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雪を見に行った。

山本英晶です。
37歳だかなんだかのおじさんです。
雪景色を見たいという欲求に駆られたので、見に行ってきました。
3歳になる娘に「行く?」と聞くと「いく」というので、0歳の下の娘を妻にお任せする承諾承認許可諸々を得て、二人で早起きして出発することにしました。

今回の旅のお供はワンパチになったようです。
駅までは、いつものようにタクシーで行きました。
乗り物に乗るだけで娘のテンションがどかんと上がるのがわかります。
最近は僕も少しワクワクするようになってきました。たぶんいいことです。
駅について切符を買い、コンビニでお菓子やお菓子や飲み物を買い、それでも時間に余裕があったので少し早めにホームで電車を待つことにしました。
回送列車や貨物列車を見送りつつ、いよいよ入ってきたやくもはなんと紫。
駅周辺に入り浸っている僕たちもこれまで見た記憶がほとんどなく、驚きながら乗り込みました。

新見駅まで、雪は全くありませんでした。不安がよぎります。
ちなみに今回目的地を上石見(かみいわみ、と読みます)駅にしたのは、まだその日の朝の情報では積雪があったのと、独身時代にも雪を見に一人ここまで来たことがあったからでした。
乗り継ぎの電車を待つ間駅構内をうろうろしていると、
「なんでせんろには、いしがいっぱいあるの?」
するどい質問が娘から飛んできました。
「電車のガタンゴトンがしすぎないように、だったと思うんだよねぇ」
と、ピントの合わない記憶をそのままぼんやりと伝えました。
このnoteを書きながら情報をごく薄く収集する限り、荷重の分散が主な目的なようです。また追々聞かれときに、話すことにします。

上石見駅が近づくにつれ、雪が増えてきて安心しつつ、娘が寝そうになるのをなんとか飲み物などでごまかしました。
目的地に到着し、電車を降りた目の前の雪を見た娘はばっちり目が覚めて、しばらく構内で雪を見たり、踏んだり、そっと投げたりしました。
娘がこんなにたくさんの雪を見るのは、これが初めてでした。

駅の外に出ると、娘がこう言いました。
「おとうさん、すこっぷは?」
すこっぷ。持ち歩く習慣がないです。
仕方がないので次回の楽しみにとっておいてもらうことにしました、と書くには余りあるネゴシエーターばりの説得が、この日に限らず毎日のように行われています。

冷たくなった手を暖めあいつつ一通り遊べることをして、さすがにそろそろ帰らねばと、帰りの電車に乗り込みました。
電車のなかで、
「まだゆきでたくさんあそびたかった」
と、娘にしんみり言われました。
下の娘が昨年12月に生まれて以来、上の娘になった娘は強いわがままの頻度が減り、残念な気持ちをしんみりと伝えてくるようになり、以前に増してこちらの心のダメージは大きくなりました。
しかしその分、どうやってその気持ちを穏やかにするか、どんな形で次の楽しみにするか、落ち着いて話せるようにもなりました。
「やりたいこととやりたくないこと」「できることとできないこと」だけでなく、「きっとこの先できるようになること」とか「いつかは絶対やりたいこと」そういうものごとのよさを分かっていく過程を見せてもらっているのかもしれません。
新見駅の乗り換えついでに、駅の外で肉うどんを食べました。
もりもり食べて機嫌を直してくれました。
旅先においしいものがあるのは、大変ありがたいことです。
そしておなか一杯になった娘は、新見駅からの特急でぐっすりと眠ったのでした。


ここまでお読みくださりありがとうございました。
今年もときどき、noteをしたためていきたいと思います。


(了)

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