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統計調査士試験を受けました/めざせスピード合格

専門統計調査士試験に合格して早2ヶ月。

意味があるかは分からないが、やっぱり受けたからには「専門統計調査士」を名乗りたい。統計学会の戦略にしっかりとはまって受けてきました、統計調査士試験。その時のレポートです。

なお、前提として一応書き手は統計検定2級・専門統計調査士の知識を持っています。同じくらいで、ここまで来たなら統計調査士試験もついでに受けて専門統計調査士名乗ってみるか、という方に特に有用かと思います。


統計調査士とは

公式の説明は↓の通りです。

3級+αが公式の説明です。試験時間は60分、30問が出題されます。70%以上の得点率で合格です。統計検定が60%、専門統計調査士が65%だったのを思うとそれなりに高めの得点が求められます。
受験料が7,000円、学割で5,000円というのは、専門統計調査士のエントリにも書きましたね。やっぱりちょっと高いよなあ…とは思います。
受験方法はCBT。楽でいいです。

統計調査士と名乗るには「統計調査士試験合格」専門統計調査士と名乗るには「統計調査士試験合格」・「専門統計調査士試験合格」が必要です。
今回私は既に専門統計調査士試験には合格しているので、統計調査士試験にも合格すれば晴れて専門統計調査士(ついでに統計調査士)認定です。

統計調査士試験のレベル感

過去問を見ると、統計検定3級かそれより少し難しいかくらいの問題が10問程度、統計調査士試験でしか問われないタイプの理論問題が10-15問程度、専門統計調査士試験と被ったタイプの理論問題が5-10問程度といったところです。結構暗記要素の強い問題が多いです。この辺が専門統計調査士試験との違いでしょうか。

満点を取れ、と言われたら正直専門統計調査士試験や統計検定2級より厳しい気がします。統計法(方法でなく法律の方)だったり、統計の歴史、公的統計の取扱機関だったりと序盤10問は完全知識ゲーです。

適当に例を提示してみましょう。

  • 法人企業統計は経済産業省が作成している。(正しくは財務省)

  • 基幹統計の数は50に満たない(正しくは53種類)

上の問題は勘が良ければ法人なら財務省では?で解けるかもしれません。下はもう知ってるかどうかでしょう。上のはいずれも過去問の改題で、よく似た内容が問われています。
過去問で問われてるこういう細かい論点の問題は回転して抑えるとして、初見でこういう問題にもちゃんと対応するならばテキストをしっかり読み込んで暗記する必要があるでしょう。それは多分2、3ヶ月くらいはかかるんじゃないかと思います。

しかし、そんなことをする必要はないです。そもそも2、3ヶ月を費やすならRとかの使い方をマスターする方が殆どの統計を知りたい方にとって有用です。
後述する通り、専門統計調査士や統計検定2級合格レベルの方なら長くとも1週間くらい軽く勉強すれば充分合格レベルに達すると思います。

勉強方法

専門統計調査士試験のエントリと内容があまり変わらなくて申し訳ないのですが…。以下の2冊を使用しました。

①公式テキスト

最近新版が出たみたいです。まあ買わなくてもなんとかなりますが...。こういう本を買ってしまうのは自分の性です。結構読みやすいと思います。
統計検定2級に受かっている方なら5・6章は既習なので読む必要はないかと思います。

②公式問題集

もうこれは統計調査士試験に限らずですが、過去問分析は重要です。問題のレベル感や試験の構成を知る上で非常に参考になります。専門統計調査士試験の過去問集と同一のテキストです。受験料が高い分、これはとてもありがたいですね。

過去問の傾向を見ると、理論ベースの問題が20問程度、計算ベースの問題が10問程度出題されることが分かります。計算問題の難易度は高くないので、これを10問取り切れば、あとは理論20問のうち11問、つまり55%程度を確保すれば合格です。
加えて言えば、後半10問のうち5問くらいの社会統計の問題ははっきり言って常識で十分解けます。従って、残り15問のうち6問を正解すれば一応合格レベルに達します。この程度ならば、1週間くらい過去問を回転して、分からないところはテキストを確認して...という形で充分達せられるでしょう。

