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いい会社って何だろう?|はなみちのビジレザ経営日記#6(バックナンバー)

<2017年8月24日に書いた記事です>

ビジネスレザーファクトリー(以下、ビジレザ)の「はなみち」こと、原口瑛子です。

8月下旬となり、朝夕は少しずつ涼しくなってきました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

7~8月は、ビジレザにとって、新しい挑戦の毎日でした。期間限定店として、東京ソラマチ店熊本空港店神戸空港店をオープン。

東京ソラマチ店では、似顔絵刻印にも挑戦。全国からのお客さまにビジレザを知っていただく素晴らしい機会になりました。

そして8月11日には全国8店舗目となる広島空港店がオープンしました。ついに空港×ビジレザの始動!多くのお客さまに出逢えることを楽しみにしています。

さて、今回のブログでは「いい会社」をテーマに。

先日、長野県伊那市の伊那食品工業会社(以下、伊那食品)に、ボーダレスグループの社長田口と副社長鈴木、そしてビジレザの日野美久(チャーリー)とともに視察に行ってきました。

「日本一いい会社」と呼ばれる伊那食品。その視察で感じたことや学んだことを、今回のブログに綴りたいと思います。

広島空港店

伊那食品とは?

伊那食品は、かんてんぱぱなど寒天メーカーとしてスタート、現在はゲル化剤を取り扱う食品メーカー。ご存知の方も多いかと思いますが、この伊那食品には大企業の経営幹部が足繁く視察にくるそうです。

その伊那食品を率いるのが塚越会長です。塚越会長は「いい会社をつくりましょう」という社是を掲げ、企業の目的を「社員を幸せにすることを通じていい会社をつくり社会に貢献すること」と明言された経営者。

永続が企業の最大価値とし、年輪経営と呼ばれる、木が年輪を重ねるように、少しずつ確実に成長させる経営を実践。48期連続増収増益も実現されています。

視察前に、塚越会長の著書「いい会社をつくりましょう」や「リストラなしの年輪経営」で予習しましたが私の頭の中にはたくさんのクエスチョンマークが。

「これを実践する会社ってどんな会社なんだろう?実際に行ってもっと知ってみたい!」

視察当日、そこにはいい会社を実践するためのたくさんのヒントがありました。

いい会社で実践されていたこと

到着して最初に目を奪われたのは、広大で美しい庭。東京ドーム約3個分の敷地には、手入れの行き届いた木や美しい苔があり、その庭はすべて約200名の社員の手で、掃除や手入れをされているとのこと。

掃除の時間は、各社員が好きな時間に出社して、始めるそうで、掃除の場所も、各社員がその日に気になった場所を掃除するそうです。

外部委託すると、もちろん多額の経費がかかります。それを、自分たちの手で行う伊那食品。会社を自分たちの家のように感じ、自分の家を綺麗にするのは当たり前という社員のみなさんの想いを感じました。

ちなみに、週末出社して掃除をする社員もいるそうです。通常は資格がないと使用できない機材も、資格をとって使いこなす社員もいらっしゃるそう。掃除用具も、完璧に整理整頓されていました。

その後、朝礼を視察。朝礼では、数名の社員の方が全社員の前に立ち、現状や課題、そこから得た気づきなどを報告されていました。管理職が報告するのではなく、各部署の社員が当番制で報告しているそうです。

朝の掃除

朝礼や掃除、その目的は?

掃除や朝礼の視察後、塚越会長の講演会がありました。各経営者から塚越会長への質疑応答が行われ、そこには実践に基づく多くの金言がありました。

現在の私に一番響いたのは、経営には哲学が大切だということ。そして全てに目的が大切だということ。

例えば、掃除については掃除自体が目的ではなく、掃除を通して、気づきを得ることが目的だそうです。日々の暮らしの中で五感を研ぎ澄ませて、変化などに気づくということを大切にする。

例えば、朝礼については、朝礼自体が目的でなく、これからの人生で、大勢の前で機会が来た時に話すことができることが目的だそうです。

最後に、ビジネスにおける売上や利益については、手段であって目的ではない、ということ。健全な経営をすれば、売上や利益は自然に出るもので、それをどう有効に使うのかこそが大切だということでした。

伊那食品の企業の目的は、社員の幸せ。例えば、生産工程に新機材を導入する判断は、生産効率を上げて売上を伸ばす目的ではなく、社員が快適に働く環境を整え、より幸せになることが目的だそうです。

すべてにおいて、目的が大切。塚越会長の一つひとつの言葉に、経営哲学を感じました。

伊那食品の社是

視察前に感じていたモヤモヤ

実は視察前、少しモヤモヤを感じていました。

いい会社をつくること、企業の目的は社員の幸せであることは疑いようもなく、経営者としてあるべき姿だと理解している。

一方で、年輪経営を、私たちの事業、つまりビジレザに、どのように応用できるだろうか、という純粋な疑問でした。

一つは、まだ始まったばかり、つまり創業期や成長期の私たちのステージという観点。

そもそも売上や利益がなければ、社員に安定した給与すら払えず、存続すらも安定していない。そのステージで、年輪経営をどう実践できるのか。

二つ目は、社会問題の解決を目的としたソーシャルビジネスの私たちのスピードという観点。

ビジレザの場合、売上や利益=バングラの雇用創出。売上や利益がなければ、他の工場では働けない人々を雇用できない。その人達は路頭に迷うかもしれない。

物乞いで生活しなければいけないし、日雇い労働などの健康を害する肉体労働に就くかもしれない。女性であれば売春をせざるを得ないかもしれない。

苔が綺麗なオフィス

今の私が行き着いた答えは...

視察から約2週間、行き着いた答えは…

スピードのある成長も、いい会社をつくることも、両方大切。

ただ、成長はスピード感のある正しい成長をしたい。
一時的なブームの急成長ではなく、バングラの雇用を継続的に創出できるスピード感。売上や利益を自然に出し、それを正しく使う正しい成長。

また、いい会社をつくることについては、常にあるべき姿や理想像を明確に掲げながら、組織の成長ステージに合わせて、まずは基本的なレベルから日進月歩で実践していきたい。

その実践こそがいい会社をつくり、会社を超えて社会にも影響し、いい社会をつくることができる。

これから経営者の経験を積みながら、もっと深い解釈をしていきたいと思います。

朝会で学びをシェア

ビジレザでも実践をスタート

早速ビジレザではいくつかの取り組みを始めました!

まずは、いい会社の基本となる挨拶や整理整頓から。まだまだできていないという現実を、自分達が知ることから始めました。少しずつ実践を積み重ね、いい会社を目指していきたいと思います。

ちなみにビジレザでは、経営理念を「世界中の働くを明るく」と決めた後、その実践のために「働くを明るく」実行委員会を発足しました。

実行委員長は一緒に視察した入社2年目チャーリー。彼女はビジレザが独自で開催する店舗社長会を担当していますが、自分から「実行委員やりたいです!」と手を挙げてくれました。

ビジレザの「働くを明るく」実行委員会でたくさんの実践を積みながら、ボーダレス全体もいい会社にしてくれそうな、ポテンシャル満載のチャーリー。

早速ボーダレス全体の取り組みも。きっと彼女なら、いい会社を作るためのいいアイディアを実行してくれると信じています。乞うご期待です!

最後に、今年8月11日にオープンした広島空港店では引き続き一緒に働くメンバーを募集中!ご関心のある方は、是非求人情報からご応募ください!

チャーリーの取り組み



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