10年以上使ったツイッターとのお別れ


10年以上も使ってきたツイッターとお別れしました。ツイッターがツイッターでなくなり、更に新体制の運営方針を疑問に思っています。

認証制度について

まず認証制度について。元々は著名人や企業などがなりすましではない事を証明するための制度でした。しかしマスク氏率いる新体制移行後、お金さえ払えば誰でも取得出来るようになった上に、元々から認証されていた著名人や企業は有料プランに加入しないと認証が維持できなくなりました。毎月(年単位での支払いもあるようですが)課金の制度は、スパム対策・ボット対策・荒らし対策との事でした。一部の著名人は「払っていないのに認証マークが維持されている」と指摘したところ、マスク氏は一部著名人のアカウントについては自身が肩代わりしていると認めました。

有料プランに加入している、すなわち課金しているユーザーを表示や検索で上位に表示させるという事で、課金していないユーザーの投稿が探しにくくなり、拡散されにくくなりました。

無料ユーザーとその投稿はスパム・ボット・荒らしまたはその予備軍!?


これに関して、マスク氏は2022年11月頃、「無料ユーザーの投稿を見る事は出来ますが、それはまるでメールのスパム(迷惑メール)フォルダの中を探すような感じになる」と主張しました。投稿の表示をメールに例え、非課金ユーザーの投稿が自動的に迷惑メールフォルダの中に振り分けられる例えを出したわけです。

新認証制度を打ち出した理由及びこの発言から読み取れるのが、マスク氏と新体制側は無料ユーザーと無料ユーザーによる投稿内容(意見・交流など)を「スパム・ボット・荒らし」あるいはそれらの予備軍とみなし、迷惑で悪質な存在と一括りにしているという事。SNSにおいて、そして有料・無料プランの区別があるサービスの提供者としては前代未聞の態度だと思います。

一定以上の広告費をX社側に費やさなかった企業は企業向けの認証マークが剥奪される

認証制度で新たに作られたのが企業アカウント用の金色の認証マーク。
元々金色の認証マークを持った企業アカウントは、認証を維持するために約1000ドルを払っているそうです。
ところが、ツイッターを「X」と改めたあとに打ち出した方針がこちら。

過去30日間に1000ドル以上、または過去180日間に6000ドル以上をX社(旧ツイッター)に広告出費しないと、金色マークが剥奪されるとの事。
認証維持のために、広告費とは別のお金を既に支払っているのにも関わらずです。

マスク氏が目指しているのは中国WeChatの国際バージョン

マスク氏によるツイッターからXというブランド斬新(社名、ロゴ、名称、その他変更)は、中国のアプリWeChatのような「なんでもアプリ」に作り替えようとしているという理由らしいです。WeChatは中国独自の環境・社会制度があったからこそ中国で普及したわけです。独占禁止法のなさ、クレジットカードの普及率の悪さやモバイル決済のなさ、各分野において使えるサービスのなさ。そして中国共産党が国民もそれによってより管理できるという一石二鳥の面もあります。

一方で欧米や日本など中国以外の国々では独占禁止法を含む法律や制度の違いから、そうしたなんでもアプリを作る事、ましてや成功させる事は困難と言われています。

中国と違い「一つの会社が運営する一つのアプリのみで日常生活における全ての分野(金融、モバイル決済、ショッピング、SNS、メッセージ、写真、フードデリバリーなど)を網羅する」事を望んでいる消費者は少ないですね。複数の機能を持ったアプリを望んでいても、「全て」の機能が詰まったアプリは望んでいない。更に欧米では法律上そうしたアプリを作って運営する事も困難との事です。

ですがマスク氏は「金融・決済分野への参入が成功すればXは世界の金融システムの半分を独占できる」と豪語しています。

Xという名称に固執したのと経営判断で現ペイパルから事実上解雇された過去

こうした野望が今回いきなり出てきたわけではなく、マスク氏は以前金融関係のビジネスを立ち上げ、Xと名乗らせました。それが別の会社と合併し、現ペイパルの運営会社となったわけです。会社名で意見が割れ、社員のほとんどはペイパルに賛成しましたが、マスク氏だけXに固執。他にも会社の運営方針や経営判断でマスク氏に批判や疑問が生じ、最高経営責任者の座から降ろされました。

旧ツイッターがツイッターでなくなり、新サイトがこうした方針であるからこそ、私はアカウントを閉鎖する事にしたわけです。




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