『3列は間を取りながら配りなさいよ、トレーニング通り一列づうづなんてやってたら日が暮れるわよ!』という言葉と、ウィスキーをおかわりする乗客から、『Walking Johnny!』!と何度も言われて、『ジョニーというクルーはいません!』と『ジョニーウォーカー』の英語を間違えて頼んでいたことにもまじめに答えたという出来事ぐらいです。行き帰りのフライトが終了し、オフィスで仲間と『バイバイ~!』と別れた後に『あ、フライトをしていたんだ?!』と我に返りました。ちなみにこのフライトではウィスキーのミニチュアボトル(レッドレーベル)はバックアップのバーカートやコンテナからすべてなくなります。50mlのミニチュアがざっくり200本=10リットルのウィスキーが消費され、ビールやワインにまで消費が拡大するためバーカートはドバイに戻る頃にはかなり軽くなます。それと同じくらい人気がペプシですので、これも準備万端で搭載しておかなければなりません。

このようにEK502にアサインされるといことは、6~7時間ジムに行くようなものですね。インドのおちゃん達は確かにディマンディングでしたが、”行間を読む”とか”空気を読む”といった複雑なものはなかったでので、ストレートな付き合い(対応の間違え)ができるので、ままはこの502は決して嫌いではありませんでした。おかげでよくこのフライトにアサインされました。

まだ、インド話はエピソードが沢山ありますので、ちょこちょことお話していきます。




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