戦略というほどでもないですが、このくらいの心持ちで合格したいと思いながら勉強しました。

勉強時間

思っていたより忙しく、全然時間が取れませんでした。試験前日と前々日、合わせて5時間あるかないかくらいだと思います。
一応過去問3年分とテキスト巻末の模擬問題を解き、間違った選択肢や判断に迷った選択肢などを中心に軽く2回転くらいはしました。テキスト自体はほとんど読めてないです。

過去問解く時は、年度ごとの成績にはあまり拘らず、選択肢の正誤判断が適切にできたか?を重視することをお勧めします。結局は本番の試験に受かるのが大事で、過去問での点数はある程度の参考になれど、それに一喜一憂するのは時間の無駄です。幸いにも、この過去問集はこうした肢ベースでの学習が効率的な、問題の下に解答があるという構成をとってくれています。是非お試しください。

結果

そんなこともあり、戦々恐々で受けた試験ですが結果は73点で合格でした。あぶねー。大体30-40分くらいで解き終わりました。よほど序盤の理論問題に時間を使わない限り、時間が足りないということはないでしょう。
内訳は序盤10問程度50%、中盤10問程度75%、終盤10問程度83%でした。
記述統計の問題のフリをした知識問題に終盤の問題の正答率を押し下げられたように思います。だいぶギリギリですがまあ合格は合格。得点率も戦略通りです。

試験のコツなど

コツというほどでもないですが...。

  1. 「適切なものを選べ」と「適切でないものを選べ」に注意
    この試験、両者が大体6:4-7:3くらいでどっちも出てきます。どっちかの場合には下線や太字で強調があるみたいな配慮もありません。
    ここで変に引っかからないことが大切です。CBTは問題にマーキングとかもできないので余計注意。

  2. 選択肢を俯瞰する
    選択肢をざっくばらんに見て×と判断できることもあります。運ゲーのときに確率を高められるのは地味に大きいです。例を出してみましょう。

    1. A: 公的統計 B: 国勢調査 C: 総務省
    2. A: 公的統計 B: 国民経済計算 C: 内閣府
    3. A: 基幹統計 B: 国勢調査 C: 内閣府
    4. A: 基幹統計 B: 国民経済計算 C: 総務省
    5. A: 基幹統計 B: 国民経済計算 C: 内閣府

    このとき、一番正解っぽいのは5です。この試験、基本5択なのでこういう問題だとA、B、Cそれぞれ候補となる用語2つが2:3で出てくることがあることがままあります。そうなると、A、B、Cそれぞれの候補で3つ出ている方の用語が出ているのは選択肢5だけなのです。
    他は何がまずいか?たとえばA: 公的統計が挙がっている選択肢1と2。これはあとはBとCのうちいずれかが分かればもう一方が分からなくても正解に辿り着けます。3、4も同様です。
    5はこれが難しいのです。少し試してみてください。
    ここまで露骨でなくとも、たとえばもしCが「XX」だったら、AとB分からなくても選択肢は4しかないから逆に答えは4ではない、みたいな感じで正解の確率を上げることはできます。出題者の意図を汲むのがコツです。
    ABCのいずれかの解答が分かっていれば正解に辿り着ける確率はグッと上がります。まあ、もちろんこれに関しては外れることもあるので小耳に挟んだ程度で…。そもそも普通に解けるに越したことはありません。

  3. 「必ず」「常に」は基本「適切ではない」肢
    もはや統計検定関係なくなってきました。しかしやっぱり、この法則はこの試験でも有用です。適切なものだったり適切でないものだったりを選ぶ試験ではありますが、この言葉が出てきたら「適切ではない」肢と思ってほぼ間違いないです。過去問でこれが「適切である」肢であったことは多分なかったと思います。(あったらごめんなさい)

このくらいでしょうか。コツというかなんというか、統計全然関係ないですね。

終わりに

という訳で統計検定2級合格から2ヶ月、専門統計調査士、統計調査士をコンプしました。3月いろいろ遊んでいたのでだいぶ時間がかかりましたが、集中してやれば2週間弱で充分両試験共に合格レベルにどなたでも達せられると思います。統計調査士は試験内容があまり面白く無いのが玉に瑕ですが…。
来月には合格証と一緒に専門統計調査士と統計調査士の手帳風証明書も届くんでしょう。地味に楽しみです。次は統計検定準1級か?いつ受かるのかな…。それではまた。

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