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立冬(星の泡)#二十四節気の手紙

一年を春夏秋冬の4つに分け、さらに約15日ごとに分けた二十四節気。農業の目安として季節の変化に対応するために中国より伝来したと言われています。

移ろう季節をより身近に感じることができたらと思い、ドリンクスタイリストのemmyと、いけばな作家のMayu Araiによるドリンクとお花の交換会をはじめました。

二十四節気の時季に合わせ、お手紙のやりとりをしていきます。
今回は第二十二回目の『立冬』、emmyからのお手紙です。


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Mayuさんこんにちは。

ひゅうっと肌をかすめるつむじ風に背中を押されるような、急き立てられているような気がすると思えばすっかり冬の暦、立冬の節気なのですね。

土や木々がパタパタと忙しなく気配を感じるのは寒い冬を越すために備えているからなのでしょうか。街もこれから師走にかけて年を越す準備をはじめる頃ですよね。


Mayuさんからいただいたお手紙での枯れていく様を見届ける照葉とあざやかな野ばらの実のコントラストがとても美しかったです。移ろう時間は手元にある葉も共有しているのだな、と改めて感じました。

飛ぶように時間が過ぎていく時期だからこそ、自然が教えてくれるふとした瞬間がいっそう愛おしく感じます。



この頃は差し込む陽の光があたたかく、空気が澄んでいるせいか、グラスのなかの水泡がどうしてかいつもよりきらきらと見える気がいたします。


ジューシーな葡萄のビネガーにふわりと吟醸の香りがただようノンアルコール日本酒、レモン果汁に炭酸を加えました。


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甘酸っぱい葡萄の香りにほんのりビターな酸味を加えることで、ふくよかな余韻が感じられるドリンクとなったかと思います。

フレッシュな葡萄ではなく、お酢を使用することで味の骨格と締まりのバランスを整えました。

氷は入れずに、ぷちぷちと泡が消えていくのを眺めながら愉しみます。


気温が下がってきて、とろりとした口あたりのものや深く味えるものを多くつくるようになりました。

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果実でも無花果や柿、洋梨など、追熟するごとの味わいや香りに変化があるものに惹かれます。

これからは柑橘類が美味しく旬を迎える時期です。柑橘の農園は海が見える場所に多くある印象ですが、潮の香りと太陽をたっぷり浴びた木は、逞しく、ジューシーで旨みのある実が育つそうです。

在来種がとても豊富なので今年の冬はどんな出会いがあるかとわくわくしています。


ゆらぎのある季節の変わり目ですが、お天気の様子を伺いながら身体を合わせいきたいですね。Mayuさんの冬のいけばなもとても楽しみにしています。


それでは!


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二十四節気に合わせ、季節に寄り添ったドリンクとお花の交換会をしていきます。
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emmy(emiushijima)
MayuArai


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