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【Wine ワイン】Bottega White Gold NV

【Wine ワイン】Bottega White Gold NV

イタリアの地ブドウに特化したゴールドシリーズの内のひとつWhite Goldは卓越した品質のOltrepò PaveseのPinot Nero100%


https://a.r10.to/hwrZDN

■Producer (生産者)
Bottega

■Country / Region (生産国 / 地域)
Oltrepò Pavese / Lombardia / Italy

■Variety (葡萄品種)
Pinot Nero 100%

■Pairing (ペアリング)

[前菜]
Salame Milano サラーメ・ミラーノ(ミラノ風サラミ)
Bresaola ブレザオラ(ヴァルテッリーナの名産の牛肉の生ハム)

[パスタリゾット]
Risotto alla Milanese リゾット・アッラ・ミラネーゼ(サフラン風味のリゾット)
Minestrone ミネストローネ(野菜のスープ)
Tortelli di Zucca トルテッリ・ディ・ズッカ(マントヴァ県のカボチャのトルテッリ)

[肉料理]
Cotoletta alla Milanese コトレッタ・アッラ・ミネーゼ(ミラノ風仔牛のカツレツ)
Ossobuco オッソブーコ(仔牛すね肉の輪切りの煮込み)
Busecca ブセッカ(仔牛の胃袋、インゲン豆、トマトの煮込み)
Cassoeula カッソエウラ(豚肉や豚の頭と縮緬キャベツの煮込み)

[チーズ]
Quartirolo Lombardo クアルティローロ・ロンバルド(D.O.P.、牛乳、ソフト、フレッシュとウオッシュタイプがある)
Bitto ビット(D.O.P.、牛乳、加熱圧搾、夏期放牧限定で生産)
Provolone Valpadana プロヴォローネ・ヴァル・パダーナ(D.O.P.、牛乳、パスタフィラータ、ロンバルディア州を中心にパダーノ平野部が産地)
Grana Padano グラナ・パダーノ(D.O.P.、牛乳、加熱圧搾、ロンバルディア州を中心にイタリア北部が産地)


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■Lombardia ロンバルディア州

■プロフィール
イタリアの北西部に位置するロンバルディア州は、北はスイスと国境を接し、西はピエモンテ州、東はトレンティーノ・アルト・アディジェ州、ヴェネト州、南はエミリア・ロマーニャ州に接している。イタリアで最も豊かな州で、国民総生産の4分の1を生み出している。工業、金融、商業の中心地ミラノは、ファッションの都でもあり、多くの外国人観光客が訪れる。ワイン生産地としては、厳格な「山のワイン」産地のヴァルテッリーナ、高級スパークリング産地のフランチャコルタ、ミラノに大量にワインを供給してきたオルトレポ・パヴェーゼの3つが中心となる。山岳地帯、丘陵地帯、平野部と変化に富んだ州らしく、ワインのタイプも多く、その個性も様々である。

■歴史
古代ローマ時代にすでにミラノは重要な都市として栄えていた。ゲルマン大移動でイタリア半島にやってきて、パヴィアを首都に王国を築いたランゴバルド族が、この州の名前の由来となっている。中世からルネッサンス期にかけてはマントヴァのゴンツァーガ、ミラノのヴィスコンティ、スフォルツァなどの有名な貴族が都市を支配した。その後、フランス、スペイン、オーストリアなど外国支配の時代が続いたが、ロンバルディアはイタリア統一運動の中心となり、イタリア王国成立に貢献した。第2次世界大戦後は「奇跡の経済成長」の中心都市としてイタリア経済を引っ張り、南部から多くの国内移民が流入した。現在イタリアで最も人口の多い州で、1,000万人近い。

■文化
ルネッサンス期から豊かな文化が花開いていたが、その後フランス、スペイン、オーストリアの影響を受けることにより、さらに洗練された文化が根付くようになった。イタリアでは珍しくサロン文化のあるところで、社交界も華やかであった。レオナルド・ダヴィンチの最後の晩餐のフレスコ画があるのもミラノで、ブレーラ美術館も有名だ。スカラ座はイタリア・オペラの殿堂で、毎年12月7日に行われるオープニング公演には、各界の名士が着飾って駆け付ける。ミラノはジャーナリズムや出版の重要な中心でもある。

