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【Wine ワイン】il Pumo Sauvignon Malvasia 2019

【Wine ワイン】Il Pumo Sauvignon Malvasia 2019

フレッシュで引き締まった酸を持つモダンな白
il PumoとはSan Marzano地方の陶器の置物の事で、良いことが起こる象徴として縁起物とされている。

https://a.r10.to/hIp35J


■Producer (生産者)
Cantine San Marzano

■Country / Region (生産国 / 地域)
Salento / Puglia / Italy

■Variety (葡萄品種)
Sauvignon Blanc 50%
Malvasia 50%

■Pairing (ペアリング)
Orecchiette con Cime di Rapa オレッキエッテ・コン・チーマ・ディ・ラーバ(小さな耳の形をしたオレッキエッテパスタを菜の花に似た野菜で和えた料理)

Riso e Patate リーゾ・エ・パターテ(米とジャガイモを煮たスープとリゾットの間のような料理)


Puglia プーリア州

■プロフィール
イタリア半島の南東部に位置するプーリア州は、北はモリーゼ州、西はカンパーニア州とバジリカータ州に接している。東にはアドリア海、南にはイオニア海が広がっている。
プーリアはイタリアで最も東にある州である。広い平野を持ち、温暖な気候に恵まれているプーリアは大農産地で、ブドウ、オリーヴ、穀物、野菜、果実が栽培され、収穫量も多い。ワイン生産量も、常にイタリアのトップの座をヴェネト、エミリア・ロマーニャ、シチリアと争っている。一昔前まではヨーロッパ最大のバルクワイン供給地だったが、バルクワインの需要は1980年代以降激減したので、今は自分たちで瓶詰めして販売するために、生産者は品質向上に努めている。興味深い固有品種の宝庫で、すでに有名なパンパヌート、ヴェルデーカ、ボンビーノ・ビアンコ、ネグロアマーロ、プリミティーヴォ、マルヴァジア・ネーラ、ネーロ・ディトロイアなどの他にも、ススマニエッロなどこれからその真価を発揮していくであろう品種も多い。量から質への転換を急スピードで進めている州である。

■歴史
プーリアはマグナ・グラエキアの一部としてギリシャのもと栄えていた。古代ローマの時代には有名なアッピア街道がローマからブリンディジまで通っていたために、プーリアは東洋への門戸としての重要な役割を果たすこととなった。西ローマ帝国崩壊後は、様々な民族の支配、東ローマ帝国、ノルマン支配を経て、ナボリ王国の一部となり、その時代に大土地所有制度が発達した。ファシズム時代の干拓、戦後の農地改革により、プーリアの農業は発展した。

■文化
東洋への窓口として栄えた古代ローマ時代から様々な文明のもとで独自の文化を積み上げてきた。13世紀にフリードリヒ2世が建てた神秘的な城カステル・デルモンテは世界遺産に登録されている。16世紀末から17世紀前半に花開いたレッチェのバロック建築も有名である。プーリア人はいかにも南部の人で、非常にのんびりしていて、自分たちの伝統的を守ろうとする人が多い。


■経済
現在でも農業は重要であるが、その重要性は減少しつつある。その一方でサービス業などは伸びている。重化学工業などの工場も誘致されている。1970年代以降は観光業も伸びているが、まだイタリア人が中心で、外国人観光客は少ない。


■気候風土
プーリアは830kmという長い海岸線を持ち、南北に細長く延びている。平野が53.5%、丘陵が45.3%を占め、山岳地帯が1.4%と、イタリアで最も山岳が少ない州である。北に位置するタヴォリエーレ平野は、イタリアでボー平野に次いで大きな平野だ。バーリ周辺にも、サレント半島にも広い平野がある。有名なカステル・デルモンテ城があるムルジェは石灰岩台地で、ブドウ栽培に適している典型的な地中海性気候で、夏は暑く乾燥していて、冬は温暖だ。雨は秋と冬に集中している。

