『秀山祭九月大歌舞』を観た記
今月も満足でしたー
摂州合邦辻
わーわーわー!
午前中から濃いものを観てしまった・・・!!
いろいろ(義理の息子への愛情、忠義。愛情は本当にあったのか、あったとしたらどちらの比率が大きいのか)解釈できそうな玉手御前の振る舞いと、お父さんお母さんの愛情と、大きなものを感じて、涙腺が緩みっぱなしでした。
玉手御前が奴をやりこめることろは、奴という強いキャラクターに対して「よくやった!」と、一般的に女性の力では男性に勝てないならいを覆してすっきりさせてくれたり、お父さんの説得に対してぷいっと反抗を見せたり、赤姫に対して攻撃性を見せてくれたり。
そして、最終的に痛みに耐えて・・・
ところどころで、意味の異なる”強い”女性を魅せてくれるのも、とてもすっきりとして勇気をもらえる演目でした。
沙門空海唐の国にて鬼と宴す
これも歌舞伎・・・?
正解感が古代中国で言い回しが現代語なので、すっと頭に入ってくるのだけれど、歌舞伎の様式美的なところが控えめなので、”歌舞伎”ではなく、劇団☆新感線のアクロバット少な目&現代劇ではなく歌舞伎の基礎ができている役者さんによるバージョン(新感線の演目を歌舞伎にもってきたような)の印象でした。
先月の京極夏彦作品と似たものを感じました。
妹背山婦女庭訓
観劇前、いちばん楽しみにしていた演目!
前の舞踊演目『四季 ~冬~』で、絶世の美少女だった尾上左近さん(・・ブロマイドの映りがあまりよくなくて、ほんとうに残念でした。わたしの全視線をずっともっていくような、つぼみから花が咲く時期の、匂い立つ美少女でした)と、玉三郎さまを観たくて。
ロミオとジュリエットと筋は似ているけれど、歌舞伎・時代特有の”忠義・忠節・お家”が全面に出てくるので、しっかり歌舞伎の演目として観て、涙・涙しました。
ジュリエット:雛鳥(左近さん)の、はじめての恋に胸がときめいている気持ちも、お母さんが一生懸命守っているお家のために自分ができることをしなければと考える気持ちも、やっぱり自分の意思を通したいというこころの動きもわかるし、
女だてらに(特に今以上に大変だったはず)お家を守っている一家の長としての役割も、お母さんとして可愛い娘の幸せを願うのも、どちらの定高のこころの動きもわかるし、でもう涙。
コケティッシュなお付きの女性陣とのやりとりも可愛くって、初めのうきうきした楽しさが、悲劇に拍車をかけて。。。
後半はずっと涙が止まらず。。
演じられる役者さんが初めに目に留まって楽しみにしていたけれど、お芝居自体・お芝居そのものに感情が揺さぶられて、いまこのときに観てほんとうによかったと思う演目でした。
勧進帳
初めての勧進帳、写真をみたことはあったので、どういうものか事前知識はほぼゼロ状態で、楽しみにしていました!
なるほど、弁慶がまくしたてるのね・・・・
富樫なる人が傾聴力高そうで、悪人ではないのかな~と、今回は思いましたが、
①役者さんによって、弁慶も富樫もキャラクター性のどこを活かして魅せるのか
②台詞の量!言い回し、基礎的なテクニックが必要
の点から、挑戦し甲斐がありそうな演目、だから演者さんの中でも「やってみたい」とあがるのかな、と思いました。
骨折のリハビリを兼ねて歌舞伎座に通い始めて約1年。
バラエティに富んだ演目を観られて楽しいなあ~という1年です。
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