■経済
商業、金融、重工業、軽工業、ファッション、食品、薬品などロンバルディアにはあらゆる産業が集まっている。優れた経営者を数多く輩出したミラノのポッコーニ大学はエリート養成校である。観光は最も重要な産業ではないが、やはりミラノやコモ湖は人気があり、観光客の数ではイタリアのトップ5に入っている。

■気候風土
ロンバルディアは面積23,862㎢でイタリアで4番目に大きな州だ。山岳地帯が40.5%、平野が47.1%で、丘陵地帯は12.4%と少ない。北に連なるアプルスの南には、プレ・アルプス地帯があり、そこには多くの湖が並んでいる。湖の南には、氷河が運んだ氷堆石により形成された丘陵地帯があり、ブドウ栽培が盛んである。さらにその南には広大なポー平野が広がっている。イタリア最大のガルダ湖、マッジョーレ湖、コモ湖、イゼオ湖など数多く存在する湖は、風光明婿な観光地、保養地であるだけなく、独自の微気候をつくりだしていて、ブドウ栽培に適している。河川も多く、ポー、アッダ、ティチーノ、オリオ、ミンチョなど全てポー河に流れ込んでいる。イタリアには珍しく水の豊かな州である。基本的には大陸性気候だが、北はアルプス気候だ。大きな湖の周りは温暖な地中海性気候で、オリーヴや柑橘類も栽培されている。ブドウが栽培されている丘陵地帯では、プレアルプスから冷たい風が吹き、昼夜の温度差をつくり、アロマの形成に非常に重要である。ポー平野は、夏は非常に暑く湿度が高い上に、風がほとんどなく非常に過ごしにくい。ここではブドウ栽培はほとんど行われていない。

■ワイン生産量ワイン
生産量1,488,331hℓ(2018年)、ブドウ栽培面積21,583ha(2018年)。赤ワイン51%、白ワイン49%とほぼ半々である。

■主要ブドウ品種

[白ブドウ]
Chardonnay シャルドネ
フランチャコルタ、オルトレポ・パヴェーゼで瓶内二次発酵スパークリングワインに使われる。スティルでも興味深いものが生まれる。

Pinot Bianco ピノ・ビアンコ
フラワリーなアロマを持つ、優美な白ワインを生む。フランチャコルタにも使用される。

Pinot Grigio ピノ・グリージョ
果皮は薄い紫がかった灰色。白醸造するとフルーティーで、ボディのしっかりとした白ワインとなり、世界的成功を収めている。


[黒ブドウ]
Chiavennasca キアヴェンナスカ
ヴァルテッリーナでのNebbiolo ネッビオーロの地元名。

Pinot Nero ピノ・ネーロ
オルトレポ・パヴェーゼでスパークリングワインでもスティルワインでも優れたワインを生む。フランチャコルタにも使用される。

Barbera バルベーラ
ピエモンテの黒ブドウだがロンバルディアでも幅広く栽培されている。

Croatinaクロアティーナ
オルトレポ・パヴェーゼの典型的黒ブドウ。ピエモンテやヴェネトでも栽培されている。色が濃く、果実味豊で、タンニンのしっかりした、比較的早飲みのワインを生む。バルベーラとブレンドされることも多い。弱発泡性のワインとしても造られる。

Moscato di Scanzo モスカート・ディ・スカンツォ
ロンバルディア州スカンツォロシャーテ村だけで栽培されているモスカートの一種で黒ブドウ。陰干しをして甘ロワインが造られる。

■地方料理と食材

[前菜]
Salame Milano サラーメ・ミラーノ(ミラノ風サラミ)
Bresaola ブレザオラ(ヴァルテッリーナの名産の牛肉の生ハム)

[パスタリゾット]
Risotto alla Milanese リゾット・アッラ・ミラネーゼ(サフラン風味のリゾット)
Minestrone ミネストローネ(野菜のスープ)
Tortelli di Zucca トルテッリ・ディ・ズッカ(マントヴァ県のカボチャのトルテッリ)

