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統計検定2級を受けました

こんにちは。先日統計検定2級を受験してみました。その時のことなどを記そうと思います。

なぜ受験しようと思ったのか?


受験を志した経緯は主に2つで、1つは単純に統計に興味があったから。修論などを書く中で、データ分析の必要性を痛感し、遅ればせながら統計をしっかり学んでみようとしたというのが大きかったです。もう1つは、会計士試験の選択科目に統計学があるから。恥ずかしながら短答式で足踏みしてしまい多忙で半休状態にある会計士試験なのですが、今後再び目指すことになった際、論文式の選択科目の1つにある統計学について素養を今のうちに築いておけば今後の勉強が効率的になるだろうと考えました。ただ、こっちの方は多少遠大な計画という感じ。正直なところ、単純に統計に興味があったというのが大きいです。

勉強法とか

私のスペック


文学部という数学から最も縁遠い学部出身ではありますが(実際はそうでもないが!)、一応大学受験で二次試験でも数学を課すタイプの大学を受験したので、数学IAIIBは履修済み、Σ計算や微積分については一応基本はまだ覚えているといった感じ。
ただ、いわゆる統計という分野については、数学Iで課されるデータの分析をやった程度。数学Bにしれっと存在する統計的推測の分野については教科書を見たこともない。

大学時代は数学はあまり使う機会はありませんでした。バイトで中学生の数学を教えることもあったが、その程度。統計学については授業をとったこともない。つまり推測統計に関する知識は完全にゼロと言っていいでしょう。
一応1年くらい前に公式テキストと問題集で3級を取得しました。

統計検定2級のレベル感

過去問を見てみるとわかりますが、2級は結構計算の比重が大きいです。3級では触りといった感じだった推測統計の領域に足を踏み込むため、わりかし複雑な計算もする必要が出てくるでしょう。
この推測統計が3級と2級の大きな差のように思います。統計学は大別して記述統計学と推測統計学の2つに分かれます。記述統計学は、簡単に言えば得られたデータを分かりやすく整理し記述する分野であるのに対して、推測統計学は得られた標本のデータから元の母集団を計算を通して推測しようとする分野です。

私の世代の受験で課せられた「データの分析」なんかは記述統計学の分野に入ります。偏差とか、分散とか、相関係数とか…。
3級も一部推測統計に足を突っ込んでるとこもありますが、大部分は記述統計の分野から出題されます。推測統計のところはよく分からなくても、ところどころ暗記を駆使した上で推測統計の分野を乗り切り、記述統計の分野をしっかり解くことで大して新たな勉強することなしに合格できるでしょう。

2級はこの推測統計が本格的に登場します。記述統計の分野も相変わらず登場するが、比率は半々くらいといった具合か。従って、推測統計の分野をしっかり理解しながら学習する必要があります。

勉強を始めるが…

というわけで、3級と同じように公式テキストと過去問集を使って勉強を始めたのですが、これが分からない。Amazonのレビューを見ると大体同じようなことが書いてあるのでするが、このテキスト、初学者にはちょっと難しすぎるのです。見事に挫折し、それから半年くらい統計のことを忘れて日々を過ごすことに。

使った参考書など

その後修論を書くに際して、やっぱり統計は大事だと思い至り(今更)、かつて挫折した推測統計の分野についてまた学習をしようと思い立ちました。学習に際しては、主に2つの本、サイトを参考としました。

①とけたろうチャンネル
とけたろうさんは、YouTubeとブログの方で統計に関する情報を発信しています。無料でこんなに見ていいのかという感じですが、18本の講義+補講で統計検定2級の試験範囲をカバーしてくれています。基本的にはこれらの講義をノートにまとめ、ブログにある演習を解くという形式で学習を進めました。

②公式問題集
統計学会の方から公式の書籍は何冊か発売されていますが、基本は↓のCBT対応版1冊で十分かと思います。

ある程度知識がつかないと特に推測統計の分野は解説の内容が分からなくて辛いかも。学習が終わった範囲の問題を解くという形で併用しました。
ノートにまとめていなかったけれど、過去問では問われていたような多少応用的な内容なんかは新たにノートに内容を付け加える形で対応しました。

基本はこの2つで十分かと思います。とけたろうさんのブログは非常に優れていてとてもおすすめですが、合格のための絶対的な演習量はどうしてももう少し必要なので、これをカバーするために公式問題集を使いました。

結果

結果は無事合格でした。点数は74点で内訳は記述統計100%、確率・分布75%、推定・検定57%でした。
推定・検定の分野の点数が低いのは不本意ですが、甘い見込みでCBTの試験日を設定した結果、終盤駆け足で学習することになってしまったので致し方ないでしょう。
得点の絶対量に差はあれど、問題(というか分野)の難易度的には多分多くの人がこんな感じの得点比率になるのではないかと思います。問題の難易度の低い序盤をスピーディにミスなく解いて、比較的難易度の上がる推定・検定・回帰分析の分野をしっかり時間を使って解けるかが合否を分けるカギです。90分で30問くらいが出題されますが、1問3分と見込んで記述統計のタイプの問題にこんなに時間をかけていたら確実に試験時間後半痛い目を見ます。

最終的な勉強時間は?

具体的な勉強時間はちゃんと記録はとっていませんが、一応学習開始から1ヶ月半くらいで合格することができました。うち3週間くらいは修論に手一杯で完全に勉強を放置していたので、実質3週間くらいといったところでしょうか。勉強した日は、1日1-3時間くらいのレンジで勉強していたように思います。試験日前はまとまった時間が取れたので、集中的に過去問を解きました。1日2−3時間くらいまとまった学習時間を取ることができる人なら、頑張れば2週間くらいで合格することも不可能ではないと思います。少し大変かもしれませんが…。

これから

統計検定3級を取ろうと思った時から2級くらいは取りたいな〜と漠然と思っていたので、今回合格できてかなり満足しています。

統計検定、まだ知る人ぞ知るというところがありますが、人から伝え聞く20年くらい前の統計学の知名度とかを鑑みると、データサイエンスのこの時代にホットな検定であることは疑いようがないと思います。文学畑の私ですら研究で統計知らないのまずいな〜と思って勉強始めたわけですし。PBT時代の受験者数も、コロナ禍の2021年を除いては明らかに増加傾向にあります。
しかも今の高校生は指導要領の改正で検定のイロハくらいはしっかり学んだ上で大学にやってきます。彼らと同じ目線で話すためにも、統計の知識、ひいては統計検定の人気は高まるのではないのでしょうか。

私自身はどうしよう。2級と同難易度の試験としては、同じく統計学会が実施している専門統計調査士の試験があります。統計検定はがっつり数学!という感じですが、こっちは実際に統計調査をするときの注意点とかも学ぶ必要があり、これはこれで結構面白いので、ばーっと勉強して来週くらいには受験してみようと思います。民間団体のなんちゃって士業資格とはいえ合格するとなんか手帳がもらえるみたいでかっこいいし。名前もちょっとかっこいい。(一応、専門統計調査士と名乗るにはこれに加えて統計調査士の試験もパスする必要があるそうです)

純粋なレベルアップとしては統計検定の準1級が目標となる…のでしょうか。準1級のある検定ってなんだかどの検定もこの準1級というレベルがなんだか「ガチ」感があります。完全に個人的な感覚ですが。
どのくらい時間がかかるかは分かりませんが、ぼちぼち頑張ってみようと思います。何より統計学、面白いので!



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