公共ってなんだろう
うちの町には「ほっとゆだ駅」という変わった名前の駅がある。
駅の隣には温泉があり、浴室に設置されている信号機で列車の時刻を知らせるというユニークな温泉だ。
ほっとゆだ駅
自分の家にはお風呂が無いから、月額3600円入り放題でいつも愛用させてもらっている。※秋から金額が上がる模様。
温泉がある「ほっとゆだ」は町の第三セクターが管理運営している。
いつも愛用させてもらっている馴染み深い温泉だが、先日ちょっとした注意を受けた。
今現在、ネビラキという団体で西和賀を舞台にしたエコツアーを企画しているのだが、このチラシを「ほっとゆだ」置かさせてもらっていたら、つい最近、西和賀産業公社(以下公社)から連絡があり、「公共施設だから営利目的の広告を置くのは認められない。置くのならば町の許可が必要だ」と言われた。
ツアーの詳細はこちら https://www.nebiraki.world/blank
ちょっとまってよ、春のカヌーのチラシを置かさせてもらったときは何も言われなかったし、今回のチラシを置かさせてくださいと頼みに行ったときも、快く受けてくれたじゃないですか。なんなら拡大コピーして貼っておくよ!とまで言っていただいて感謝していた。
公社側からすると、ほっとゆだは公共の施設だから、営利目的のチラシを置くことは認められない、認めてしまえば個人商店や旅館、他の事業者の広告を置いていいことになってしまうから、あなたたちの団体だけ“えこひいき”はできないというわけだ。
なるほど、なっとく。確かに理屈で言えばそうだろう。決まっているものに例外を出してしまえば、コンプライアンス違反になって訴えられることもあるのかもしれない。
電話が公社から来てモヤモヤしたのですぐに町長に連絡をして、指摘を受けた旨を伝えた。そしたら、「チラシを確認し、協議をした上で再度連絡します」という回答をいただいた。
なんとなく、流れもわかるし、誰かが正義感をもってして指摘してくれたのかもしれない。それもなんとなくわかるけど、この町が何で売っていくかをわかっているはずの公社がチラシを貼っていいかどうかの判断ができないことが少し歪んでいると感じた。
公共ってなんだろう。「ほっとゆだ」は地元の人だけでなく、町外にも根強いファンがいて温泉の利用もよくある場所だ。
ただでさえも人口がどんどん減って、財政が厳しいと言っている最中、公共だ民間だなんて言っている場合なのだろうか。実際、春にカヌーのチラシを別な公社運営の温泉施設に置かさせてもらった際、そこから見てきたというお客さんが何名かいた。つまり、西和賀がどんな町なのかを観光客が知るきっかけとしての役割が温泉施設(公共の施設)にはあるというのに、それを営利目的の広告は認めないという理由で機会損失をしているわけだ。
これが、西和賀にまったく関係ない営利目的な広告だったらわかる。しかし、我々がやろうとしていることは、西和賀でまだ日の目を浴びてない知らせざるスポットに光を当て、そこの良さを丁寧に伝えることだ。先日新聞にも載った。
営利目的の広告は認めないと言わないで、むしろ置いてもいいから月額いくらで払ってねというふうにしたらどうだろう?
これなら公社も収入になるし、ほっとゆだも個性を出せるようになるのではないだろうか。
温泉の管理費がやばいと前回の町政懇談会では話題になっていたが、知恵を絞れば、いくらでもお金を集める仕組みはできるはずだ。
お上の言うことは絶対だなんて言っていたら、西和賀のようなところはいつまでも振り回され、誰も自分の頭で考えず、そのまま衰退していくだけだ。
このまま行き着くとこまで行くならそれもいい。
だけど、本当にここで生きていきたいという若者の意見まで無視しないでほしい。
zen
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