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【Wine ワイン】Aglianico 2016

【Wine ワイン】Aglianico 2016

南イタリアの重要な黒ブドウAglianicoのワイン。
大樽のオーク熟成がおおらかな風味を醸している。

■Producer (生産者)
Montesole

■Country / Region (生産国 / 地域)
Campania / Italy

■Variety (葡萄品種)
Aglianico

■Pairing (ペアリング)

[魚料理]
Polipo alla Luciana ポリポ・アッラ・ルチアーナ(トマト、ニンニク、トウガラシで蛸を長時間煮込んだサンタ・ルチアの料理)

[前菜]
Parmigiana di melanzane パルミジャーナ・ディ・メランツァーネ(茄子、モッツァレッラ、トマトソース、バジリコを重ねて焼いた料理)

[パスタ]
Spaghetti alla Puttanesc スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ(アンチョビ、ケッパー、オリーヴをトマトソースで和えたスパゲッティ)

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■カンパーニア州Campania

■プロフィール
イタリア半島の南西部に位置するカンパーニア州は、北はラツィオ州、モリーゼ州、東はプーリア州、バジリカータ州に接している。面積は13,595kmとイタリアでは中規模だが、人口は583万人とロンバルディア州に次いで多く、人口密度の最も高い州である。風光明婿なところで、全州が観光名所と言っても過言ではない。州都ナポリは「ナポリを見てから死ね」と呼ばれるほどその景観が有名だし、ポンペイ遺跡、エルコラーノ遺跡、バエストゥム遺跡、カセルタ王宮など様々な時代の文化遺産が集積している。自然の素晴らしさも破格で、絵葉書にしたいようなナポリ湾の風景、息を飲むほどの美しいアマルフィ海岸、ソッレント半島、優美なカプリ島、青の洞窟、野生的なイスキア島、煙を上げるヴェスヴィウス火山、内陸部の厳格な自然のイルピニア地方など、変化に富んだ美しい自然がこの州にはある。燦々と降り注ぐ太陽、温暖な気候、陽気な人々という外国人がイタリアに対して抱くステレオタイプのイメージと最も合致しているのがカンパーニア州である。カンパーニアのワインは古代から絶賛されてきた。古代に最も偉大とされたワインであるファレルヌスムは現在のFalerno del Massico ファレルノ・デル・マッシコ地区で造られていたし、カプリ島、イスキア島のワインも人気があった。カンパーニア州は、温暖な気候と豊かな火山性土壌に恵まれ、ワイン造りに理想的な環境である。それに甘えて怠情な眠りを食っていると非難された停滞期もあったが、ここ20年ぐらいのカンパーニアワインの躍進には目を見張るものがある。
イルピニア地方(アヴェッリーノ県)では、3つのD.O.C.G.、Taurasi タウラージ、Fiano di Avellino フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ、Greco di Tufo グレーコ・ディ・トゥーフォが毎年見事なワインを造り続けている。大手の生産者、小規模のヴィニュロン生産者のバランスが抜群で、現在イタリアでも最も活動的な地区の一つだろう。古代から「グラン・クリュ」として讃えられていたファレルノ地区でも、品質の向上は目覚ましい。イスキア島、カプリ島では個性的なワインが造られている。南のチレント半島でも、意欲的な生産者が多く活動している。治安が悪く、社会問題も深刻なカンパーニア州であるが、ことワインに関しては順調な発展をしている。

■歴史
カンパーニア州はギリシャの植民地マグナ・グラエキアとして古代から栄え、ネアポリスと呼ばれていたナポリは重要都市であった。古代ローマ時代は「幸運なるカンパーニ」Campania Felix カンパーニア・フェリックスアと讃えられ、温暖な気候を求めて皇帝や貴族が別荘を建てた。当時のカンパーニアは世界でも最も豊かな地方で、ポンペイ、カプアなどの町は当時の一大歓楽地であった。西ローマ帝国滅亡後、東ゴート族、ランゴバルド族の支配を経て、東ローマ帝国の属州となった。12世紀にはノルマン支配下に入り、その後フランスのアンジュー家のもとナポリ王国となり、スペインのアラゴン王家、ブルボン家の支配を経て、1861年イタリア王国に併合された。その後、イタリア王国の誤った南部政策もあり、カンパーニアは急速に衰退していき、今では多くの問題(犯罪組織カモッラ、ごみの処理問題、貧困など)を抱えた州となっている。