■ワイン生産量
ワイン生産量は9.552.571he(2018年)でイタリア20州でも常にトップ4に入っている。ブドウ栽培面積は85.500ha(2018年)。赤ワインが全ワインの50%を占めている。

■主要ブドウ品種

[白ブドウ]
Bombino Bianco ボンビーノ・ビアンコ
イタリア南部、特にプーリア州で栽培されている白ブドウ。生産量を抑えると堅固な白ワインとなる。

Verdeca ヴェルデーカ
プーリア州で昔から栽培されている白ブドウ。柑橘類のアロマを持つ、フレッシュで軽めの白ワインを生む。

Trebbiano Toscano トレッビアーノ・トスカーノ
フレッシュな早飲みのワインに適した白ブドウ。生産量が多いので、1960年代に大量に植樹された。ヴィンサントにも使用される。

Chardonnay シャルドネ
ブルゴーニュ原産の白ブドウ。近年はプーリアでも栽培されている。

[黒ブドウ]
Primitivo プリミティーヴォ
ブーリアで栽培されている早熟な黒ブドウ。カリフォルニアのジンファンデルと同じ品種。アルコール度数が高く、濃厚な果実味と、ビロードのような味わいを持つ。

Negroamaro ネグロアマーロ
プーリア州特にサレント半島で栽培されている黒ブドウ。長年フランスや北イタリアのワインを補強するバルクワインとして使われていた。色が濃く、タンニンの強い赤ワインを生むが、ロゼにも向いている。

Nero di Troia ネーロ・ディ・トロイア
プーリア州で栽培されている黒ブドウで、ウーヴァ・ディ・トロイアとも呼ばれる。濃い色をして、アルコールもタンニンも豊かな赤ワインを生む。

Bombino Nero ボンビーノ・ネーロ
プーリア州、特にカステル・デル・モンテ地区で栽培されている黒ブドウ。ロゼにも適している。

Malvasia Nera di Lecce マルヴァジア・ネーラ・ディ・レッチェ
プーリア州、特にサレント半島で栽培されている黒ブドウ。しばしばネグロアマーロにブレンドされる。

■地方料理と食材

[パスタリ、ゾット]
Orecchiette con Cime di Rapa オレッキエッテ・コン・チーマ・ディ・ラーバ(小さな耳の形をしたオレッキエッテパスタを業の花に似た野菜で和えた料理)

Riso e Patate リーゾ・エ・パターテ(米とジャガイモを煮たスープとリゾットの間のような料理)

[肉料理]
Agenllo al Forno アニェッロ・アル・フォルノ(塩、ニンニク、ローズマリーだけのシンプルな仔羊のロースト)

[チーズ]
Canestrato Pugliese カネストラート・プリエーゼ(D.O.P.、羊乳、非加熱圧搾、龍の模様が特徴のペコリーノ)

Caciocavallo Silano カチョカヴァッロ・シラーノ(D.O.P.、牛乳、パスタフィラータ、ひょうたん形)


■Barl バーリ県

■土壌
ムルジャ丘陵地帯は石灰土壌

■気候
地中海性気候で暑い

■主要ブドウ品種

[白ブドウ]
Pampanuto パンパヌート
Bombino Biancoボンビーノ・ビアンコ

[黒ブドウ]
Nero di Troia ネッロ・ディ・トロイア
Aglianico アリアニコ
Bombino Nero ボンピーノネーロ

■主要なD.O.P.(D.O.C.G.)ワイン

Castel del Monte Bombino Nero カステル・デル・モンテ・ボンビーノ・ネーロ
珍しいロゼワインのD.O.C.G.

