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英語リスニング、なぜ頭に残らないのか? 

英語リスニング学習の悩みとして、英語音声が頭に残らないので、意味が解からないという悩みが多く聞かれます。
なぜそうなってしまうのか、その原因と、どのようにすれば頭に残るようになるのかを解説します。

英音研リスニング学習の詳細は英音研公式サイトご覧ください。
英語リスニング専門教材・オンライン学習『英音研』公式サイト (eionken.co.jp)

英語リスニングにおいて、英語音声が頭に残らない原因(1)英音認識力不足
英語リスニングにおいて、英語音声が頭に残らない大きな原因として、英音認識力不足が挙げられます。
英語と日本語の発声特性は、構造的に大きく異なります。
日本語環境で過ごしている私たちは、日本語の発声特性の日本語音声をキャッチできるように聴覚脳が構築されています。
そのため、それと大きく異なる発声特性である英語音声をキャッチすることが難しくなるという訳です。
それでは英語と日本語の発声特性はどのように異なるのでしょうか?
言語発声特性として、強い音・弱い音、高い音・低い音があります。
英語は主として強い音・弱い音の出し訳で単語や文意を表現することが特徴となっています。
これに対して、日本語は主として高い音・低い音の出し訳で単語や文意を表現することが特徴となっています。
英単語の発音記号にはアクセントが付記されていますが、英語ネイティブスピーカーは主としてアクセントのあるアルファベットを強く発声し、アクセントのないアルファベットは弱く発音します。
日本語ネイティブスピーカーは主としてアクセント部分を高い音を出して発声しがちです。
また英語ネイティブスピーカーは主として1文の中で強調したい単語は強く発音し、そうでない英単語は弱く発音します。
例えば “While there is life there is hope.”(生きているかぎり希望がある。)という格言の場合、“life”と“hope”が強調される英単語となりますが、英語ネイティブスピーカーの場合、発声を強めることで強調します。
これに対して日本語ネイティブスピーカーは、この2つの単語の発声を主として高くすることで強調しがちです。
リスニングとして日本語ネイティブスピーカーは主として高低音で発声言語を認識しようとする聴覚脳になっているので、英語の強弱音での発声音を認識することが苦手となる訳です。
発声音の強弱、高低に加え、発声音階、息の流れの強さ・弱さ、発声リズムの長短、発声時の舌の力感などに関して、日本語と英語では構造的に異なることが、私たち日本語ネイティブスピーカーが英語リスニングを苦手とする大きな原因となっています。
これらの日英の発声特性の構造的な違いを英音研では解明し、チャートに図示することで視覚的に理解できるようにしました。
そして、これらの構造的な違いをどのように克服するかも英音研学習にて提示していますので、ぜひチャレンジしてみてください。
英語の聴覚脳を構築することは、短期間では難しいものがありますが、1日15分でも毎日継続的に英文音読トレーニングを実施することで可能となります。
また、一旦構築できても、日本語環境で日常生活を送る私たちは日本語発声特性に戻りがちとなります。
ですので、毎日短時間でも継続的に英音研学習に取り組むことが英語聴覚脳の維持に役立ちます。
また英語リスニングテストの直前に英音研学習をして、英語聴覚脳を直前復活させることも効果的です。


