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他人様に迷惑をかけないようにしなさい の裏にあるもの (ところ変われば、を改題)「英語のそこのところ」第122回


【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2016年11月24日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
 その地域、国によって行動規範になっている文化・慣習というものがあるものですが、日本に関してはそれは、タイトルの「他人様に迷惑をかけないようにしなさい」です。それはそれでいい点もあるのですが、もちろん、反対もあります。それをNative English Speakerと話していて、痛感した一件です。 (著者)

拙著「英語の国の兵衛門」のkindle版を出版しました。

 2008年に株式会社メディア・ポートより上梓され、その後同社の解散により入手不可能になり、みなさんにはご迷惑をおかけしておりましたが(一時は、古本が2万3万ぐらいで取引されていたようで。いやはや、私には一銭も入りませんが_| ̄|○)、kindle という形で復活させることが出来ました。
これを機にぜひお手に取ってみてください。

映画や小説の台詞を英語にして英語力を鍛える「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル12」発売中!

 English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト(全10巻)で、英文法を網羅しましたので、「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル7」以降では、様々なコンテンツの名言、名台詞を英語するより実践的なトレーニングをやっています。
 ですが、この「ドリル12」では趣向を変えて、地震に遭遇した際に困っているNative English Speakerを助ける言い回しを英語にしていきます。
 Native English Speakerの多くは地震を経験したことがなく、震度2の地震でも慌てふためいて、意味もなく部屋をうろうろしたりします(実体験)。
 そんなNative English Speakerたちをちょっとでも助けられたらなと思って作ったドリルです。

覚悟して!(心の準備をして)*緊急地震速報がなった時に
(揺れを感じながら)地震が来た。
大きいな、棚から離れていよう。
やばい! まだ揺れています。
落ち着いて。この建物は充分に安全だから。
などは、英語でどう言うのでしょうか? 
このテキストを使えば、きっちり身に付きます。お試しください。

大好評! Kindle で一日500ページビュー 「English Sentence Maker」シリーズ

 English Sentence Maker は、あなたの感情や意見、思っていることを伝えるためにはどの時制や助動詞、文法事項を選ぶべきかがわかる実践英語・英会話力養成テキストです。

 著者の主宰する英会話スクール「英語・直観力」の企業向けテキストから、契約企業様向けの問題文などを差し替え、一般向けに手直ししました。

 7年間で100名以上のビジネスピープルを単独での海外出張や海外赴任ができるスキルを持った国際ビジネスピープルにした実績があります。

 ぜひ、この実績あるテキストを完全マスターしていただき、世界を相手にビックディールを成し遂げ、人生を愉しんでください。このテキストはその扉を開くカギになります。

 実践英語・英会話力養成テキストEnglish Sentence Maker は、3つの特色を持っています。

 ひとつ目は、能動的な学習だということ。
 English Sentence Maker は書き込み式のテキストです。各Lesson ごとの解説を読み、そのあとに掲載されている日本文をご自身のノートもしくはkindle のノートブックなどに英語にして書き入れてください。その際に、知らない単語は調べたりせずに、日本語のまま英語の文の位置においてください。そうすることで、知っている単語、知らない単語を区別し、身に着けるべき単語を浮かび上がらせることが出来ます。

 ふたつ目は、どの文法事項を使うかの判断基準を身に着けられるということ。
 小・中・高校と長い間英語を学ぶために、多くに人々は英語の現在形、過去形などの文法事項を知っています。しかし、残念ながら、その文法事項をどういう場合に使えばよいかという判断基準を身に着けていません。

 たとえば、ここ何ヶ月かフットボールに夢中になっているということを伝えたい場合に使うべき時制は、現在形でしょうか? それとも現在進行形でしょうか? 迷われると思います。
 この知ってはいるけれども使い方に迷ってしまう文法事項を使う判断基準を各Lesson ごとの解説でくわしく説明しています。それを理解することで、英語を使う際に十全にあなたの感情や意見、思っていることを伝えることが出来るようになります。

 みっつ目は、英語を英語で考えることが出来るようになるということ。
 English Sentence Maker は日本語を英語にしていくことで、英語を習得していくテキストです。しかも、どういうときに、どういうことを言いたいときに、どの文法事項を使えばよいかという判断基準が出来ていくために、日本語の文字面を英語に移していくのではなく、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを英語にするというスキルを身に着けることが出来ます。頭の中のイメージから英語を作ることが出来るということは、そこに日本語は介在しません。つまり、英語を英語で考えることが出来るようになるのです。

具体的には、

私は彼が来るだろうことを知っていた。

という日本語を英語にする際には、日本語の文字面を英語に移していくと、

I knew that he will come.