■文化
ローマに引けを取らないほどの文化の伝統と蓄積を誇るのがナポリである。古代ローマから栄えた町らしく、それぞれの時代の遺産が、重層的に残っているが、特に17世紀から18世紀前半にかけて花開いたナポリバロック期の建築、彫刻などに素晴らしいものが多い。庶民文化の豊かさも特筆に値するもので、劇場、歌謡、職人芸など広範囲にわたり独自のジャンルを発達させてきた。カンパーニア人は、表向きは非常に陽気な人たちであるが、奥に深いペシミズムを抱えていて、いかにも南部の人らしく運命論者で、迷信深い。非常に親切で、寛大で、善良で、情の深い人たちであるが、公共性、規則道守、社会規範などの概念とはほとんど無縁の人たちでもある。

■経済
人口が多いので州の総生産は少なくないが、一人あたりの所得は低い。恵まれた自然、豊富な労働力、大きな港など、経済発展のための条件は十二分にあるにも関わらず、犯罪組織カモッラの強い影響力、行政の腐敗などにより、貧困に甘んじている状況である。それにも関わらず、群を抜いて美しい自然と、無数の観光名所に引き付けられて大量の観光客、ヴァカンス客がこの州を訪れる。観光は重要な産業である。

■気候風土
西にティレニア海があり、東側には南北にアペニン山脈が走り、その間に丘陵地番が広がっている。丘陵地帯は全体の50.8%で、山岳地帯が34.6%、平野部が14.6%だ。イスキア島、カプリ島、プロチダ島などがナポリ沖に浮かんでいる。今でも活動しているヴェスヴィウス火山、死火山ロッカモンフィーナなど火山が多く、火山性土壌も多い。海岸に近いところでは温暖な地中海性気候だが、内陸部のイルビニア地方などは大陸性気候で夏は暑いが、冬の寒さは厳しく、雪も降る。

■ワイン生産量
ワイン生産量1,327,488hℓ(2018年)、ブドウ栽培面積24,611ha(2018年)。観光客が多いこともあり、ワイン消費量が生産量を上回っている。赤ワインと白ワインの生産量は半々ぐらいである。

■主要ブドウ品種

[白ブドウ]
Greco グレーコ
イタリア南部の重要な品種でカンパーニア州イルピニア県で広く栽培されているグレーコー・ディ・トゥーフォとカラブリア州で広く栽培されているグレーコ・ビアンコの2種類に分かれる。グレーコ・ディ・トゥーフォは果皮が厚く、酸とミネラルが強い力強いワインを生む。

Fiano フィアーノ
カンパーニア州をはじめとして南イタリアで栽培されている白ブドウ。フラワリーなアロマを持つ優美な白ワインを生む。

Falanghina ファランギーナ
カンパーニア州、特にカンピ・フレグレイ地区、サンニオ地方で栽培されている白ブドウ。華やかなアロマを持つフレッシュな白ワインを生む。長い間忘れられていたが、2000年前後に大ブームとなった。

Coda di Volpe コーダディヴォルペ
カンパーニア州、特にイルピニア地方で栽培されている白ブドウ。酸の少ない、軽めの白ワインを生む。ブレンドにも使用される。コーダ・ディ・ヴォルペはイタリア語で狐のしっぽを意味し、房が長く狐のしっぽに似ているのでこの名が付いた。


[黒ブドウ]
Aglianico アリアニコ
イタリア南部、特にカンパーニア州、バジリカータ州で栽培されている重要な黒ブドウ。色も濃く、タンニンが強い、雄大な赤ワインを生む。

Piedirosso ピエディロッソ
カンパーニア州だけで栽培されている黒ブドウ。赤い果実のトーンを持ち、タンニンも酸も強すぎないやさしい味わいの赤ワインを生む。


■地方料理と食材

[前菜]
Parmigiana di melanzane パルミジャーナ・ディ・メランツァーネ(茄子、モッツァレッラ、トマトソース、バジリコを重ねて焼いた料理)

[パスタ・ピッツァ]
Pizza Margheri ピッツァ・マルゲリータta(トマト、水牛のモッツァレッラ、バジリコのシンプルなピッツァ)