Castel del Monte Nero di Troia Riserva カステル・デル・モンテ・ネーロー・ディ・トロイア・リゼルヴァ
果実味とタンニンがしっかりとした深みのある赤ワイン。

Castel del Monte Rosso Riserva カステル・デル・モンテ・ロッソ・リゼルヴァ
果実味とタンニンがしっかりとした深みのある赤ワイン。
Gioia del Colle ジョイア・デル・コッレ丘陵地帯で造られるプリミティーヴォ・ディ・ジョイアはマンドゥリアのものと比べると、ややアルコールが低く、より飲みやく、優美。

■主要なD.O.P.(D.O.C.)ワイン
Castel del Monte カステル・デル・モンテ
州の中央内陸部に位置する石灰台地のムルジェで造られるエレガントなワイン。白はパンパヌート、赤とロゼはネーロ・ディ・トロイアが中心だが、標高300〜600mで造られるこれらのワインは、南のワインには珍しい涼しげなトーンがあり、フード・フレンドリーで飲みやすい。

■Puglia州の食とワイン

Pugliaプーリア州ほど景色の変わらない州は少ない。行けども行けども続くオリーヴとブドウの畑、そして野菜畑。農家に行けば特産品の小粒トマトの房が壁を飾り、庭では太陽熱を利用した乾燥野菜の生産が盛んである。目の前の海はイタリア第3位の漁獲量が得られる豊かさ。その理由はまず地形に由来する。平野部53.3%、あまり高くない丘陵地帯45.2%、山岳地帯はわずか1.5%である。この農業に適した地形から生産される農業製品、カルチョーフィ、フェンネル、ブドウ、硬質小麦の生産量はイタリアのトップ、オリーヴ油の生産量も国内生産のほとんどを占めている。また文化的にも、紀元前からの文明国ギリシャとのつながりがあり、古代ローマ時代には、ギリシャ航路の港ブリンディシへと続くアッピア街道とトライアーナ街道がローマ帝国の文化を運んできている。例えばターラント湾のカキの養殖は古代ローマ時代からあり、現在でもムール貝などの養殖へと受け継がれているのだ。この州の料理は、豊かさから生まれた素朴でやさしい味のものが多い。南イタリアには珍しく唐辛子の使用が少ないのも、辛味でアクセントをつけなくとも、ふんだんに使える食材で美味しいものが作れるからだろう。

■プーリア州のブドウ品種

[プリミティーヴォ]
プーリア州(バーリ、マンドゥリア、サヴァ、ジョイアデル・コッレ)、カンパーニア州、バジリカータ州で栽培される黒ブドウ。1968年、カルフォルニア大学のゴヒーン教授がプーリアでプリミティーヴォを飲んだときジンファンデルを思わせる風味があったため、DNA分析を行ったところジンファンデルと同一品種であることが判明した。クロアチアのプラーヴァッツマリはジンファンデルとドブリチッチの交配品種の子にあたり、ジンファンデルとクロアチアの古代品種ツュリエナック・カシュテランスキが同ーと判明したため、プリミティーヴォはクロアチアから伝来したと結論づけられた。

[ネグロアマーロ]
ブーリア州(レッチェ、ブリンディシ、サリチェ・サレンティーノ、コベルティーノ)で栽培される黒ブドウ。紀元前7世紀頃、ギリシャ人がイオニア地区(古代ギリシャ人の植民したアジア西海岸地方名)に植えられていたNero Lecceseと呼ばれていたブドウをこの地に持ち込んだのが起源と言われる。語源は、黒を意味するラテン語のNigerとギリシャ語のMavroが合体しNigramaroになり、それから変化したと考えられる。またブーリアの方言で、Niuru MaruはNegro(黒)とAmaro(苦い)という意味で、ブドウが黒く味わいに苦味があることからそう呼ばれたとも言われる。石灰質と粘土質の土壌を好み、暑く乾燥した気候がよい。

[ネーロ・ディ・*トロイア]
プーリア州(バーリ、バルレッタ)で栽培される黒ブドウ。起源に関しては、1600年頃、ブルボン朝のダヴァロス伯爵がスペインのネーロ・ダーバロス種とともにこの地に持ち込んだという説。もう一つは、ギリシャ移民が小アジアのトロイアからプーリアに持ち込んだという説。同じく小アジア紀元説で、アルバニアのクルーヤを経由してイタリアに伝来したという説がある。約30年前には絶滅寸前になったが復活し、現在ではわずかに増加傾向にある。参考文献土着品種で知るイタリアワイン(中川原まゆみ著/ガイアブックス)

