見出し画像

百人一首は、古文学習の最強の教材だ。

こんにちは。ハチドリです。

受験勉強のひとつのヤマである古文。

現代日本語と似ている部分もありながら、ちょっと違う。この共通点と相違点を認識しながら、単語の意味を覚えたり、文法を覚えたりすることは容易ではありません。

また、それらの知識が定着していても、実際の文章を解読することは難しい。和歌の解釈となると、これはもうかなりの難問です。そんなわけで、文系・理系問わず、苦労する学生が多い分野であることは間違いありません。

そんな古文を効率的に、しかも楽しく覚えられる教材があります。

皆さんの身近にある「百人一首」です。


なぜ、古文学習に百人一首?

古文の学習といえば、古文単語を覚えたり、あるいは古典文法を覚えたり、という勉強法が多いでしょう。あるいは、古典の時代背景や社会常識、いわゆる「古典常識」を覚える、という勉強もあります。

しかし、そもそも古文というのは、古代日本で実際に使われていた言葉で書かれた文章ですから、実際に使われている「現場」にふれて勉強していくことが大事です。だから、実際に当時の人たちが古文で書いた例文があったほうがいい。

そこで私が古文学習の例文としておすすめしたいのが、みなさんもよく知る「百人一首」です。

百人一首では、幅広い時代のさまざまな人々が、三十一音という短い世界に、自らの心情を詠み込んでいます。その多すぎない手ごろな分量、受験生が苦労しがちな和歌という形式、そしてもちろん内容の秀逸さ、これらを考えれば、百人一首は古文学習にうってつけの教材であると言える、というわけです。

百人一首で古文を勉強する方法

では、実際に百人一首を使って、古文の勉強を行っていきましょう。

まずは何よりも、音読。和歌はリズムの作品、音の作品です。ですから、語句の意味はわからなくとも声に出して読んでみて、音の響きをありのままに味わうことが大事です。第三首「あしびきの~」や、第十首「これやこの~」は、声に出して読むとリズムのおもしろさがわかる代表的な句です。

次に、ひとつひとつの和歌を品詞分解して、それぞれの単語の意味を理解しましょう(品詞分解というのは、書かれている古文の文章中の単語ひとつひとつの品詞と活用形、意味を分析する作業のことです)そして、それをもとに、和歌の意味を解釈していきます。第二十五首の「人に知られで来る由もがな」、第二十九首の「心あてに折らばや折らむ」などは、古典文法の確かな知識がないと解釈が難しい。

最後に、歌の意味や時代背景を調べます。これはいわゆる「古典常識」の勉強であるとともに、ひとつの歌を最大限に楽しむための学習でもあります。第六十首「大江山~」、第七十五首「契りおきし~」などは、ただ内容を訳しただけではそのおもしろさをすべて味わうことはできないでしょう。

余裕があれば、暗誦にもチャレンジしてみましょう。百首全部を暗誦するのはハードルが高いですから、まずはお気に入りの一首を見つけて、くり返し口ずさんで覚えるところからはじめるとよいでしょう。

この勉強法は、古文単語・古典文法を真面目に勉強してきた人ほど、大きく力を発揮します。確かな知識の下地があれば、ただの音の連なりだった歌の意味がわかり、おもしろく感じられるはずです。


百人一首で古典を学ぶメリット

古文学習に百人一首を使うことのメリットはたくさんあります。

まずは、古典の知識がしっかりと定着すること。
身に付きづらい古文単語や文語文法も、例文と合わせて覚えることで、単なる知識から《生きた知識》として覚えられるようになります。また、百人一首には飛鳥時代~鎌倉時代まで、幅広い範囲の和歌が揃っていますから、幅広い時代の古典常識も身に付きます。


さらに、和歌に慣れておくことで、受験で難関とされている和歌の解釈についても、力をつけることができます。和歌独特の修辞技法は、百人一首でバッチリ身に付けることが出来ます。また、歌の意味をその背景とともに理解することで、難関大の入試で求められる「背景をもとに和歌を解釈する」、ということができるようになります。


そして何よりも、百人一首での勉強は楽しく効率的。たった31文字×100首ですから、全てを読みとおすのにかかる時間は、ほかの古典より圧倒的に少なく、時間を効率的に使うことができます。また、一首ごとに違った世界を味わえますから、飽きが来ることもありません。


受験生が苦労しがちな古文の学習。しかし、百人一首を教材にすれば、古文読解の基礎力がつくことは間違いありません。

あなたも百人一首を手に取って、楽に、楽しく、古文を勉強してみませんか?


穎才学院の公式HPはこちら
入塾希望者は随時受付中です。私たちと一緒に勉強してみませんか??
無料体験授業の申し込みはこちらで受け付けています。お気軽にお申し込みください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?