Spaghetti Aglio、Olio e Peperoncino スパゲッティ・アリォ・オリオ・エ・ペペロンチーノ(ニンニク、オリーヴォイル、トウガラシのシンプルな味付けのスパゲッティ)

Spaghetti alle Vongole スパゲッティ・アッレ・ヴォンゴレ(アサリのスパゲッティ)

Spaghetti alla Puttanesc スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ(アンチョビ、ケッパー、オリーヴをトマトソースで和えたスパゲッティ)


[魚料理]
Polipo alla Luciana ポリポ・アッラ・ルチアーナ(トマト、ニンニク、トウガラシで蛸を長時間煮込んだサンタ・ルチアの料理)

[肉料理]
Bistecca alla Pizzaiola ビステッカ・アッラ・ピッツァイオーラ(ニンニク、オレガノ、ケッパーのトマトソースをかけた仔牛のステーキ)

Sartù di Riso サルトゥ・ディ・リーゾ(ミートボール、鶏の内臓、モッツァレッラ、野菜を米と混ぜて型に入れて焼いた宮廷料理)

[チーズ]
Mozzarella di Bufala Campana モッツァレッラ・ディ・ブファラ・カンパーナ(D.O.P.、水牛乳、パスタフィラータ/フレッシュ)
Caciocavallo Silano カチョカヴァッロ・シラーノ(D.O.P.、牛乳、パスタフィラータ、ひょうたん形)


■Casertaカゼルタ県、Napollナポリ県

■土壌
火山性土壌と石灰土壌。

■気候
地中海性気候で温暖。

■主要ブドウ品種

[白ブドウ]
Falanghina ファランギーナ
Pallagrello Bianco パッラグレッロ・ビアンコ
Biancolella ビアンコレッラ

[黒ブドウ]
Aglianico アリアニコ
Piedirosso ピエディロッソ
Pallagrello Nero パッラダレッロ・ネーロ
Casavecchia カーサヴェッキア

■主要なD.O.P.(D.O.C.)ワイン
Falerno del Massico ファレルノ・デル・マッシコ
ラツィオ州に近いカセルタ県の海岸沿いの地区は、暑く乾燥した気候で、海の影響を受ける。ファランギーナによる優美な白ワインは鮮やかなアロマを持ち、アリアニコによる凝縮感のある赤ワインは勢いのある味わいだ。

Vesuvio ヴェズヴィオ
ナポリ湾の近辺では黒い火山性土壌で、ピエディロッソ、シャシノーゾ品種による赤ワイン、コーダ・ディ・ヴォルぺ、ヴェルデーカ品種による白ワインが造られている。親しみやすい味わいの早飲みワインがほとんどである。この呼称に含まれるラクリマ・クリスティLacryma Christiは「キリストの涙」を意味し、根強い人気がある。

Ischia イスキア
イスキア島では固有品種ビアンコレッラによる爽やかでほのかな塩味を感じさせる白ワインが造られ、地元の魚介類料理の最高の友として愛されている。

■Benevento ベネヴェント県、Avellino アヴェッリーノ県


■土壌
火山性土壌と石灰土壌。


■気候
大陸性気候。アぺニン山脈に近いところは冷涼。


■主要ブドウ品種
[白ブドウ]
Fiano フィアーノ
Greco グレーコ
Falanghina ファランギーナ
Coda di Volpe コーダ・ディ・ヴォルペ

[黒ブドウ]
Aglianico アリアニコ

■主要なD.O.P.(D.O.C.G)ワイン
Taurasi タウラージ
内陸部のアヴェッリーノ県イルビニア地方の火山性士壌丘陵地帯(標高400〜700m)で造られる厳格な赤ワイン。品種はアリアニコで、酸とタンニンがしっかりしていて、白胡板などのスパイスを感じさせる味わいで、非常に長期熟成能力がある。この辺りでよく食べられる山羊や羊のローストと抜群の相性である。モンテマラーノ村のものはミネラル分溢れる味わいが素晴らしい。

Fiano di Avellino フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ
アヴェッリーノ県で造られる、フラワリーな香りを持ち、非常に繊細で優美な味わいの白ワイン。若くして飲んでも美味しいが、驚くほどの長期熟成能力がある。

