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科学者に何を求めるべきなのか?

先週の土曜日に、「科学者は指導者としての教育を受けていない。それは問題だ!」というタイトルでScience Careerニュースをまとめました。元の記事はこちら

私も学生の時は、ちゃんと「教える」ことを教わっていない人が先生をしているのは変だなーと感じることもあったし、「大学は文部科学省管轄の教育機関では?」と思ったりすることもありました。教える気がない先生の講義はつまらないし、教科書をそのまま読む先生や、定期試験で前の年と全く同じ問題を出す先生もいたりして...講義の準備を学生にやらせている先生もいました。

とまぁ、日本の大学の教授も「指導者としての教育」は受けていないので、教授によって講義の質はバラバラなのです。

大学は大学の教授に何を求めているのか?

質の高い研究成果?研究費の獲得?学生の就職サポート?学生の指導力?大学運営能力?...

なんだかたくさん求められすぎているとは思いませんか?「科学者」としてならば、質の高い研究成果は必要です。
「大学の資金源」としてならば、研究費の獲得は必要。
「大学の人気取り」としてならば、きちんとした就職サポートができること(企業とのつながり)が大事ですし、
「学生の満足度を高める」ためなら、学生への指導力も求められます。
「大学の一職員」としてならば、大学を運営する能力も求められるかもしれません。

どこに焦点を置くかで、求められるコトが変わってきます。

立場が上に行けば行くほどオールラウンダーさが求められてしまうのですが、科学者・研究者は一つのことを突き詰めて考えるのが好きな人が多いはず。

教授に求めるのは一つで良い?!

教授になんでも求めるのではなく、教授が教授の仕事を全うできる環境にしてあげることが大事なのではないでしょうか?教授に指導力がない!と嘆くのではなく教授に指導力は必要なのか?を根本から問い直して、もし必要であると判断されたのであれば指導者としての教育プログラムを組み込むべきだし、必要ないと判断されたのであれば指導をきちんとできる科学者を育成してその人たちに講義などをしてもらえば良いのではないかと思います。
研究費獲得してほしい!と思うのであれば、研究費を獲得するための申請書の書き方やプレゼンの仕方の教育プログラムを大学側が用意する必要があります。(こういったプログラムを実際にやられている大学もあると思います)
もちろん自発的に勉強している先生方もいらっしゃいますが...

これからは、専門性がものをいう時代になるのではないかと思っています。SNSが台頭してきて「個人」がどう輝くかが求められてくる時代です。色々平均よりちょっとできる人が頑張る時代ではなく、突出して何かできる人たちが集まってより高い質のものを生み出していく時代になるのではないでしょうか?

研究を専門にやるのはもちろん、科学を指導する専門の人がいたり、研究費を申請する専門の人がいたり、データ処理の専門の人がいたり、プレゼンテーション資料を作る専門の人がいても良いのではないかなーと思ったりします。どれも科学的なバックグラウンドは必要。単なる「科学者」ではなく「科学者」が細分化されてチームで研究してくる時代になっていくのではないかなーと思っています。私の想像の世界なのですが...

それでは、また!


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