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読書 - 伝え方が9割

2020年5月末日時点で、日本政府から発せられた「緊急事態宣言」が解除されているが、私は約3ヶ月テレワークをしていた。従来の働き方と異なる環境に急速に変化したため、仕事上でも様々なところで歪みが生まれる。その部分を臨機応変に修正対応していたが、COVID19は一時的なものではなく人類にとって長い付き合いになる。従って、その場しのぎの対応ではなく持続的な対応ができるようにワークスタイル、オペレーションフローなどを抜本的に変える必要があり、その提案・運用をする必要があった。しかし、うまく伝えられないなどの理由で、なかなかやりたいように進められなかった。そこで、相手を動かせるような伝え方を学びたいと思って本書を手に取った次第である。

強いコトバ

人を動かす言葉は、「強い言葉」である。巷では、パワーワードともいわれたりする。

強いコトバ:人の心を動かす言葉

強いコトバの作り方

頭の中でめぐらす3つのステップと、文章を作るための7つの切り口,、最後に5つの言葉選びの手法で作っていく。

3つのステップ
1. 自分の頭の中をそのまま言葉にしない
2. 相手の頭の中を想像する
3. 相手のメリットと一致するお願いを作る
7つの切り口
1. 相手の好きなこと
2. 嫌いなこと回避
3. 選択の自由 (人は決断苦手のため選択肢の提供)
4. 認められたい欲 (承認欲求を満たすような言い回し)
5. あなた限定 (特別扱いするような言い回し)
6.チームワーク化 (相手を巻き込む力)
7. 感謝 (上記、6つの最後の手段、ありがとう言われると断りにくい)
5つの言葉選びの手法
1. サプライズ法
2. ギャップ法
3. 赤裸々法
4. リピート法
5. クライマックス法 p174

5つの言葉選びの手法

サプライズ法:驚きのワードを入れる方法、発言の中に以下のようなサプライズワードを入れる。(代表的なもの)
「(語尾に)!」
「びっくり、xxx」
「そうだ、xxx」
「ほら、xxx」
「実は、xxx」
「凄い、xxx」
「信じられない、xxx」
「あ、xxx」

文章作成手順
1. 伝えたいコトバを決める
2. 適したサプライズワードを入れる

ギャップ法:落としてから上げることで高低差が出て印象付ける方法(伝えたいことの前に、ネガティブワードを入れてからポジティブワードで主張する)
Ex. 他の女性が子供に見えるほど、あなたは大人っぽい。

文章作成手順
1. 最も伝えたいコトバを決める
2. 伝えたいコトバの正反対のワードを考え、前半に入れる
3. 前半と後半がつながるように、自由に言葉をうめる

赤裸々法:言葉に体温を感じさせ詩人のようなニュアンスを作り出す、
自分の身体にでる変化を感じ取り表現する方法
Ex. 脇汗が止まらないくらい、緊張している。
p160

文章作成手順
1. 最も伝えたいコトバを決める
2. 自分のカラダの反応を赤裸々にコトバにする
3. 赤裸々ワードを、伝えたいコトバの前に入れる

この赤裸々法が5つ中でも一番難しいような気がする。筆者もそこは察しているのか、即席で文章を作れるようにすぐ使える例示を記載している。

顔は?     ⇒顔が真っ赤、xxx。
のどは?    ⇒のどがカラカラ、xxx。
くちびるは?  ⇒くちびるが震えてる、xxx。
息づかいは?  ⇒息ができない、xxx。
目は?     ⇒目が合わせられない、xxx。
うぶ毛は?   ⇒すべてのうぶ毛が立っている、xxx。
肌は?     ⇒汗ばんでいる、xxx。
頭の中は?   ⇒頭の中が真っ白、xxx。
手のひらは?  ⇒手にじわり汗が、xxx。
指の先は?   ⇒指先がじんじんする、xxx。
血のめぐりは? ⇒じぶんの鼓動がわかる、xxx。

リピート法:あるフレーズを繰り返すだけの方法

文章作成手順
1. 最も伝えたいコトバを決める
2. 繰り返す

クライマックス法:クライマックスワードを発し、一呼吸をおいて一旦注意を寄せる方法。クライマックスワードは以下のようなものがある。
「これだけは覚えてほしいのですが、xxx」
「ここだけの話ですが、xxx」
「他では話さないのですが、xxx」
「誰にも言わないでくださいね、xxx」
「これだけは、忘れないでくださいね、xxx」
「一言だけ付け加えますと、xxx」
「ワンポイント・アドバイスですが、xxx」
「3つのコツがあります、1つ目がxxx」

文章作成手順
1. いきなり「伝えたい話」をしない
2. クライマックスワードから始める

最後に

常に頭においておけば、そこまで難しいことではないのでは?と感じた。意識的に上記の3ステップ、7つの切り口、5つの言葉選びを頭に浮かべて発言することである。かなり簡潔に記載したが、ポイントを押さえれば、30分くらいで読める本なので気になった方は是非手になって読んでいただくといいと思う。

最後まで目を通して頂きありがとうございました。いいなと思うかことがあれば「すき」を押していただけると大変励みになります。