Greco di Tufo グレーコ・ディ・トゥーフォ
アヴェッリーノ県の凝灰岩土壌(トゥーフォ)でグレーコ品種を使って造られる白ワインで、凝縮した果実味を持つ輝かしい味わいで、非常に酸が強い。熟成すると蜂蜜のトーンが明確に出てくる。
Aglianico del Taburno アリアニコ・デル・タブルノ
ベネヴェント県で造られる厳格なアリアニコで、最良のものはタウラージに引けを取らない。


[カンパーニア州主要D.O.P.(D.O.C.G.)一覧表]
D.O.C.G. / タイプ / 品種 / 認定年
Aglianico del Taburno アリアニコ・デル・ダブルノ
赤 / ロゼ
アリアニコ主体
2011年
D.O.C. Taburno / Aglianico del Taburnoより独立して昇格した。タイプはRossoとRosatoがある。Rossoは最低アルコール13%以上、3年以上の熟成(うち木樽熟成12カ月、瓶内熟成6カ月)でriservaの表示ができる。やや内陸のタブルノ丘陵にて古代ローマ以前より造られてきた非常に古い起源をもつ銘柄である。


フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ Fiano di Avellino
白/スプマンテ
フィアーノ主体
2003年
フィアーノはこの地方で最も古い品種の一つである。やや濃いめの麦わら色の辛口白ワインで最低アルコール度数11.5%。辛口のスプマンテもあり。アヴェッリーノ周辺の丘陵地帯は標高500mに達する畑もあり、比較的冷涼である。アリアニコ主体2011


Greco di Tufo グレーコ・ディ・トゥーフォ
白/スプマンテ
グレーコ主体
2003
ギリシャから伝えられたグレーコ種はこの土地のトゥーフォと呼ばれる火山灰土壌で栽培される。濃いめの麦わら色の外観で後味にほのかな苦みが残る辛口の白ワイン。辛口のスプマンテも造られている。古代ローマ時代より銘酒と言われていた。

Taurasi タウラージ

アリアニコ主体
1993年
アヴェッリーノ北東の丘陵地帯で造られる。最低アルコール度数12%で最低熟成期間は3年(うち木樽熟成1年)。riservaはそれぞれ12.5%以上、4年。古くから銘酒と知られたワインであり、現代でも南イタリアで最も尊敬されているワインと言われる。ヴィンテージによっては10年〜30年の熟成能力を持つ。

■salerno サレルノ県

■土壌
石灰土壌

■気候
地中海性気候で温暖。

■主要ブドウ品種

[白ブドウ]
Fiano フィアーノ

[黒ブドウ]
Aglianico アリアニコ

■主要なD.O.P.(D.O.C.)ワイン
Costa d'Amalfi コスタ・ダマルフィ
アマルフィ海岸の絶壁の段々畑でも、個性的なワインが造られている。生産量が非常に少ないが、近年海外でも人気がある。

