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専門統計調査士試験を受けました

統計検定2級に合格して大体10日。今度は専門統計調査士試験を受けてみました。統計検定以上にマニアックな資格でエントリも少ないので、今回はその辺のことについて書いてこうと思います。

私がこれまで学んできたことなどは前回のエントリ↓をご参照ください。統計の知識は統計検定2級合格程度です。

専門統計調査士とは

さて専門統計調査士とは、↓のような民間資格です。

一応公式では統計検定2級程度の知識に加えて、調査の企画・実施・運営において注意すべきことを問うと書いてます。結構面白いです。

試験自体は「統計調査士試験」と、「専門統計調査士試験」の2つがあります。一応専門統計調査士の方が上位資格の扱いみたいですが、試験で問われる内容は両者で多少異なります。統計調査士試験を受験するなら、統計調査士試験用の対策をすべきでしょう。
少し分かりにくいですが、「専門統計調査士試験」に合格するだけでは専門統計調査士には認定されません。専門統計調査士に認定されるには、「統計調査士試験」と「専門統計調査士」の二つの試験に合格する必要があるようです。
「統計調査士試験」は受験料が7,000円、今回の「専門統計調査士試験」は受験料10,000円!なんと1級と大して変わりません。というか専門統計調査士と名乗るには1級受験料以上のお金が必要です。なんだかハイコストローリターンな気もしますが、まあ良いでしょう。仮に受けるとするなら何としてでも合格したいところです。(今回私は学割を使ったので8,000円で済みました。それでも高い!)

受験方法自体は普通の統計検定とかと同じCBT形式。90分で40問が出題されるので統計検定2級より問題自体は多いです。ただ、後述しますが計算自体の量は少ないので、時間は余り気にしなくていいです。2級ほど時間にシビアになる必要は無いかな。65点以上で合格。2級(60点以上で合格)より少々合格点が高いです。

専門統計調査士試験のレベル感

公式には2級より上の扱いなのですが、実際どうなんでしょう。計算をするタイプの問題については明らかに2級の方が難しいので、2級には苦労しても専門統計調査士試験には受かる、という方も当然にいると思います。
じゃあ2級取っていれば余裕かというとそうでもないでしょう。社会調査の理論の問題は2級では全く取り扱われないので、ノー勉で行ったら確実に痛い目を見ると思います。過去問も、一見常識で解けそうに見えて解いてみると意外とポコポコ間違えるので見かけによらず怖いところがあります。これは他の方のエントリでも同じようなことが書かれているのを目にしました。
とはいえ、理論は良くも悪くも覚えれば良いのです。2級を取った方は、ついでにチャレンジしてみると良いのではないかと思います。

勉強方法

以下の2冊を頼りにしました。というか資格がマイナーでこれ以外に専門統計調査士を冠した本が無いので、いずれかを減らすという選択肢はあれどここから更に追加するという選択肢はなかなか難しい気がします。一応社会調査の本が参考になるのかな?

①公式テキスト

2級のエントリではテキストが分かり辛い!と書いてしまいましたが、こっちのテキストは特に前半は理論ベースだからか結構分かりやすいと思います。コラムとかもあって結構面白いです。後半の計算の方はやっぱり難しいです。2級に合格した今なら読めますが、初学者の時だったら???だと思います。

②公式問題集

PBT時代の公式問題集。これは大事です。正直テキストは無くても合格できる気がしますが、これ無しで合格はかなり厳しいのではないでしょうか。
問題のレベル感や試験の構成を知る上で非常に参考になります。

私はテキストをとりあえず一読して、あとは問題を解いて間違った箇所を中心にテキストを読む形で勉強しました。過去問も、引っかけの肢とかはポイントをマーカーで引っ張って、正しい肢は別の色のマーカーでポイントを目立たせるように簡単に加工しました。こうすると効率的に過去問を回せます。
多少分厚いテキストのように思えますが、第4章の計算分野は2級の知識とモロ被りなので読む必要はないでしょう。なんなら私は第3章の抽出のところも費用対効率が悪いように思えて読んでませんが、まあそれでも受かります。
PBT時代の過去問については、前半理論、後半計算という感じで出題されていました。こちらも前半の理論分野を中心に問題ベースで学習しました。実際の試験でどうだったかは記述を控えますが、少なくとも過去問の計算問題の難易度は2級のそれより概して低いです。標準正規分布表等の配布が試験場でされない時点でその辺は察せられるでしょう。

勉強時間

10日程度といった感じです。ただ、思ったより立て込んでいたので、時間で言えば10時間くらいでしょうか。本読んで、過去問解いて、間違ったところ中心に見直して…と言った具合です。

結果

結果は一番上の画像の通り75点で合格でした。セクション別分析、「標本設計、推計、データの整理」の分野が正解率29%!うわっ…私の正解率、低すぎ…?
実際、読み飛ばした抽出の問題とか、2級の勉強では見なかった指数とかが出てきたのもあり、言われてみればこの分野の正答率低そうです。とはいえ29%…。修行を積み直します。
やっぱりというかなんというか、時間はかなり余りました。私は理論系の四肢問題は流石に軽く見直すくらいはしますが、基本的に最初に選んだ選択肢が正しいと思うタイプなので、それもあったのでしょう。試験時間は90分と書きましたが、50分くらいで終わった印象です。

コツでもなんでもないですが、「適切でない選択肢を選択せよ」と「適切な選択肢を選択せよ」の誤読は注意した方がいいように思います。この試験、基本的には「適切でない選択肢」を選ぶのですが、それなりの頻度で「適切な選択肢」を選ぶ必要も出てきます。しかも問題文に下線部が引いてあるとか、太字になっているみたいな配慮はありません(あくまで過去問の話ですが)。統計調査だったらそれダメだろという気はしますが、変にハマらないように注意する必要があります。

終わりに

本当ならここで「統計調査士試験」にも合格して専門統計調査士の手帳をもらいたいところなのですが、ちょっと1ヶ月ほど予定が入ってしまっているので、またその後に今度は「統計調査士試験」にチャレンジしようかと思います。

専門統計調査士試験、なかなか面白かったです。データを分析するに際してのデータは、そもそもどのように集められるかということを知れるという点では、学ぶ価値は大いにあると思います。ただ、過去問を見れば明らかな通り、理論が中心になってしまってうっかりすると正規分布を知らなくとも合格点に達せられるというのもちょっと怖い気はします。やっぱり、公式に言うように2級+αの資格だということを意識して、推測統計とかの勉強も並行して進めながら受験するのがベストだと思います。推測統計の点数が低かった私が言うのもなんですが
それではまた。このエントリがどなたかのお役に立ったならば幸いです。

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