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ビジレザの仲間たちの今|バングラデシュ革工場の現状 #2

<2020年5月7日に書いた記事です>

バングラ工場の現状の続報をお伝えします。私たちビジネスレザーファクトリーの商品を作るバングラ工場のメンバーの顔をみなさまに知っていただくために。

バングラ工場は業務を再開しました

バングラ工場では、3月26日より全業務を停止していましたが、4月27日より一部業務を再開しました。日本のメディアでは、一部工場が再開を強行と報道もありましたが、実際バングラでは、社員の適切な安全性の維持を条件に、業務の再開が許可されています。

バングラ工場では約800名以上の仲間が働いており、うちビジレザの商品を作る仲間は600名以上。彼らにとって、働くことは生きることです。働かなければ明日を描けません。だから私たちは、みんなとともに業務を再開することにしました。

しかし、最も大切なことはメンバーの安全や健康。業務停止中は、マネジメントチームが連携し、ラインのメンバーたちに、毎日電話で健康状態を確認していました。業務を再開した今、工場では感染リスクを下げ、安全や健康のために以下の対応を始めました。

1) 二交代制で勤務する。
2) 常時マスクを着用する。
3) 工場に入る前に、体温を計測する。
4) 工場に入る前に、手洗い・うがい・手足を消毒する。
5) 二時間ごとにアルコールスプレーで手を消毒する。
6) ソーシャルディスタンスを取り、生産する。

バングラの他のアパレル工場では、欧州などの注文キャンセルが相次ぎ、休業による給与の未払いが発生、デモも報道されています。私たちのバングラ工場では、業務停止中の解雇や人員削減は行わず、業務停止中の給与もすべて支払いを終えました。

これが、現在の私たちのバングラ工場の現状です。

バングラ工場とのイベントを開催

5月2日、BLJバングラデシュ代表ファルクさん、革工場代表マスンさんと、ビジネスレザーファクトリー代表の私で、オンラインイベントを開催しました。

これまでイベントを何度か開催したことはありますが、ファルクさん・マスンさん、工場メンバーとともに、開催したイベントははじめて。

このイベントで、大切にしたことが二つあります。一つは、作り手であるバングラと日本のお客さまが「顔が見える関係性」になれることです。

作り手である、バングラ工場のみんなの顔を、日本のお客さまに知っていただきたい。彼らがどんな顔で事業に取り組みものづくりに向き合っているか。どんな顔で働く日々を送っているのか。

同時に、バングラのメンバーにも、日本のお客さまの顔を知ってほしい。こんなにも多くの人々の働く毎日に寄り添う、とても価値ある商品を作っていることを知ってほしい。

二つ目は、バングラと日本の「働くを繋ぎたい」ということでした。

働く日々に不安を抱える今だからこそ、バングラ・日本のメンバーたち、そしてお客さまを繋いで、働く未来が、少しだけ前向きになれたら。

働くって大変だけど、きっとお金以上の価値がある。今はオンラインにだけど、いつかはお客さまをバングラにお連れしたい、という未来も描きながら。

イベントには、200名を超える方々にご参加いただきました。多くはカンブリア宮殿の放送を観て参加頂いた方々で、7割以上がこれまでビジネスレザーファクトリーを知らなかった方でした。

それでもイベント後のアンケートでは「現地の声を聞けてよかった」「ファルクさん・マスンさんの想いに感動した」「働くことに前向きになれた」など、嬉しいお声をたくさんいただきました。

涙を流してイベントを聞いてくださった方々もいらっしゃいました。少しでもお客さまにとって前向きになれる時間を作ることができたのならば、このタイミングで開催してよかったと心から思います。

これから私たちが大切にしたいこと

今回、私たちの事業背景やブランドストーリーをお客さまに知っていただく、大切な機会になりました。その機会を経て、私の中で考えたことがあります。

これからはもっと顔が見えるブランドになりたい、ということ。バングラで働くみんなの顔が見える、ブランドになっていきたい。

貧しい人々がかわいそうだからという「お涙ちょうだい」ではなく、職人として仕事にやりがいや誇りを持ちながら働いている、仲間の顔を知ってほしい。

いつか、新型コロナの影響が落ち着いたら、バングラへ渡航するツアーを開催します。働く人々を繋げ「世界中の働くを楽しく」を実現していきたい。そこに私たちの本当の価値があるはずです。

お客さま、日本メンバー、バングラメンバーの「働くを楽しく」を、永く実現できるよう、私たちビジネスレザーファクトリーは、これからも尽力してまいります。

日本の直営店舗は、緊急事態宣言の延長を受け、臨時休業を延長しましたが、またお客さまと笑顔でお会いできる日を願い、今の私たちにできることに取り組みます。これからもよろしくお願いいたします。


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