Cilento チレント
南のチレント地方では、トロピカル・フルーツを感じさせるフィアーノ、完壁に成熟したフルーティーなアリアニコなどが注目に値する。

■Campaniaの食とワイン

「幸福なる大地」。カンパーニア州は古代からそう呼ばれていた。州名カンパーニアの語源はAgro capuana(=カプアの農業)。今でもあるカプアという町が古代から作物が採れる象徴的に豊かな地であったため、それが州名にもなったのだ。州都ナポリのいにしえの名前はネオポリス、「新しい街」という古代ギリシャ語である。モッツァレッラで有名なパエストゥムには古代ギリシャ人が築いた都市の遺跡が残っている。またポンペイには古代ローマ人の遺跡、カセルタに行けば、ベルサイユ宮殿に匹敵する王宮がある。ラツィオ州は古代ローマ帝国に限定されたにおいがするが、カンパーニアはその時代ごとの最高の文明の足跡が残されているのだ。それらが、この土地に豊かに実る産物の上に成り立っているのはいうまでもない。その中でも特に王宮の料理が、食材の豊かさを土台として、他の州と比べ物にならないほど庶民料理の中に入っているのを、この州の特徴として心にとどめておこう。例えば、貴族料理の担い手はモンスーと呼ばれるシェフたちの創作物であるが、彼らの料理の特徴はいくつものパーツを作って最後に組み立てるものである。ひと時代前のフランス料理を想像すると分かりやすいかもしれない。カンパーニアでは、使う材料も少なくシンプルで食材の旨みを引き出すクチーナ・ポーヴェラのイタリア料理に対して、多くの食材を使ったクチーナリッカの影響を受けた料理がよく見られるのだ。この州の地形は、山岳地帯34.6パーセント、丘陵地帯50.8パーセント、平野14.6パーセントである。丘陵地帯が半分を占めるが、アルプス地方の丘陵地帯とは違うなだらかな地形と温暖な気候のため、収穫物も多彩で量が採れる。保存食の面でも二つの土地では意味が異なる。アルプス地方の保存食は、冬を生き延びるための必要から生まれたが、この地方は大量に収穫できるがゆえの保存食なのである。保存食があるということは、冷凍技術のなかった時代の、年間を通しての食の安定を示すことになる。ここからもカンパーニアが「幸福なる大地」といわれる意味が分かるだろう。カンパーニア州の数ある特産品の中でも。特記すべきはトマトだろう。もちろん他の土地でもトマトは多く生産されるが、大きく見ると北で生産されるトマトは生食用、南の完熟トマトはソース用である。完熟トマトのみが缶詰にされ、品物だけではなく付随する食文化も遠くまで伝えることができるのだ。日本のイタリア料理がケチャップを使ったスパゲッティから始まっているのも、元をたどれば南イタリアのアメリカ移民のトランクに入っていた加エトマトが始点なのだと容易に想像できるだろう。イタリア料理の色を変えたといわれるカンパーニア州を象徴する食材である。豊かな土地であるゆえに多くの民族が移住し、その文明を残していったカンパーニア州。グラニャーノのパスタ、トマト、モッツァレッラなど上質な特産品も多く、食の面からも、行くに値する州である。


Parmigiana di melanzane パルミジャーナ・ディ・メランツァーネ
ナポリ近辺の代表的な料理である。名前がパルミジャーナ(=パルマ風の)なので、エミリア-ロマーニャ州が発祥だと勘違いされるが、いくつかの食材を重ね、オーブンで焼いたパルミジャーナという料理名である。ナポリのものはナス、トマト、モッツァレッラを使うが、地方によってはモッツァレッラの代わりにジャガイモを使う。ナスの代わりにズッキーニを使うところもある。どこの料理でも肉は使わず、野菜やチーズというポーヴェラ(貧しい)の食材を使うものだが、見た目も豪華でマンマが手をかけた休日のごちそうである。

作り方
薄切りのナスに塩をして置いておき、アクを出してから揚げる。別に作ったバジリコの風味をつけたトマトソース、ゆで卵、モッツァレッラを、耐熱皿に幾層かに重ね、オーブンで焼く。熱くても冷めてからでもおいしい。前菜としてサービスされるが、夏の時期のピアット・ウニコ(コースではなく、それー皿で食事とする料理)としても最適である。

Acquapazza アックアパッツア
塩を作るのが難しかった古代、人々は海水を料理に使っていた。この料理の起源はおそらくその頃にも遡ると思われる。リチェッタにある材料トマトは、古代には使っていなかったが、今では外すことはできない。今はご馳走料理に入るが、原点はその日に売れ残った魚で漁師たちが作る、シンプルな庶民料理だった。

作り方
魚は、鯛、カサゴ、ホウボウ、タイなどが使えるが、今回は鯛を使った。作り方は、鯛の鱗を除いてよく洗い、腹にイタリアパセリとニンニクを詰め、表面に粉をはたいて多めのオリーヴ油で焼いておく。鍋に、EXVオリーヴ油、ニンニク、小粒トマト、塩、オレガノを入れ、水を加えて火にかける。煮立ったら、魚を入れ、火が通るまで20分ほど弱火で煮る。最後にイタリアパセリを散らす。大皿に盛り付けて目で楽しみ、取り分けて味で楽しめる料理である。

[カンパーニア州の主要D.O.P.]

Taurasi D.O.C.G. タウラージ
Aglianico del Taburno D.O.C.G. アリアニコ・デル・タブルノ D.O.C.G.
Taburno D.O.C. タブルノ D.O.C.
Falerno del Massico D.O.C. ファレルノ・デル・マッシコ D.O.C.G.
Fiano di Avellino D.O.C.G. フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ D.O.C.G.
Greco di Tufo D.O.C.G. グレーコ・ディ・トゥーフォ D.O.C.G.
Vesuvio D.O.C.ヴェズヴィオ D.O.C.

参考資料 日本ソムリエ協会教本、隔月刊誌Sommelier

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