[肉料理]
Cotoletta alla Milanese コトレッタ・アッラ・ミネーゼ(ミラノ風仔牛のカツレツ)
Ossobuco オッソブーコ(仔牛すね肉の輪切りの煮込み)
Busecca ブセッカ(仔牛の胃袋、インゲン豆、トマトの煮込み)
Cassoeula カッソエウラ(豚肉や豚の頭と縮緬キャベツの煮込み)

[その他]
Panettone パネットーネ(クリスマスの焼き菓子)

[チーズ]
Gorgonzola ゴルゴンゾーラ(D.O.P.、牛乳、青カビ、優しい風味のドルチェとピリッとした風味のピッカンテの2タイプがある)
Taleggio タレッジョ(D.O.P.、牛乳、ウォッシュ、タレッジョ渓谷が名前の由来)
Quartirolo Lombardo クアルティローロ・ロンバルド(D.O.P.、牛乳、ソフト、フレッシュとウオッシュタイプがある)
Salva Cremasuco サルヴァ・タレマスコ(D.O.P.、牛乳、ウォッシュ)
Bitto ビット(D.O.P.、牛乳、加熱圧搾、夏期放牧限定で生産)
Provolone Valpadana プロヴォローネ・ヴァル・パダーナ(D.O.P.、牛乳、パスタフィラータ、ロンバルディア州を中心にパダーノ平野部が産地)
Grana Padano グラナ・パダーノ(D.O.P.、牛乳、加熱圧搾、ロンバルディア州を中心にイタリア北部が産地)


■Sondrio ソンドリオ県

■土壌
花崗岩が細かくなった砂、砂利が主体で水はけが良い。

■気候
アルプスに近く比較的冷涼な気候だが、アルプスが北からの冷たい風を防ぐので寒くなりすぎることはない。昼夜の温度差が激しい。

■主要ブドウ品種

[黒ブドウ]
Chavennasca キアヴェンナスカ(Nebbiolo ネッビオーロ)

■主要なD.O.P.(D.O.C.G.)ワイン
Sforzato di Valtellina スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナ
ブドウを陰干して造られるが、濃厚になりすぎることはなく、「山のワイン」ならではのフレッシュさを保持する。

Valtellina Superiore ヴァルテッリーナ・スペリオーレ
ワンランク上のヴァルテッリーナで品格のある複雑なワイン。

■主要なD.O.P.(D.O.C.)ワイン
Valtellina Valtellina ヴァルテッリーナ
スイス国境に近いソンドリオ県ヴァルテッリーナでは、山の急傾斜にブドウ畑が張り付き、非常に困難な条件と闘いながらブドウ栽培が行われている。地元でキアヴェンナスカ・ヴァルテッリーナと呼ばれるネッビオーロで造られるValtellinaは、果実味は少なく、スパイス、なめし皮のトーンが中心となる厳格なワインであるが、非常にフレッシュで、陰影に富んでいて、複雑だ。


■Bresciaブレーシャ県、Bergamo ベルガモ県


■土壌
氷堆石土壌に粘土石灰土壌が混ざる。

■気候
ガルダ湖、イゼオ湖などの影響で温暖な気候。
 


■主要ブドウ品種

[白ブドウ]
Chardonnay シャルドネ
Pinot Bianco ピノ・ビアンコ
Turbiana トゥルビアーナ


[黒ブドウ]
Friulano フリウラーノ
Pinot Nero ピノ・ネーロ
Groppello グロッベッロ

■主要なD.O.P.(D.O.C.G)ワイン

Franciacorta フランチャコルタ
イゼオ湖の南に広がる氷堆石丘陵が産地の瓶内二次発酵スパークリングワイン。イゼオ湖が生み出す温暖な気候、イゼオ湖の北にあるプレ・アルプスのカモニカ谷からの冷涼な風が独自の微気候を形成していて、水はけのよい氷堆石土壌でシャルドネ、ピノ・ネーロ、ピノ・ビアンコは完壁に成熟する。瓶内二次発酵で造られるフランチャコルタは、誰もが好きになる喜ばしい果実味があり、純粋な味わいである。1961年に生まれた新しい産地であるにもかかわらず、イタリアのメトド・クラッシコ(瓶内二次発酵)のスパークリングワインの産地として確固たる地位を固めた。

