指標の分子・分母でその意味を把握しよう。
今日は、企業やサービスの顧客コミュニケーション診断をするときに活用する指標のお話をしたいと思います。
■顧客コミュニケーションの健康診断
お客さまに提供しているコミュニケーション運営には、何かしらの指標(応答率、平均対応時間、ミス率等)が導入されていると思います。
指標は、数多く取れていれば良いものではありません。
100以上の指標一覧。「たくさんとっているのですね。この指標の意味はなんですか?」と尋ねると「私ではわからないので、システム課に確認します」・・では、あまり測定の意味がないですね。
健康診断を受けるのと同様、顧客コミュニケーションの運営状態を正しく把握するために、①迅速さの指標 ②品質の指標 ③効率やコストの指標 ④顧客満足や成果の指標 の4エリアに指標を設定して、バランスよく測定することをお勧めします。
■指標を正しく測定・理解されているか・分子・分母を見てみましょう
指標が意図した通りに正しく測定・理解できていないこと、多いです。
例えば。
電話の応答率は、概ね以下のように組まれています。
分子(パフォーマンスのアウトプット):応答した件数
分母(パフォーマンスのインプット):着信した件数
分母になる「着信件数」は、用意している回線がつかんだ数です。
回線が5回線あるとします。多くの人が一度にかけると、つながらない状態になってしまいます。お客さまに「プープー」という話中音が流れるときは、つながらない状態。つまり回線がつかめていないのです。
このケース、そもそもの回線数が足りないということですが、お客さまに話中音を聞かせてしまっている数は、着信していないので、応答率の分母に含まれていません。
応答率70%? 低いですね~・・
でも、顧客が発信した数を分母にできるならば(できないのですが)50%かも。
応答率でつながりやすさを見ている!って、本当?
お客さま体験を正しく理解できていないかもしれないですね。
指標を活用すると、測定結果から課題を発見、改善活動に役立ることができますが、そのためには、自サービスの指標が意図した通りに測定されて、正しく理解できていることが前提です。
まず現状指標の分子・分母を確認されてはいかがでしょう。
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