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■ 其の170 ■ 新入社員の方へ

入社から十日ほど経ちました。新しい激変環境のもとで上手くやっていけそうですか。
学生から社会人へ 、親元からひとり暮らしへ、地方から都市部へ。なかにはこれら全てを一度に経験する人もいるでしょう。
同期という仲間で、横一線に並んでいるはずなのに、すでに差を感じている人もいるかもしれません。社会に出れば実力だと言いながらも気になる学歴。大学院卒の別格な感じ。入社式で代表挨拶をした人の特別感。自分にはない資格やスキルを持っている人の存在。あきらかにイケてる雰囲気の同性の存在。配属先の格みたいなもの。それで気分が落ちている人がいるかもしれません。
無理もありません。だってこれまで、意識・無意識に、格付け、カースト、格差などを意識し続けて20年近く生きてきたわけですから。その癖は抜けませんよね。
でも、だとしたら、今回はいい機会です。
自分の頭の中を「相対」から「絶対」に移行できるチャンスだと思います。
自分の持ち場で、やれることをやり切る! それに徹することです。
仕事に哲学や魂がこもっていれば「生き様」になります。狭い扉をこじあける体験は一生の財産になります。他人が見ているかや、評価されているか等は些細なことになります。
この際、仕事を通して「絶対」の生き方を身に付けていきましょう。
先日NHKで、阪神タイガースの近本選手に密着した番組を見ました。あそこまで徹底して絶対的な取り組みをすれば、あれだけの選手になるのは当然だと思いました。近本選手はドラフト1位入団ですが、たとえ育成枠だったとしても同じくらい成功していたと思いました。
周囲や評価を気にするのではなく、「絶対」という軸を持って仕事している社員は貴重な存在です。営業のエースや技術の中核を担う人材はヘッドハンティングできるかもしれません。でも絶対的な生き方をしている社員はお金を積んでも得られるとは限らないからです。会社は人間の集合体です。ひとりの人物の姿勢・振る舞い・存在が、周囲の人達に波及して組織の有り様を変えることだってあります。クラブ活動で、試合に出ていない控え選手が強豪チームの精神的支柱になっている例があるのと同じです。会社の業績が芳しくないとか、不祥事など不測の事態が起きて社内がぐらつきそうになった時、組織内に本気で誠実な働き方をしている社員がどれだけいるかが問われます。いま小林製薬はどうなのでしょう。
社会人というステージは、「相対」から自分を解放し、「絶対」の自分を確立するチャンスだと思ってみてはどうでしょう。


また悩んだり、気持ちがすぐれない時は、
自分が「生き物」として不健全になっていないか?と疑ってみましょう。
仕事なので仕方ありませんが、
そもそもビルの中に一日中居たり、液晶画面を何時間も見たり、固定されたメンバーの関係性に縛られたりなど、生き物として無理がありますよね。
メンタルが傷つかないように、上手くリセットしましょう。
温泉や銭湯に行くのを習慣にするのもいいと思います。■ 其の165 ■に書いています。
あとは自然に触れることです。頭の中で、人間関係の比重が大きくなり過ぎないようにしましょう。都会では難しいという人は、空を見上げて毎日パシャッと一枚撮り続けるだけでも良いかもしれません。
「人間関係」や「人工物」に浸かりすぎていたら、自分を解放させてあげましょう。


最後、お金について三つほど。

給料30万円の社員が100人いる会社があったら、
給料日に自分の口座に30万円振り込まれるのが、社員。
給料日に会社の口座に3000万円の残高を用意しておくのが、経営者。
経営者の立場と視点も想像しながら、仕事をしてお金を稼ぎましょう。

自分が自由に使えるお金〔家賃、光熱費、携帯代、食費、保険、積立‥などの必要な費用を引いたあとのお金〕について。
「何に使うか」や「無駄遣いをしない」だけでなく、自分が渡したお金が「誰へ、どこへ流れていくか」を意識することです。          これからは、一か月で万単位のお金を自分の裁量で使っていくわけです。
損得だけではなく、世の中のどこへお金が渡っていくかまで想像できれば、後悔することも、騙されることもないでしょう。

また72の法則を知っておくと良いです。
これは、金利「△△パーセント」を実感する方法です。72を△△で割った数が、借りた(貸した)お金が二倍に増えるまでの目安の年数です。
金利3%は、72÷3=24 ⇒ 24年で二倍に。
金利8%は、72÷8=9 ⇒ 9年で二倍に。
金利18%なら、72÷18=4 ⇒ 4年で二倍に。消費者金融レベルです。
100万円が半年後に150万円になるというウマい話があったら、それは金利が半年で50%という違法闇レベルの話です。


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