Moscato di Scanzo モスカート・ディ・スカンツォ
黒ブドウのモスカート・ディ・スカンツォから造られる甘ロ赤ワイン。イチゴ、赤い果実に胡椒などのスパイシーなトーンが混ざるユニークな甘ロワイン。

■主要なD.O.P.(D.O.C.)ワイン

Lugana ルガーナ
ブレーシャ県からヴェネト州ヴェローナ県にまたがる呼称。ガルダ湖の南に広がる粘土質の土壌で造られ、しっかりとした酸と豊富なミネラル分を持つ白ワインだ。中心となる品種はトレッビアーノ・ディ・ルガーナ(地元名はトゥルビアーナ。トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェとも同じ)だ。


■Pavia パヴィア県

■土壌
粘土、泥土、粘土、泥灰土、砂、沖積土壌が複雑に混ざる。

■気候
比較的温暖で、昼夜の温度差がある。

■主要ブドウ品種

[白ブドウ]
Riesling リースリング

[黒ブドウ]
Barbera バルベーラ
Croatina クロアティーナ
Pinot Nero ピノ・ネーロ

■主要なD.O.P.(D.O.C.G.)ワイン
Oltrepò Pavese Metodo Classico オルトレポ・パヴェーゼ・メトド・クラッシコ
ピノ・ネーロを主体にした瓶内二次発酵スパークリングワイン。オルトレポ・パヴェーゼは昔から卓越した品質のピノ・ネーロで知られてきた。


■主要なD.O.P.(D.O.C.)ワイン

OltrepòPavese オルトレポ・パヴェーゼ
大産地オルトレポ・パヴェーゼはミラノに大量にテーブルワインを供給する必要から、昔は質より量の産地であったが、近年は収穫量を抑えて、品質の高いワインを造ろうとしている。白ではリースリング、赤ではバルベーラ、クロアティーナが中心であるが、これら以外にも様々な品種が栽培されている。

[ロンバルディア州主要D.O.P.(D.O.C.G.)一覧表] D.O.C.G./タイプ/品種/認定年/

Franciacorta フランチャコルタ
スプマンテ白/ロゼ
シャルドネ、ピノ・ネーロ、ピノ・ビアンコ
1995
イゼオ湖の南2〜400mの丘陵地でブドウ栽培がされ、瓶内二次発酵によって造られるスプマンテ。タイプはRosé ロゼ、Satèn サテン、millesimato ミッレジマート。ノーマルは瓶内熟成18カ月が義務付けられている(Rosé、Satènは24カ月、millesimatoは30カ月、Riservaは60カ月)。Pinot Biancoの使用は全体の50%まで。Satènは白のみでPinot Neroの使用が不可。RoséはPinot Neroを25%以上使用しなければならない。

Moscato di Scanzo / Scanzo モスカート・ディース・カンツォ / スカンツォ
赤甘口
モスカート・ディ・スカンツォ
2009
ベルガモにて同名の黒ブドウ品種を陰干しして造られる甘口の赤ワイン。14世紀の文献に登場する歴史の古いワインであるが、生産量は非常に少ない。陰干しをするため総体アルコール度は17%以上(既得は14%以上)。最低2年間の熟成期間を要する。D.O.P.ヴァルカレピオから独立して単独のD.O.C.G.に昇格した。

Oltrepò Pavese Metodo Classico オルトレポ・パヴェーゼ・メトド・クラッシコ
スプマンテ 白/ロゼ
ピノ・ネーロ主体
2007
ピノ・ネーロ主体、瓶内二次発酵にて造られる辛口スプマンテでD.O.P.オルトレポ・パヴェーゼから独立した。白2種類Oltrepò Pavese Metodo Classico(以下O.P.M.C。)、O.P.M.C.Pinot Nero、ロゼ2種類O.P.M.C.Rosè、O.P.M.C.Pinot Nero Rosèの計4タイプがある。最低15カ月の熟成期間を要し収穫年入りのmillesimatoは24カ月以上。O.P.M.C.Rosèにはガス圧の低いCremantタイプあり。

Sforzato delia Valtellina スフォルツァート・デッラ・ヴァルテッリーナ

キアヴェンナスカ(ネッビオーロ)主体
2003
3カ月程度陰干し(appassimento)されたブドウで造られる。最低熟成期間は20カ月でそのうち木樽熟成が12カ月必要。最低アルコール14%。Sforzatoとは「強化した」を意味する。すでに18世紀初頭には存在し薬酒として扱われていた。

