僕は、夜に夢を見るんじゃない。一日中夢を見ているんだ。生きる糧として、夢を見ている。-スティーヴン・スピルバーグ-
タイトルは適当に名言を拾っただけで申し訳ないが全く関係ない話をする。
酷い夢にはニ種類ある。
一つめは、わかりやすい悪夢。芋虫の大群の中を歩いたり、カルト教団が家に詰めかけてきたり、ピエロに殺されかけたり、奇妙な目をした女にじっと見られたり、アメリカが崩壊したり、嫌いな人間をタコ殴りにしたり、叫んで顎が外れたり、動物を傷つけたりする夢。
大抵は体調が悪い時や、疲労してイライラしながら眠りについた時や、二度寝したり変な時間に寝た時に見る。
こういう夢を見るとしんどいが、楽しい時もある。崩壊してゆく建物を海外の美少女と眺めたり、極彩色の螺旋階段を登って頭が四分の一削れた男から逃げたり、これまで詰め込んだ映画やアニメや本や現実のごちゃ混ぜを原料に作り上げられたクリエイティブな世界が脳内再生されるのは楽しい。あぁ逃げ切った、よかった、と思って目覚めた瞬間も爽やかな気持ちになれる。
しかし二つめの種類の酷い夢は、カス脳みその単なるサディスティックな嫌がらせである。そうそれは、現実でなしえなかった願望を再現して見せてくる夢。
例えば好きな男が自分ではない子と付き合っていたことを知った日に、その人が自分に告白してくる夢を見る。親友と言い争いをした日に、向こうから謝ってくれて仲良く星を眺める夢を見る。ひとりぼっちで寂しい時に、友達オールスターズと遊んで、永遠に終わらないで欲しい気持ちになる夢を見る。バイトをクビになった夜に、元彼が「君は誤解されやすいけど本当はいい子なんだよ」と声をかけてくれる夢を見る。
目覚めて現実に引き戻された時にどんな気持ちになるか、このバカ脳みそは考えないのだろうか?もしかして自◯に追い込もうとしてる?
目覚めた時に、誰も私なんか全く好きじゃないし、昨夜の言い争いLINEはこちらが送って以降未読無視のままだし、どう足掻こうがひとりぼっちで、今地球上で私のことを考えているのは私オンリーだし。勝手に他人の口を使って自分に都合の良いことを言わせて、好きって言われて嬉しい〜!良かった〜仲直りできて!よかった〜皆がいて!って思いながら目覚めて、灰色の現実に直面するホラー。悪夢なんかより余裕で怖すぎて震える。
あまりに過酷な現実から逃避して気持ち良くなるために脳内で映像を生成して垂れ流して満足して、切れたら禁断症状が...ってクスリをやってる方と同じでは?人間やめますか?それともずっと夢見るのやめますか?私は
END
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