今日の偏食フルコース「なあ!あれってサッドヴァケイションだよな!?」

あ、なんか今日だめだ。映画館行こう。昼に直感的に感じた私は驚異の集中力で仕事を終わらせ、映画館に駆け込んだ。

そこは昨年2月までちょっとだけバイトしていたところで、知り合い(仲良くなれなかった)の顔を観るとちょっと気まずい思いをする。いいか!よく行く映画館をバイト先にしちゃダメだ!(スラムダンクに通いまくりのころ、累計約20回目のときの入場担当が知り合いで「あ村上さん」と言われたときの恥ずかしさたるや)

今日観た映画は「夜明けのすべて」。今更ですみません。前作の「ケイコ目を澄ませて」も実は観れてないし三宅監督好き名乗れないね…。(なぜかシナリオだけ2作+「きみの鳥はうたえる」も持っている)

直感的に感じた感想は「怖い」でした。現代社会が生きづらすぎて、対してこの世界の住人たちは優しすぎて、というより物分かりが良すぎて。当事者たちの言葉を借りて「都合の悪いことはなんでも病気のせいにできる」という側面に触れてはいたが、まだまだ世間的には辛さをきちんと理解されていないであろうPMSとパニック障害を抱えた主人公たちに対して栗田科学の人たちがあまりにも理解をしているというか、なんというか。

怖さの理由を考えている過程で、きっとここにいる人たちみんなワケありなんだろうなというのに気づいた。気づいた後よくよく考えてみると、弟を亡くした社長をはじめ、ミックスの子供の母親だったり仕事中に眠ってしまう男性社員だったり、ちょっとずつ違和感が散りばめられていたなと思う。だからみんな物分かりが良くて、そして程よく他人だったのかと腹落ちした。

このワケあり会社であることに気づけたのは、エンドロールのカットのおかげだ。めっっっっっちゃサッドヴァケイションだった!間宮運送だった!もうあざとくキャッチボールまでしちゃってさ!!!

エンドロールに光石研さんと並んで斎藤陽一郎さんが並んだとき、青山真治監督リスペクトをすごく感じて胸がきゅっとなった。でも、正直、斎藤陽一郎さんどこにいた???とパニックになり、終映後スマホの電源付けて真っ先に調べた。弟でした。あああそこかあああ、観てる間に気づいたら絶対もっと面白くこの映画観てたって!と悔しい気持ちで帰路についた。

現実も、こうやって一度折れちゃった、折れざるを得なかった人に対してもっと優しくできればいいのにね。特に私は東京に住んでいるからなのか、一度折れちゃって転勤やら退職やらした人をずっと気にかけてくれる作中の渋川清彦さんみたいな人ってなかなか出会えてない気がするんだよね我ら。そしてそういう人を受け入れてくれる栗田化学の存在。そういう意味ではちょっとファンタジーだったかもしれない。ものすごく丁寧に現実を積み重ねている作品だったからこそ、そこが浮いていた。そこに対しては、現実と違うと否定的な目を持つのではなく、現実もそうなればいいのになと思った。

でもよくよく自分のこと振り返って考えたら辞めた会社の皆さん、めっちゃ私のこと気にかけてくれてたりするな。周囲にいてくれる皆さんに感謝。

一番良かったのは、山添くんが初めて会社のジャケットを羽織ったときの光石研さんの表情。引きの画でさり気なくフレームに入ってるんだけど、すっごく素敵だった。光石研さん斎藤陽一郎さん兄弟の話として中盤以降観ちゃってたなあ…。

あと、序盤に炭酸水プシュプシュしてたとこ、キレるとこまで含めてすっごく好きでした。松村北斗さんめっちゃくちゃ素敵ですね…。私よかった俳優さんのことつい役名で呼んじゃうんですけど山添くんだけ山添くんって言ってるもんね…。うわーお。

感想残すかちょっと迷ったのだけど、エンドロールカットであまりにもドデカい青山真治監督リスペクトを浴びてしまって、誰かに「なあ!あれってサッドヴァケイションだよな!?」と叫びたくなってしまったのだ。

明日は確定申告終わらせるぞ☆
謎テンションでした。

2024年3月8日(金)

今日食べたモノ


なし

寿司

ご飯、ソーセージエッグ、玉ねぎの上湯スープ、海老マヨサラダ

今日摂取したモノ

映画|「夜明けのすべて」


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