英語リスニングにおいて、英語音声が頭に残らない原因(2)英単語・英熟語力不足
英音のリスニングにおいて、発声音声の中に意味がわからない英単語・英熟語が入っていると、その部分の英語音声は意味を認識できず、英文音声の意味合いがぼけた感じになります。
上記の英音認識力の向上で英音としてキャッチできたとしても意味は分からないと状況となります。
日本語ネイティブスピーカーにとって英語は外国語ですので、英単語・英熟語の習得は避けて通れない道となります。“red“が「赤い」を意味するということに理屈はなく、ともかく覚えるしかありません。
昨今、語源で英単語を覚える書籍も出版されていますが、残念ながら、語源で説明できる英単語は限られており、また語源自体を覚えることも大変なので、英単語記憶問題を全面的に解決する手段とはなりえません。
大学受験の英単語の記憶数は6000語と言われていましたが、25歳の英語ネイティブスピーカーの英単語数は2万5000語程度と言われています。
英検1級やTOEICで950点以上の語彙力は1万2000~1万5000語とも言われています。
1万2000語までですと、アルク社のStandard Vocabulary Levelで整理されていて、各種の記憶用書籍やアプリが販売されていますので、ともかく地道に覚えるしかないと思います。
しかし、1万2000語超から2万5千語に英単語集に良いものがなく、英語学習者としてはつらいものがあります。
英音研スタッフでは3万5000語までの英単語集にチャレンジしたこともありましたが、専門的すぎる名詞などこんな英単語覚える必要があるのかとネガティブな感情にさいなまれてなかなかの苦行でした。
もちろん1度や2度見たくらいでは記憶することできません。
英熟語に関しては大学受験向けの英熟語参考書が販売されていますが、これも1000から2000個程度ですので、英語ネイティブスピーカーのレベルからするととても足りません。
しかし、なかなか良い教材が発売されていないのが現実です。
さすがに英熟語辞書の10万語などを記憶するのは現実的ではありません。
2万語や4万語程度を搭載した英熟語集が販売されていますが、それでも収録数が多いので、例文を読み通すだけでも大変です。
しかし、英単語と異なり、比較的よく知っている英単語の組み合わせで例文もわかりやすいものがありますので、英熟語学習の方がモチベーションの維持がしやすいものがあります。
そのほか、米国映画やテレビドラマを楽しもうとするとスラングの学習も欠かせません。
スラングは定番スラングもありますが、昨今ネットスラングがどんどん産み出されて普及しており、アップデイト作業も欠かせません。
スラングを解説しているWebサイトもいくつかありますが、多くても500語程度しか掲載されておらず、それではとても記憶学習数としては足りません。
1万語程度の学習は必要なようですが、なかなか良い参考書がないので、これも英語学習者にとって課題となっています。
丁寧語の文語英単語が2万5千語、丁寧語の英熟語・口語熟語が2万語、俗語スラングが1万語となると、合計5万5千語でなかなか厳しい記憶数です。
世の中には語学の才能にあふれた方々がおられ、一度、見たら記憶できる人もいるようです。
しかし、そうでない人の方がはるかに多いのが現実です。日々、地道に頑張るとしても、仕事やほかの勉強をする時間も必要だと思います。ある程度のところで諦めて、気になる英単語・英熟語はその都度意味を調べるというのが現実的だと思います。


英語リスニングにおいて、英語音声が頭に残らない原因(3)語順通りの認識力不足
例えば、“Who can read the future?”という英語の格言があります。
これを日本語に翻訳すると「誰に未来が読めるのか。(誰にも未来は読めない。)」となります。
英文を語順のまま日本語に翻訳する「だれが、できるのか、読むことを、未来を」となります。
文字で英文が書かれていれば、日本語を介して理解するために、英文の語順は無視して、日本語で理解できる語順に変換して理解することは可能です。
しかし、英語リスニングの場合、英語音声のみですので、英単語の音声は発せられた順にどんどん消えていきます。
ですので、英単語が発せられる語順の順番で意味を理解できるようトレーニングを積むことが必須となります。
当たり前ですが、英語ネイティブスピーカーの方々は、英語の語順のまま、発せられて英文の意味を理解していきます。
とはいえ、日本語ネイティブスピーカーがいきなり、英語を英語のまま意味を理解していくのは難しく、とりあえず、1単語1単語速攻で日本語に置き換えて、英語の語順の通りに意味を理解していくことが現実的となります。
1分間英単語発声スピードが140~180語くらいの非常にスローテンポでしたら、この方法でもなんとか対応できます。
英会話のナチュラルスピードと言われている1分間に250単語となってくると、日本語を介していると意味の把握が難しくなるので、単語の意味するところをイメージ化して意味を把握するという方法が必要となってきます。
しかし、米国テレビドラマでの俳優の方々の普通のセリフ発声スピードは300語を超えることも頻繁にあり、これだけの高速スピードになると、1単語1単語日本語に変換する方法やイメージ化する方法でも、発声英音の意味を理解することは難しくなります。
英語の発声特性での英文音読トレーニングを積んでいくと、高速の英語でも単語ごとに発声音を理解することが可能となってきます。
そして、把握できた単語ごとの音の流れで、英単語のまま意味を理解していくというトレーニングを積むことで英語音声が頭に残らないという課題を克服することになります。
英音研学習では、1分間に180語程度、250語程度、330語程度という低速、中速、高速の3段階で、米国人ナレーターが英文を読上げている教材を提供しています。
1分間に330語の発声スピードはなかなかタフなものがありますが、英文音読トレーニングを積み重ねると、どのように発声すればそのようなスピードで発声できるのかが体験的につかめてきます。
それにより、英音聴覚脳が構築され、さらに英語語順のままで理解するトレーニングを積み重ねることにより、英語音声が頭に残らないという課題を克服していくことなります。


