仲良くなるには 「英語のそこのところ」第112回
【前書き】
今回、投稿するエッセイは7年前の2016年7月7日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
Native English Speakerからたまに日本人とは友達になれないと相談されることがあります。その理由をNative English Speakerと私で考えてみた時の話です。(著者)
拙著「英語の国の兵衛門」のkindle版を出版しました。
2008年に株式会社メディア・ポートより上梓され、その後同社の解散により入手不可能になり、みなさんにはご迷惑をおかけしておりましたが(一時は、古本が2万3万ぐらいで取引されていたようで。いやはや、私には一銭も入りませんが_| ̄|○)、kindle という形で復活させることが出来ました。
これを機にぜひお手に取ってみてください。
新展開 第2弾! 映画や小説の台詞を英語にして英語力を鍛える「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル8」発売中!
English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト(全10巻)で、英文法を網羅しましたので、ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル7から、様々なコンテンツの名言、名台詞を英語するより実践的なトレーニングをやっていきます。
この「ESM Practice 8」では、アーサー・C・クラークの「幼年期の終り」とモンゴメリーの「赤毛のアン」のセリフを英語にすることに渡来します。
我々が彼の動機を疑っても不思議ではないでしょう?(from 幼年期の終り)
カレルレンは、彼(ストルムグレン)が決して解けないなぞに付きまとわれたまま、生涯の長い黄昏の時へと踏み込んでいくのを、見るに忍び難く思ってくれていたのだ。(from 幼年期の終り)
彼らは決して最後まであきらめることはない。(from 幼年期の終り)
世界はまだ美しい。いずれは別れねばならないとしても、なぜ出発を早める必要があるだろうか?(from 幼年期の終り)
楽しもうと決心すれば、たいていいつでも楽しくできるものよ。(from 赤毛のアン)
グリーンゲイブルズのマシュー・カスバートさんでしょ?(from 赤毛のアン)
お愉しみに。
大好評! Kindle で一日500ページビュー 「English Sentence Maker」シリーズ
English Sentence Maker は、あなたの感情や意見、思っていることを伝えるためにはどの時制や助動詞、文法事項を選ぶべきかがわかる実践英語・英会話力養成テキストです。
著者の主宰する英会話スクール「英語・直観力」の企業向けテキストから、契約企業様向けの問題文などを差し替え、一般向けに手直ししました。
7年間で100名以上のビジネスピープルを単独での海外出張や海外赴任ができるスキルを持った国際ビジネスピープルにした実績があります。
ぜひ、この実績あるテキストを完全マスターしていただき、世界を相手にビックディールを成し遂げ、人生を愉しんでください。このテキストはその扉を開くカギになります。
実践英語・英会話力養成テキストEnglish Sentence Maker は、3つの特色を持っています。
ひとつ目は、能動的な学習だということ。
English Sentence Maker は書き込み式のテキストです。各Lesson ごとの解説を読み、そのあとに掲載されている日本文をご自身のノートもしくはkindle のノートブックなどに英語にして書き入れてください。その際に、知らない単語は調べたりせずに、日本語のまま英語の文の位置においてください。そうすることで、知っている単語、知らない単語を区別し、身に着けるべき単語を浮かび上がらせることが出来ます。
ふたつ目は、どの文法事項を使うかの判断基準を身に着けられるということ。
小・中・高校と長い間英語を学ぶために、多くに人々は英語の現在形、過去形などの文法事項を知っています。しかし、残念ながら、その文法事項をどういう場合に使えばよいかという判断基準を身に着けていません。
たとえば、ここ何ヶ月かフットボールに夢中になっているということを伝えたい場合に使うべき時制は、現在形でしょうか? それとも現在進行形でしょうか? 迷われると思います。
この知ってはいるけれども使い方に迷ってしまう文法事項を使う判断基準を各Lesson ごとの解説でくわしく説明しています。それを理解することで、英語を使う際に十全にあなたの感情や意見、思っていることを伝えることが出来るようになります。
みっつ目は、英語を英語で考えることが出来るようになるということ。
English Sentence Maker は日本語を英語にしていくことで、英語を習得していくテキストです。しかも、どういうときに、どういうことを言いたいときに、どの文法事項を使えばよいかという判断基準が出来ていくために、日本語の文字面を英語に移していくのではなく、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを英語にするというスキルを身に着けることが出来ます。頭の中のイメージから英語を作ることが出来るということは、そこに日本語は介在しません。つまり、英語を英語で考えることが出来るようになるのです。
具体的には、
私は彼が来るだろうことを知っていた。
という日本語を英語にする際には、日本語の文字面を英語に移していくと、
I knew that he will come.