Valtellina Superiore ヴァルテッリーナ・スペリオーレ
キアヴェンナスカ(ネッビオーロ)主体

1998
ミラノの北、スイス国境にも近いヴァルテッリーナ渓谷。南向きの急斜面に開かれた段状の畑で栽培されるネッビオーロ(この地方ではキアヴェンナスカ)主体に作られる。最低熟成期間は24カ月でそのうち12カ月は木樽熟成が義務付けられる。riservaは最低30カ月の熟成が必要。Maroggia マロッジァ、Sassella サッセッラ、Grumello グルメッロ、Inferno インフェルノ、Valgella ヴァルジェッラの5つのサブゾーン(sottozona)が指定されている。


[ロンバルディア主の主要D.O.P.]
Valtellina Superiore D.O.C.G.ヴァルテッリーナ・スペリオーレD.O.C.G.
Franciacorta D.O.C.G.フランチャコルタ D.O.C.G.
Garda Classico / Garda D.O.C.ガルダ・クラッシコ / ガルダ D.O.C.
Lugana D.O.C. ルガーナ D.O.C.
Oltrepò Pavese Metodo Classico D.O.C.G.オルトレポ・パヴェーゼ・メトド・クラッシコD.O.C.G
Oltrepò Pavese D.O.C.オルトレポ・パヴェーゼ D.O.C.
Curtefranca D.O.C. クルテフランカ D.O.C.
Valcalepio D.O.C. ヴァルカレピオ D.O.C.
Valtellina Rosso / Rosso di Valtellina D.O.C.ヴァルテッリーナー・ロッソ / ロッソ・ディ・ヴァルテッリーナ D.O.C.
Sforzato di Valtellina / Sfursat di Valtellina D.O.C.G. スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナ / スフルサット・ディ・ヴァルテッリーナ D.O.C.G.
Moscato di Scanzo / Scanzo D.O.C.G. モスカート・ディ・スカンツォ / スカンツォ D.O.C.G.


■Lombardiaの食とワイン

Lombardiaロンバルディア州国際空港ミラノ・マルペンサ空港に着陸する時に、座席の位置でこの州のイメージが全く変わる。北側にいれば、扉風のように北方の寒気を遮るアルプス山脈が迫ってくるし、南側にいればなだらかな平野が続くのが見えるからだ。6世紀にロンゴバルド族の侵入があったためロンバルディアと呼ばれるこの地は、このように地形がはっきりとしているので、食文化の分布もそれに倣うことになる。山岳地帯(40%)と丘陵地帯(12.5%)では、ジビエや寒冷地で採れる数少ない野菜が繰り返し使われ、湖水地方では淡水魚が食べられ、パダーノ平野(47%)では、米や野菜の栽培が盛んなだけではなく、生産量イタリアーの牛肉、豚肉、馬肉を使った料理が花開く。また平野部の食材は地元消費だけではなく、輸送がたやすいことから各地に売ることができ、結果豊かになるというサイクルが生まれた。忘れてならないのはミラノの存在である。同じ大都市でも、ローマはそこに向かって食材が集まるのに対して、ミラノは東西南北からの道が交わる中継地として、食材も文化もやってきては次の目的地に向かっていく。土地に縛られず世界に発信するリストランテが生まれる理由の一つでもある。


■ロンバルディアのブドウ品種

[キアヴェンナスカ]
ピエモンテ州、ヴァッレ・ダオスタ州、ロンバルディア州などで栽培される黒ブドウで公式名はネッビオーロ。“ "Ciu vinasca"(ワインに適したブドウ)からキアヴェンナス力(Chiavennasca)と呼ばれている。起源はアルバにあると言われ、13世紀の栽培記録の書類に“ Niboli”という名で登場し、14世紀には有名な品種として紹介されている。