英語リスニングにおいて、英語音声が頭に残らない原因(4)実用英文法力不足
日本の大学入試の英文法の問題は、ほとんどの受験者が正解だったり、不正解だったりすると入学試験の意味をなさないので、受験者のうちある程度の正解が出て、ある程度が不正解となるよう得点差がでるような用例、例外事項、テクニック的な変換問題などが多く見受けられ、英文法嫌いになった方々も多いものと想定されます。
言語である以上、全部ルール通りという訳にはいかず、例外が存在することは仕方がないことですが、例外はあくまで例外であって、通常のルールでの英語が大多数であることも事実です。
文字化された英文解釈ではかなり難しい構成の英文がでてくることもありますが、音声のみの英語リスニングでは、通常ルールの英文音声が使われることが多く、その英文音声を通常の英文法に沿って理解できればOKとなります。
ですので、いわゆる実用英文法を頭に刻み込むことが非常に重要となります。
英語スピーキングでは特にそれが重要となりますが、英語リスニングの場合は、英語ネイティブスピーカーが正しい文の構造で英語音声を発してくれているので、その意味するところを理解できる程度の実用英文法を理解できていることで十分となります。
昨今、実用英文法の良書もいくつか出版されていますので、この分野は努力の問題となりつつあります。ですので、実用英文法を1冊やりこめば、英語音声が頭に残らないという課題解決の一助となります。


英語リスニングにおいて、英語音声が頭に残らない原因(5)英文の背景知識不足
なじみのない話題の英語リスニングは理解がむずかしいものとなり、英語音声が頭に残らない原因となります。
英語音声で扱われているテーマを読んだり、聞いたりしたことがあると、話された内容を理解しやすくなります。
英語リスニングテスト対策をするならば、その試験のリスニングテストで扱われているテーマに関して、日本語でもよいので少し勉強することで、英語音声の内容理解が向上します。
これにより、英語音声が頭に残らないという課題解決がある程度可能となります。
ただ、仕事や他の勉強で時間の制約が大きい状況のもとで、多種多様なテーマをカバーするのは難しいので、ある程度の学習であきらめるというのも現実的な解だと思います。


まとめ
英語リスニングにおいて、英語音声が頭に残らない原因は以下の5つとなります。
(1) 英音認識力不足
(2) 英単語・英熟語力不足
(3)語順通りの認識力不足
(4)実用英文法力不足
(5)英文の背景知識不足
大学入試の英語試験対策をそれなりにやりこんだ方々は、英単語・英熟語及び英文法についてはそれなりの知識があるはずで、その方々において英語音声が頭に残らない主な原因としては、英音認識力不足と語順通りの理解力不足となります。
この2つについては英音研学習でカバー可能ですので、ぜひトライしていただきたいと思います。