と、しがちです。「知っていた」なのでknew、「来るだろう」なのでwill comeというわけです。
しかし、よく考えてください。「彼が来るだろう」というのは、「私が知っていた」過去の時点のことです。であれば、「彼が来るだろう」と書いてあっても、過去から見た未来のwould を使って、would come としなければなりません。日本語をその字面のまま英語にしてはいけないのです。しかし、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを、判断基準をもって英語にすることが出来れば、問題はなくなります。頭の中に時の流れのイメージがあるために、
I knew that he would come.
という英文が難なく作れるようになります。 英文作成力や速読力を付けたいと思っておられる方ぜひ、手に取ってみてください。必ず、英語・英会話が出来るようになります。
☆「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト」および「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル」で使っている英文はすべて、Native English Speakerと協同で製作したものです。安心して、Native English Speakerの自然な英語を知り、習得してください。
【本文】
「ヘイ、Denis。おれケンジってんだよ。ケンって呼んでね。このオフィスにようこそ。おれは入って1年になるんだけどさ。なかなかこのオフィスは雰囲気がいいんだよ。楽しんでいこうぜ」
営業から帰って来たケンジが新しくスタッフに加わったDenisを見つけるとそう言って声をかけた。
お、あいつも成長したなと横目に徳田とRichが、そのやりとりを見る。
新人というのは緊張しているものだ。Vice-president の徳田やマネージャーのRichがいくら気楽にねと言ってもどうしても緊張してしまうのは、Native English SpeakerだろうとNative Japanese Speakerだろうと変わりはしない。そんな時に一番効くのは、同僚から受け入れられること。それもNative English SpeakerだろうとNative Japanese Speakerだろうと変わらないヒューマン・ユニバーサルだ。
「おれはバンクーバーに2年留学してたんだよ。まぁ、それでもこれくらいの英語しか話せないけどね」
「いや、ケンジの英語は判りますよ、よく」
アメリカ人にしては内気なタイプのDenisがとつとつと言葉を返す。ブロークンだがよくしゃべるNative Japanese Speakerと綺麗に話すが言葉数が少ないアメリカ人、奇妙な構図だ。
「ケンジは、どんな本を読むんですか?」
「え、本? おれは、マンガだよ。『銀魂』って知ってる?」
「知らないですねぇ」
「なんだ、知らないの? 日本語の勉強に読んでよ。面白いよ」
「はい」
と言ってDenisがケンジ見た。『銀魂』の説明を促すための間だったのだが、話が途切れたととったケンジは焦って次の話題に行ってしまう。
「ねえ、Denisってどこに住んでるの?」
「えっと、中央線の高円寺です」
「へぇ~、いいところ住んでるね。おれなんか八王子だからさ、毎日通うのが大変」
「そうですか」
「駅からどれぐらいのところ?」
「えっと、10分ぐらいです」
DenisがちらっとRichを見た。困ったように眉をしかめている。
「ねぇ、Denisって彼女いる?」
突然の質問に、Richと徳田がぎょっと二人を見る。ケンジのやついきなりなにを言いだすやら。
Denisは苦笑すると今度ははっきりと助けを求めてRichを見た。まずいことを言ったと思ったのか、ケンジもRichを振り返る。
「Hey! ケンジ。あんまりいきなりプライヴェートなこと聞くなよ」
「え~、だってスタッフなんだから親しくなってた方がいいじゃない。これからの仕事がやりやすいようにさ。それに、仕事が遅くなったら気軽に泊りに行けるじゃない? 彼女がいないと」
「親しき仲にも礼儀ありさ。いきなり踏み込むなよ」
「そうかなぁ、おれアメリカやカナダではこうやって来たんだけど。Denis、もっとオープンに行こうぜ、アメリカ人らしくさ」
「そういうのはオープンすぎます」
Denisが眉をひそめて言うと、仕事に戻る。
「そうかなぁ。おかしいなぁ」
納得がいかないケンジは首を傾げながら、席に戻って行った。
まあ、ケンジ君なりに頑張ってくれたんですがねぇ、結果としては大惨事。いやはやDenisの緊張は、なんて失礼な同僚のいるオフィスだろうという怒りに変わって、このあとRichも私もDenisのご機嫌を取るのに一苦労という次第で、まったくやってくれたものです。
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