[クロアティーナ]
ピエモンテ州、ロンバルディア州、エミリア-ロマーニャ州で栽培される黒ブドウで、起源はオルトレポ・パヴェーゼの中心地ロヴェスカーラだと言われている。クロアティーナ(ボナルダ・デッロルトレポ・パヴェーゼ)はその歴史や起源に関する誤認、研究不足により、間違った名前で呼ばれることが多かったが、フィロキセラ害以降の改植にあたって、栽培家たちは正しいクロアティーナの苗木を入手できたため、混乱は解決した。


[バルベーラ]
原産地はピエモンテ州モンフェッラートと言われ、ピエモンテ州を中心にイタリア国内でも多く栽培される酸の強い黒ブドウ。1990年以降、バルベーラの栽培は、アメリカ、ユーゴスラビア、アルゼンチンなど、世界的にも急激に増加した。
参考文献:「土着品種で知るイタリアワイン」(中川原まゆみ著/ガイアブックス)


■Lombardia州の料理

[プリモピアット]
■寒村の食材を使ったパスタ料理
Pizzoccheri ピッツォッケリ

寒冷地で小麦が育たないヴァルテッリーナ地方の、そば粉のパスタ料理である。ふつうアルプスの山の中ではポレンタが主流で、生パスタを作ることは非常に少ない。しかしこの料理は、調理法が伝わると土地の食材を使って新しい料理が生まれることを表している。材料のジャガイモとチリメンキャベツは、野菜の中で特に保存のきくものであり、チーズとバターは、山間地で冬を越すための重要な保存食である。ピッツォッケリは、それらで作った労作であり、現地では「ピッツォッケリの里」と書いた看板を立て、街の顔としてアピールしている。

作り方
小麦粉とそば粉を混ぜ、水を加えて固く滑らかな生地を作る。麺棒で厚めに生地を延し、幅1cm長さ5cmに切る。ジャガイモと細長く切ったチリメンキャベツを茹で、ジャガイモに火が通ったらパスタを入れる。耐熱皿に、ピッツォッケリ1層、薄く切ったヴァルテッリーナ産チーズ、熱しておいたサルヴィア風味のバターを重ね、最後にコショウを散らす。


[セコンドピアット]
■貴族料理と庶民料理の二つの流れ
Cotoletta alla milanese コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ

この料理には二つつの形がある。肉を骨付きのロースを使う場合と肉たたきで薄く延ばして大きくする場合である。同じ名前だがここに出自の違いが読み取れる。骨付きの場合は、高級な部位を使っていることからクチーナ・リッカ。薄く延ばす場合はどの部位を使っているかわからないのでクチーナ・ポーヴェラ。18世紀以降オーストリアに占領されていた時代、ヴィンネル・シュニッツェルがもとになって生まれたという説もあるが、ミラネーゼたちはそれ以前からあったと主張している。明確にするために骨付きの方をコストレッタCostolettaと呼ぶこともある。

作り方
ミラノでよく見かける、薄く伸ばして大きくしたクチーナ・ポーヴェラの方のカツレツである。仔牛ロース肉を叩いて広げ、溶き卵とパン粉をよくつけておく。フライパンにバターを熱し、泡立って来たら片面ずつキツネ色になるまで揚げる。レモンの切り身を添える。

■暖炉のある暮らしから生まれた
Ossobuco オッソブーコ

普通の調理法ならば固くて使えない部位を、知恵とエ夫でおいしい料理にするという、まさにイタリア料理の真骨頂である。煮込み料理は、とくに北部の暖炉のある生活の中で育まれた。かまどで薪を焚くよりも、暖炉の火を利用する方が無駄がないからである。この料理のエ夫は、最後にグレモラータと呼ぶレモン、ニンニク、イタリアバセリのみじん切りを散らすことにも出ている。これによって煮込みにフレッシュ感が生まれるのだ。伝統的にミラノ風リゾットと合わせて、ピアット・ウニコ(一皿だけで食事になる料理)として提供される。

作り方
大きめの鍋にバターを加熱し、粉をしたオッソブーコに焼き色をつける。白ワインまたはブロード、もしくは水を注いで塩コショウをし、蓋をしたまま柔らかくなるまで煮込む。イタリアパセリとニンニク1片、レモンの皮を一緒にみじん切りにし、グレモラータを作る。鍋を火から下ろし、オッソブーコの上にこのみじん切りを散らす。


参考資料 日本ソムリエ協会教本、隔月刊誌Sommelier

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