と、しがちです。「知っていた」なのでknew、「来るだろう」なのでwill comeというわけです。
 しかし、よく考えてください。「彼が来るだろう」というのは、「私が知っていた」過去の時点のことです。であれば、「彼が来るだろう」と書いてあっても、過去から見た未来のwould を使って、would come としなければなりません。日本語をその字面のまま英語にしてはいけないのです。しかし、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを、判断基準をもって英語にすることが出来れば、問題はなくなります。頭の中に時の流れのイメージがあるために、

I knew that he would come.

という英文が難なく作れるようになります。 英文作成力や速読力を付けたいと思っておられる方ぜひ、手に取ってみてください。必ず、英語・英会話が出来るようになります。

☆「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト」および「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル」で使っている英文はすべて、Native English Speakerと協同で製作したものです。安心して、Native English Speakerの自然な英語を知り、習得してください。

【本文】

 Thanksgiving Day ですねぇ。11月の第4木曜日はアメリカの祝日で、州によっては前日の水曜日と翌日の金曜日も休みにしてしまって、水・木・金・土・日の5連休になるのだそうです。海外ではめずらしい一斉に休みをとる時期で、家族や親戚が集まって食事を楽しんだり、アメリカン・フットボールをだらだら観たりする。日本の正月休みに近いものだそう。紅白歌合戦を観て元旦はダラダラして、2日は初売り。アメリカにもThanksgiving Day の次の日はお店がお客であふれかえるBlack Fridayってのがあるんだから気が利いている。

 Native English Speakerたち、とくにアメリカ人やカナダ人と付き合いが始まったころは、ちょっと面喰いましてね。ちょっと気を抜くと「おれ、帰るから」なんて言って急に帰っちゃう。まぁ、そこまでのことはなくても、この時期は「働きたくないぁ~い」オーラがアメリカ人のスタッフからあふれていました(笑)
 時折、フットボールの記事を読んでいて海外リーグに所属している日本人選手が、
「1月1日から試合があるんですよ。まいりました」
なんて言っているのを読みますけど、それとおんなじ。
 確かに正月から働くのはいやだろうなぁなんて思っちゃいます。
 そういうわけで、ところ変われば品変わるではないですが、場所が変われば違うことは多いんだなぁ、と感じます。

 場所が変わればということで思い出すことは、アメリカ人のCatherineにあるものを説明して、突然大笑いされたこと。アメリカにはないものだそうでして。

「ねぇ、徳さん、あの子供っぽいアクセサリーは何?」
 中央線に乗り込んだCatherineが徳田に尋ねた。あれ、あれというふうにやや遠めの席に座っている若い女性のバッグを指差す。
「指をさすな、指を」
 とCatherineに注意すると、綺麗な美少女の(美少女に綺麗を重ねるほどきれいってことです)Catherineはちらっと舌を出して反省する。悪気はないのだが、ちょっと気が抜けると天真爛漫になってしまう。それは魅力のひとつに数えることができていいのだが、そうは言いきれないところも持っている。恐ろしい。
「ああ、あれ」
 徳田はCatherineが指していたものを見た。
「あれは、プレグナントのバッジだよ」
 最近よく見るようになってきたバッジだ。子供っぽいのは当たり前だ。赤ん坊の絵が描いてあるのだから。
「なにそれ?」
「自分が妊娠していますよ~って周りに伝えるためのものだね」
「え?」
 Catherineが一瞬目を白黒させる。
 徳田は伝わらなかったのかと思って同じ内容を別の英語で説明した。
「え? ほんと? ホントにそんなものがあるの? やだもう!」
 Catherineがこらえきれないように大笑い始める。なんだか変な想像しているらしい。
「Catherine、電車の中」
「失礼。でも、徳さんが変なことを言うから」
 言わせたのは君です。
「でも、便利なものらしいよ。社長もつけてるけど、助けてほしい時に周りがすぐ気がついてくれていいんだってさ」
「?」
 くくくっと笑いを押さえていたCatherineが眉をしかめて徳田を見た。怒っている。
「それってどういうこと? そういうものをつけてないと、日本人は妊婦を助けないの?」

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