■「セモリナ粉の作る貴石」
Orecchiette con cima di rapa(オレッキエッテ・コン・チーマ・ディ・ラーバ)
オレッキエッテのチーマ・ディ・ラーバ和え
小麦は中北部が軟質小麦、南部が硬質小麦と分布される。軟質小麦はグルテンが少ないので、生地を安定させるために卵を使う場合が多いが、硬質小麦は水だけで充分に安定する。しかしタリアテッレのように長型にすると固くなりすぎるため、短いパスタに形作られる場合が多く、耳の形を模したオレッキエッテはその代表格である。他にも巻き込んだような形のカヴァティエッディや長めのストラシイナーティなどがあるが、いずれの場合も、くぼみをつけてソースが絡みやすいようになっている。チーマ・ディ・ラーバは別名ブロッコレッティと呼ばれ、蕪の仲間で、その花茎を使う

作り方
硬質小麦をよくこねてから、直径2センチの円筒形移に延ばし、一部をとってナイフの先で台の上で引きずるようにしてのばし、ひっくり返して耳のような形にする。引きずった面はザラザラし、周囲にふち飾りのようなものがつく。直径約2.5〜3cmである。チーマ・ディ・ラーバと共に茹でニンニクの香りを移し、アンチョビを溶かしたオリーヴ油で和える。

■「スペイン人の残した遺産」
Tiella di risoe cozze ティエッラ・ディ・リーゾ・エ・コッツェ
お米と貝のティエッラ
耐熱皿に食材を重ねてオーブンで焼く料理である。16世紀以降スペインが南イタリアを支配した時にもたらされたパエーリャがルーツだと言われている。クチーナ・ポーヴェラ(庶民料理)では、調理法が伝わっても、食材はその土地のものが使われ郷土料理化していく。主要材料であるムール貝、トマト、オリーヴ油はプーリアでもっとも簡単に手に入るものである。イタリアの米料理は、米の形を生かすリゾットなどには高価なカルナローリ米が使われるが、粒が重要ではないこの料理には、安価なオリジナーリオ米が使われるので、今回は日本の米を使った。

作り方
耐熱皿に、薄切りにしたタマネギ、イタリアパセリとニンニクのみじん切り、ブチトマト、ペコリーノーつかみ、塩をして、薄切りのジャガイモ、洗った米、口を開けたムール貝、イタリアパセリとニンニクのみじん切り、プチトマト、ジャガイモを重ねる。オリーヴ油をかけまわし、水で覆う。耐熱皿をオープンに入れ、火が通るまでおいておく。


■「希少な馬肉料理」
Brasciola alla barese (ブラシオーラ・アッラ・バレーゼ)
バーリ風馬肉のインヴォルティーニ
豚は食肉用、牛と羊はチーズ用と食肉用に飼育されるが、馬はもっぱら耕作用として飼われていたので、イタリアでも馬肉を使った料理は非常に珍しい。本来は年老いて働くことのできなくなった馬を使った料理と思われるので、ヴェネト州の「パスティッサーダ」など、そのほとんどが煮込み料理である。バーリ風と名付けられているのは、かつてこの地の農業が盛んで、馬をたくさん飼育していたからだろう。馬肉は食肉としての扱いが違うため、販売は専門業者だけに限られるので、イタリア国内でも馬肉店を見かける機会は少ない。

作り方
肉を軽くたたいてひろげ、細長く切ったペコリーノチーズとラルド、イタリアパセリ、ニンニクを置いて、塩・コショウする。すべてを包み込むように巻き込み、ひもで縛っておく。水でのばしたトマトソースの中でゆっくりと煮込む。肉が柔らかくなり、ソースが煮詰まったら、ひもを外して盛り付ける

参考資料 日本ソムリエ協会教本、隔月刊誌Sommelier


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